弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

青森市民病院の医師が診療画像をユーチューブに投稿し訓告処分

読売新聞「青森市民病院の医師が診療画像 無断投稿」(2016年6月15日)は,次のとおり報じました.

「青森市勝田の青森市民病院で、医師が患者に無断で患者の診療画像などを動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿し、昨年5月に市から訓告の処分を受けていたことがわかった。14日の市議会一般質問で、市議の質問に答える形で市側が認めた。

 質問した共産党の村川みどり市議や市民病院などによると、昨年1月、動画サイトを見た患者の家族から「うちの家族の患部の画像ではないか」などと病院に問い合わせがあり、事実確認をした結果、同病院の医師による投稿だと発覚した。医師は投稿を認め、「学術的な研究のため、より見やすい環境にしたかった」などと話したという。

 画像は、患者個人が特定できるものではないが、患者の了承を取っておらず、すでに医師が患者に謝罪したという。同病院の安保明彦事務局長は「再発防止に努めたい」と話した。」


報道の件は,医師による投稿であって,病院としての利用ではありません.
また,投稿した医師は,病院に投稿についての許可を得ていないものと思われます.
病院が許可した投稿であれば,医師が訓告処分になることはないはずです.

「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日,その他の記述等により特定の個人を識別することができるものとされています.他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含みます.
病院としての利用であった場合でも,病院は,「個人を識別あるいは特定できない状態で利用する場合」等を除き利用目的の範囲を超えて利用することはできず,報道の件は,家族が動画を見て特定できたことから,個人を識別あるいは特定できない状態と言い切れる状態だったか,疑問があります.
また,論文に引用する場合とユーチューブに投稿する場合とでは利用の形態が異なり,それは違法性の判断に影響すると思います.


谷直樹



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by medical-law | 2016-06-16 09:23 | 医療