弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

椎間板ヘルニアの手術で神経を損傷させた医療過誤で,佐賀県が1000万円支払い和解(報道)

NHK「好生館・後遺症で元患者と和解」(2015年12月25日)は,次のとおり報じました.

8年前、当時の県立病院好生館で腰の手術を受けた佐賀市の男性が、医療ミスが原因で下半身のしびれなどの後遺症が残ったとして、病院側に5000万円の損害賠償を求める訴えを起こし、病院側が男性に1000万円を支払うことで、25日までに、和解が成立していたことが分かりました。

佐賀市の男性は、平成19年4月に当時の県立病院好生館で腰の椎間板ヘルニアの手術を受けた結果、しびれがひどく、長時間座ることが出来ないなど下半身に重い障害が残ったということです。
男性は、執刀した医師が、手術で神経を損傷させた医療ミスが原因だとして、現在、地方独立行政法人となった好生館に損害賠償などとしておよそ5000万円の支払いを求めて、佐賀地方裁判所に訴えていました。

佐賀地方裁判所によりますと、この裁判で、和解が成立したということです。
それによりますと、▼好生館が男性に謝罪すること、▼好生館が男性に和解金として1000万円を支払うこと、▼さらに、好生館が医療事故の防止に真摯に取り組むことなどが、盛り込まれています。

原告の男性と和解したことについて、地方独立行政法人の好生館の溝上信彦総務課長は「コメントは差し控えたい」としています。」


本件は私が担当したものではありません.
毎日新聞によりますと,患者は県警の男性警部(当時)だそうです.つまり,県の職員と県との訴訟です.
裁判上の和解ができてよかったと思いますが,このような手術による神経損傷では訴訟までに示談で解決できないものでしょうか.
なお,コメントを差し控えるという対応は疑問です.
謝罪し再発防止に真摯に取り組む旨のことを言えないのでしょうか.


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-25 21:08 | 医療事故・医療裁判