弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

整形外科病院が肘の靱帯再建手術の過誤で引退を余儀なくされた元ラグビー選手と約6千万円で和解(報道)

私が担当したものではありませんが,ラグビー元日本代表の真羽闘力さんが,2013年に,福岡市内の整形外科病院で負傷した左肘の靱帯再建手術を受け,手術の過誤により指が動かなくなる障害が残り,引退した件で,さいたま地裁で行われていた裁判が,2017年4月26日に,病院側が約6千万円を支払う内容で和解していたことが報じられました.

産経スポーツ「手術失敗で引退」のラグビー元日本代表、6000万円で和解」(2017年5月8日)ご参照

これは,野球選手が受けることの多い手術ですが,失敗はほとんど聞かないので,また靱帯再建手術で運動神経を損傷するのは回避可能のはずですから,この件は医師の不注意によるもので,医療過誤であることは明らかな事案でしょう.

争点は損害の評価でしょう.
指が動かなくなる障害は,その程度に応じて障害等級が判断されますが,逸失利益の算定にあたっては,職業が考慮されます.裁判例では,ピアノ教師,画家などの事案があります.
ラグビー選手(元日本代表)の場合,具体的にどのように算定するのか,一応の参考になる金額と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2017-05-09 00:36 | 医療事故・医療裁判