弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

宮崎地裁平成27年12月18日判決,虫に刺されたことによる壊死性筋膜炎による死亡で賠償命令(報道)

読売新聞「虫に刺された女性死亡、病院側に5千万賠償命令」(2015年12月19日)は,次のとおり報じました.

「的確な検査を怠り宮崎県日南市の女性(当時69歳)を死亡させたとして、遺族が同市の社会福祉法人愛泉会日南病院を相手取り約6000万円の損害賠償を求めた訴訟で、宮崎地裁(藤田光代裁判長)は18日、病院側の過失を認め、約5160万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、同病院の医師は2011年4月27日、右足を虫にさされた女性を「帯状疱疹」「刺虫の疑い」と診断、外来治療ができると判断し帰宅させた。女性は2日後に死亡した。

 藤田裁判長は「死因は虫に刺されたことによる感染症の壊死性筋膜炎に起因する敗血症性ショックと多臓器不全」と判断し、被告側の「死因は脳出血など突発的なもの」との主張を退けた。

 その上で、「医師は各種検査をするべき義務があった。27日に適切な検査が行われていれば、死亡を回避できた可能性は十分認められる」として、病院側の過失を認めた。

 同病院の春山康久院長は「判決を精査し、今後の対応を検討する」としている。」


これは,私が担当した事件ではありませんので,事案の詳細はわかりません.ただ,壊死性筋膜炎は,一見蜂窩織炎と似ていますが,診断治療が遅れると死亡に至ることもあり,医療過誤が問題になりがちな疾患です.被告が脳出血など突発的なものを主張しているところからすると,検査が行われなかった事案なのでしょう.


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-22 03:11 | 医療事故・医療裁判