弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

横浜地判平成29年2月23日,同意していない目的で検査をした国立病院構横浜医療センターに慰謝料命じる

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神奈川新聞「同意なしで検査、病院に賠償命令 横浜地裁判決」(2017年2月24日)は,次のとおり報じました.

「国立病院機構横浜医療センター(横浜市戸塚区)に検査入院した同区の女性(70)が、不必要な心臓カテーテル検査を強いられたとして、同機構などに156万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(石橋俊一裁判長)は23日、女性側の主張を一部認めて30万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、女性は別の医療機関で動脈瘤(りゅう)の疑いと診断され、2015年12月に同センターに検査入院した。2日後に動脈瘤がないと判明したが、センター側は狭心症の疑いを理由に心臓カテーテル検査を実施した。

 判決は、女性が事前に同意した同検査は動脈瘤に対するものと指摘。狭心症の疑いのために同検査が必要であることを再度説明しなかったセンター側の対応を、「同意なく検査を行った不法行為」と認定した。

 その上で同検査のリスクなどを踏まえ、「狭心症の確定診断のためだけでは女性が検査に同意しなかった可能性は高い」として、検査費用の返還や慰謝料として30万円の支払いを命じた。」



これは私が担当した事件ではありません.
広く「症状の原因を調べるための検査」に同意した事案では,原因を知るために検査を行うことができるのですが,この報道の事案は「動脈瘤を疑っての検査」に同意しただけで,動脈瘤が否定された以上,同意のない検査ということのようです.
心臓カテーテル検査にもリスクがありますので,検査目的を患者に説明し,同意があった場合のみ検査できる,というのは当然のことでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-25 09:05 | 医療事故・医療裁判