弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

山梨県都留市の診療所、前立腺がん検査用の針を使い回し

朝日新聞「前立腺がん検査用の針、洗浄して使い回す 山梨の診療所」(2016年4月2日)は、次のとおり報じました.

「山梨県都留市の診療所「東桂(ひがしかつら)メディカルクリニック」(A院長)が、前立腺がんの検査で用いる使い捨ての生検針を、複数の患者に洗浄したのち使い回し、県の指導後も使い回しの事実を多くの患者に伝えていないことがわかった。生検針の使い回しには、ウイルスや細菌などの病原体が身体に入り引き起こされる、様々な感染症のリスクがある。県は再調査を検討している。

 生検針は先端が2重の筒状で、くぼみがある。肛門(こうもん)から挿入し前立腺の組織を切り取るため出血することもある。製品の説明書で「再使用不可」とされている単回使用器材で、使い回しは禁止されている。厚生労働省の通知でも不適切とされている。

 山梨県は2013年7月の立ち入り調査で生検針の使い回しの実態を把握。診療所に対して、再使用を行ったすべての患者や家族に説明と謝罪をし、血液検査するよう指導した。診療所は同年12月、指摘のすべてを実施したという内容の改善報告書を、県に提出。再使用は診療所を開設した04年から13年3月まで行われ、163人が対象とされている。

 だが、生検針による検査を受けた患者のうち、今年2月時点で朝日新聞が接触できた28人は、使い回しに関する説明や謝罪はこれまで一切受けていないと話している。県内在住の男性患者(64)は、「検査後も何度も院長の診察を受けているのに、一切そんな話は出ていない。裏切られた気持ちでいっぱいだ」と憤る。」


診療所にとっては使い回しをしたほうが利潤があがるのでしょうが、患者にとっては感染の危険があります.
院長は、東京の4つの一流病院に勤務した経歴があり、違法性の認識がなかったはずはありません
「当クリニックは、今回の件を肝に銘じ、今後、厚労省及び保健所等の指導に従い、なお一層安全に十分な注意を払って医療を続けて参ります。」とのことですが、このような医師には、業務停止の処分ができないものでしょうか.
院長はもちろん、診療所の看護師も、不適切な行為であることは認識していたのではないでしょうか.看護師が不適切な行為と知りながら院長の指示にしたがっていたとすれば、それも問題でしょう.


谷直樹


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by medical-law | 2016-04-04 00:40 | 医療事故・医療裁判