弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京地裁判決,定年後再雇用同一の仕事内容で賃金に差があるのは違法

NHK「定年後も正社員と同一賃金の支払い命じる 東京地裁」(2016年5月13日)は次のとおり報じました. 

「定年後に嘱託社員として再雇用されたトラックの運転手が、待遇が不当だと訴えた裁判で、東京地方裁判所は「正社員と同一の仕事なのに賃金に差があるのは違法だ」として、会社に対して正社員と同じ賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。

横浜市に本社がある「長澤運輸」を定年退職したあと後、嘱託社員として再雇用されたトラックの運転手の男性3人は、「賃金を3割前後も下げられた」として会社に対して裁判を起こしました。会社側は「定年後も同じ賃金で再雇用する義務はない」などと反論していました。
13日の判決で東京地方裁判所の佐々木宗啓裁判長は、「仕事の内容は正社員と同一と認められ、賃金に差があるのは違法だ」と指摘しました。そのうえで、「雇用の確保のため企業が賃金を引き下げること自体には合理性があるが、財務状況などから今回はその必要性はない」として、会社に対して正社員と同じ賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
3人の弁護団は、運送業界では同じような形で再雇用している会社が少なくないとしたうえで、「格差の是正に向けて大きな影響力を持つ画期的な判決だ」と評価しています。」

テレビニュースには,花垣存彦先生が記者に語りかけている姿が映っていました.
定年後の再就職でも天下りした公務員などはむしろ収入が上がりますし,嘱託として再雇用し同じ仕事をさせている場合に賃金を下けるのは不合理です.
なお,医療過誤事件では,67歳まで今の収入が続いたという計算をすることが一般的です.

谷直樹


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by medical-law | 2016-05-14 08:50 | 司法