弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

産業医科大学病院の処置薬(生理食塩水)のヒューマンエラー事案

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朝日新聞「点滴処置薬を廃棄せず再使用 産業医大病院」(2017年1月5日)は,次のとおり報じました.

「北九州市八幡西区の産業医科大病院で昨年11月、入院中の60代女性患者に、別の患者に一度注射した生理食塩水(処置薬)が再使用されていたことがわかった。健康被害はなかったが、使用した処置薬は廃棄する決まりが守られなかった。同病院では昨年10月、点滴袋に穴が開けられる事件があり、その際も鍵の管理に関する内規が守られていなかった。

 病院によると、昨年11月20日昼ごろ、看護師が患者に点滴をした後、点滴の管の接続口から処置薬を注入しようとしたが失敗。注入をあきらめ、処置薬は袋に戻してカート上に置いたまま休憩に入った。

 その後、別の看護師が減っていない処置薬を見て未使用と思い、60代女性患者に注入したという。産業医科大広報企画室は「初歩的な人為ミス。決まりを守るよう徹底したい」としている。」


産業医科大学病院のサイトには,「平成 29年1月5日の報道事案について」が平成29年1月6日にアップされました.

11月に発生した処置薬(生理食塩水)のヒューマンエラー事案に関して、ご説明させていただきます。

輸液(点滴など)を終了した後の手順としては、以下のとおり行います。

①  輸液のルート(写真1)から輸液セットを外す。 

②  処置薬(生理食塩水)5cc 程度を注入し、ルートの閉塞を防止する。(写真2)

今回の事案では、上述②の手順において、他の患者の方の輸液ルートに接続した処置薬(生理食塩水)を、別の看護師が未使用のものと勘違いして当該患者の方に使用したものです。

その後、当該患者の方に検査を数回行いましたが、健康被害は確認されておりません。

1月5日の一部新聞報道において、「使用済み点滴注射薬を投与」と題して報道されましたが、正しくは「点滴注射薬」ではなく「処置薬(生理食塩水)」です。

本事案発生後、産業医科大学病院といたしましては、再発防止に向け取り組んでおります。」


要するに,生食ロックのときに,他の患者の輸液ルートに接続したものを未使用のものと勘違いして接続したというミスです.一度使ったものを放置しておくのはよくありませんし,置いてあるものを使うのもよくありません.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-21 22:19