弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

医療社会法人愛仁会が1万4千人余から余分な血液を採取し,その人数を過少に報告(報道)

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社会医療法人愛仁会(大阪市)が,大阪市,枚方市,尼崎市等から受託した特定健康診査(健診)の採血検査の際,貧血用の検査用の2ccの採血を,貧血検査を行わない人からも採血していたと報じられています.

「大阪市は20日、市の集団健診を委託した社会医療法人愛仁会の総合健康センター(大阪府高槻市)が、受診者延べ1万1479人に対し、必要のない貧血検査用の追加採血を本人に無断で行っていたと発表した。大阪市以外の自治体でも同様の事例があるといい、同法人が調べている。」西日本新聞

「本来、貧血検査用の採血は医師が必要と判断した受診者に限り、説明の上、通常の血液検査の際に追加で行う。だが健診担当者が採血漏れを恐れ、必要の有無にかかわらず受診者全員に追加採血をするよう業務マニュアルを書き換えていた。」産経新聞

「昨年11月に大阪市に通報があり、法人の内部調査で判明した。しかし、センター所長ら幹部は昨年12月、「影響が大きい」と、大阪市に余分な採血を過少に報告した。」朝日新聞

追加採血すべき人について追加採血をしないことがミスであると同様に,追加採血すべきでない人について追加採血することもミスです.全員について追加採血を行うと前者のミスは防止できますが,後者のミスが大量に発生します.これは,小学生でもわかることでしょう.どうして,大量のミスが発生するほうを選択したのでしょうか.追加採血には手間と時間がかり,費用も余分にかかります.誰の得にもならない方法をどうして選択したのでしょうか.
また,影響が大きい,つまり重大問題であるとの認識がありながら,虚偽の報告を行ったのはどうしてでしょうか.虚偽がわからないと思ったとすれば,あまりにも短見無思慮でしょう.
報道の件は,余分な血液が廃棄されたとのことですが,個人情報を集めるなど別な目的で採血されたら怖いことです.


谷直樹

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by medical-law | 2017-01-24 21:43 | 医療