弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

順天堂大学付属順天堂医院,強心剤約40分中断し患者が低血圧によるショックで寝たきりに(報道)

「朝日新聞「点滴の電源切られ強心剤中断」寝たきりに 家族が会見」(2016年6月9日)は,次のとおり報じました.

 順天堂大学付属順天堂医院(東京都文京区)で昨年6月、心不全で入院中の岩手県の女性(74)に点滴されていた強心剤が数十分にわたって中断し、低血圧によるショックを起こして寝たきりになったと、女性の家族らが9日、都内で記者会見して明らかにした。家族らによると、看護師が点滴装置の電源を切ったままにしていたと、病院側から説明されたという。

 女性の長女と弁護士によると、女性は手術を受けるために心臓血管外科に入院。強心剤によって血圧が保たれていて、容体が急変したため、点滴装置の電源が切れていることがわかった。強心剤の残量が少なくなり、新しいものを準備中にアラームが鳴るとうるさいので切った、と病院側は話しているという。

 長女らは病院側に損害賠償を求めて提訴する方針。長女は会見で「病院は医療ミスを認めて、正式に謝罪してほしい」と語った。

 病院側は9日、朝日新聞の取材申し込みに対し、「対応できない」としている。


この事件の患者側の代理人弁護士は,オアシス法律事務所中川素充(もとみつ)先生です.
シリンジポンプは並列交換ではなかったようですが,数十分にわたってシリンジポンプの電源を切ったのはどうしてなのか,報道では状況がよくわかりません.
ドブポンシリンジで長時間中断するはずはないので.電源を切ったままにするなどあり得ないことです.単純に,電源をオンにするのを忘れたということなのでしょうか.

【追記】

FNN「順天堂医院に立ち入り検査 点滴中断後「容体悪化」 医療ミスか」(6/10日)は,次のとおり報じました.

「天皇陛下の執刀医が院長を務める病院に、東京都の立ち入り検査が入った。
ベッドで横になり、娘の呼びかけにうなずく、74歳の女性。
順天堂医院の心臓血管外科で治療を受け、現在は、寝たきりの状態だという。
2015年4月、心筋症による心機能の低下と、血液が逆流する弁膜症と診断され、順天堂医院に入院した。
ところが、手術に向けて体調を整えていた、2015年6月17日、突然、容体が悪化。
女性の家族は、「心臓が悪化して、もう本当に、顔をゆがめて苦しそうにしていて、救命をなんとかしようとしているところに、わたしが見に到着して」と話した。
女性の家族は、1週間後に主治医と交わしたやり取りを録音していた。

親族「医療ミスがあったということですね?」
主治医「医療ミスって...、まあ、そうですね」

医療ミスがあったと話す主治医。
どんなミスだったのか。
主治医は、「ドブタミンに行けなかった時間帯があるということは、事実として出てくる」と話していた。
ドブタミンとは、強心剤の一種。
一定期間、絶え間なく点滴で投与する必要があるが、家族によると、容体急変の際、ドブタミンはなくなり、点滴をする機械の電源も切れていたという。
なぜ、投与は止まったのか。
主治医は、「彼女(看護師)は、もう(薬剤を)作成しなければいけないこともわかっていました。でも、自分が(薬剤を)作って戻ってくるまでの間に、(点滴の機械の)アラームがまた鳴ってしまうということを考えて、アラームを消したと」と語った。
家族によると、看護師が、薬剤作りを優先して、点滴の機械の電源をオフに。
そのため、40分前後、投与が止まったという。
4カ月後、順天堂医院は、「入院中に点滴が一時中断していたことから、患者様ご自身へのご負担、ならびにご家族にご心労をおかけしたことについては、誠に申し訳ございませんでした。心臓血管外科 科長 天野 篤」と、女性に文書でおわびした。
女性が寝たきりとなったのは、点滴の中断と関係があるのか。
家族によると、主治医は、女性の心臓がもともと弱かったことを理由に、点滴中断と、病状悪化の因果関係を否定するような説明をしていた。
主治医は、「もうやっぱり、心臓が、心臓自体が、ちょっとずつ、ちょっとずつ弱まっていくと。もともと、そういう病気なのでね」と話していた。
9日、会見に臨んだ家族は、順天堂医院を相手取った訴訟も検討しているという。
女性の家族は、「医療ミスを認めて、天野先生とか、担当の看護師さんに謝罪していただきたいって思います。本当に、母の心臓を返してほしい」と語った。
治療行為に、問題はなかったのか。
順天堂医院は、「現段階としては、患者さまの個人情報もあるので、お答えすることはありません」とコメントしている。
東京都は9日、順天堂医院への立ち入り検査を実施。
今回の医療行為について、くわしく調べる方針。

このニュースに関しては、事実や因果関係について、まだまだ、わからない点がある。
東京都の立ち入り検査、そして、家族が検討しているという裁判の場で、そういったことが明らかになるのか、注目される。」


電源をオンにするのを忘れたわけではないようです.
ますます謎です.
看護師の行動が不可解です.
順天堂医院からの説明を期待します.



谷直樹



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by medical-law | 2016-06-10 00:00 | 医療事故・医療裁判