弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

「司法試験合格者数のさらなる減員を求める17弁護士会会長共同声明」

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昨年12月27日に,「司法試験合格者数のさらなる減員を求める17弁護士会会長共同声明」が発表されました.
埼玉弁護士会,千葉県弁護士会,栃木県弁護士会,群馬弁護士会,山梨県弁護士会,長野県弁護士会,兵庫県弁護士会,三重弁護士会,富山県弁護士会,山口県弁護士会,大分県弁護士会,仙台弁護士会,福島県弁護士会,山形県弁護士会,秋田弁護士会,青森県弁護士会,札幌弁護士会です.

法科大学院適性試験の受験者数は次のとおり減少しています.
平成15年  約5万4000人
平成27年      3621人
平成28年      3286人

司法試験受験者も次のとおり減少しています.
平成16年  約4万3000人
平成27年      8016人
平成28年      6899人

受験生は上記のとおり減少傾向にあります.
受験者が毎年1000人減ったら,7年後にはゼロになる計算です.
受験者がゼロにはならなくても,当然ですが,受験者が3000人を割ると合格者を3000人にすることは不可能で,受験者が1500人を割ると合格者1500人も不可能となります.
ちなみに,平成27年度司法試験合格者数は1850人,平成28年度司法試験合格者数は1583人でした.
現状を放置しても,受験者・合格者が減少し,いずれ弁護士供給過剰状態が解消されるでしょうが,それでは,必ずしも優秀な人材は得られないかもしれません.それでよいと割り切るのも一つの考えでしょうが...
しかし,もし法律家には優秀な人材が来てほしいと考えるなら,弁護士という職業の経済的な安定を回復させ,優秀な人材が司法試験を受験し合格するよう制度を改めるという選択が必要でしょう.

上記声明は,
「多様で有為な人材が法曹を志望せず,試験の選抜機能が働かず,就職環境や法曹に就いた後のOJTの環境も厳しいとなれば,新規法曹の質が低下することも必定である」

「日弁連臨時総会決議は,『更なる減員については法曹養成制度の成熟度や現実の法的需要,問題点の改善状況を検証しつつ対処していくべきもの』としているところ,現行の法曹養成制度は,法曹志望者の激減に合わせて,法科大学院適性試験や司法試験の受験者が上記の通り著しく激減した結果,制度の成熟の前提となる多様で有為な人材の確保そのものが危機に瀕する実態にある。また,現実の法的需要が,平成15年以降,倍近くに増えた法曹有資格者の過剰供給を吸収できる状態から程遠い実態にあり,そのことの弊害がますます顕在化していることも,すでに明瞭である。」

「法曹は司法を担う人的基盤であって,司法制度は法の支配と人権擁護の基盤となる国家制度である。いま,供給過剰による弊害の進行を食い止め,法曹を目指すことの魅力を保持することは,司法制度存立の基礎を維持するために不可欠な事柄である。そこで,われわれは,共同で,政府に対し,次年度以降の司法試験合格者数を,さらに大幅に減員する方針を,速やかに採用することを強く求めるものである。」

と述べています.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-03 12:08 | 司法