弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

精神科・神経科の専門病院でインフルエンザA型集団感染し患者3人が死亡(報道)

時事通信「インフル院内感染で3人死亡=准看護師ら原因-静岡」(2016年4月5日)は,次のとおり報じました.

「静岡県河津町の河津浜病院(奥脇和夫院長)は5日、2月に入院患者23人と職員5人がインフルエンザA型に集団感染し、60代~70代の男性患者3人が死亡したと発表した。3月にも入院患者8人と職員1人が同B型に集団感染したが、重症者はいないという。
 同病院によると、2月初めにインフルエンザに感染した女性准看護師が夜勤を行ったのが原因で、胸部大動脈瘤(りゅう)など重度の症状を抱えていた患者3人が同月21~27日、急性肺炎の合併症を起こし死亡した。 
 感染は3月22日に一度終息したが、その後、男性看護助手を通じ入院患者8人がB型に感染。患者の隔離や投薬などの対応を行っているという。」



中日新聞「インフル集団感染、3人死亡 河津町の病院」(2016年4月6日)は,次のとおり報じました.

「河津町川津筏場の河津浜病院で二~三月、入院患者と職員の計二十八人がインフルエンザに集団感染し、うち六十~七十代の男性患者三人が死亡したことが分かった。病院が五日公表した。

 病院と県賀茂保健所によると、感染したのは三十~八十代の入院患者二十三人と職員五人。二月八日に女性職員が最初にインフルエンザA型の診断を受けた。死亡したのは、六十三歳の男性が二月二十一日、七十二歳の男性が同二十三日、七十八歳の男性が同二十七日、いずれも急性肺炎で死亡した。院内感染で拡大したとみられる。病院が県に三人死亡を報告したのは、A型の院内流行が終わったと判断した三月二十二日だった。

 河津浜病院は精神科・神経科の専門病院。五日現在で入院患者は百五十九人、職員は百三人に上る。現在は患者・職員計九人がインフルエンザB型の診断を受けているが、重症者はいない。病院の担当者は「報告と公表が遅れ、申し訳ない。院内感染の対応マニュアルの見直しを検討したい」と話した。」



このような精神科・神経科の専門病院では,患者が自覚症状を訴えるまで待っていたのでは対応が遅れてしまうこともあると思いますので,入院患者の健康チェックが重要です.

施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要ですので,施設の従業員は,日頃から健康管理につとめ,インフルエンザ様症状を呈した場合には症状が改善するまで就業を控えることも必要でしょう.

本件で,インフルエンザに罹患した患者に対し良質かつ適切な医療の提供ができていたか,蔓延防止のために必要な措置がすみやかにできていたか,再発防止のために調査が必要でしょう.



谷直樹


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by medical-law | 2016-04-06 22:59 | 医療事故・医療裁判