弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

最高裁,統合失調症患者を外出させた病院の責任を認めず(報道)

毎日新聞「高松・香川町の男性刺殺 病院責任認めず 最高裁決定」(2016年8月26日)は次のとおり報じました. 

「県内で2005年、統合失調症の男(47)に高知市の会社役員の男性(当時28)が刺殺された事件を巡り、男が入院していた病院側を相手に遺族が損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は23日付で、遺族の上告を退ける決定をした。病院の責任を認めなかった2審判決が確定した。
確定判決によると、男は05年12月、入院先から外出し、香川町(現高松市)の駐車場で男性の胸を包丁で刺して殺害。殺人罪などで懲役25年の判決が確定した。 
遺族は、病院が適切な治療をせず、外出を許可した過失があると訴えたが、高松地裁判決は「患者の管理体制に不備はなかった」と退け、高松高裁も支持した。 
遺族は男に対しても賠償を求め、既に約1億2000万円の支払い命令が確定している。」


これは私が担当した事件ではありません.その患者が人を殺すことの予見可能性があれば,その病院には外出を許可しない義務がありますが,統合失調症といっても患者ごとにその病状は様々ですし,患者の行動を予見することは困難ですから,予見可能性があってかつ外出が許可されるケースはきわめてまれです.統合失調症といっても患者ごとにその病状は様々で,その患者の病状の程度に従い必要となる措置にも自ずから差異がありますので,統合失調症の治療,患者の管理に病院の過失のあることが立証できるケースもきわめてまれです.

谷直樹


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by medical-law | 2016-08-27 01:29 | 医療事故・医療裁判