弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

三条総合病院,肝性脳症治療薬リフキシマ錠の指示に経口FXa阻害剤リフキシマ錠を処方し患者死亡(報道)

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新潟日報「誤投薬後に70代男性死亡 三条総合病院、因果関係を調査」(2017年6月3日)は,次のとおり報じました.

「三条市の県厚生連三条総合病院(神田達夫病院長)は2日、医師の指示とは異なる薬を入院中に与えられた同市の70代男性が5月1日に死亡したと発表した。病院は誤投薬があったとして院内に医療事故調査委員会を設置。投薬ミスと死亡の因果関係を調べている。

 病院によると、男性は4月中旬に肝性脳症で入院。担当医は「リフキシマ錠」の処方を指示したが、薬剤部が誤って、血を固まりにくくする「リクシアナ錠」を病棟に送った。

 男性は薬を28日から30日の昼まで計8回服用。便の異常を見た医師が内視鏡検査し十二指腸に出血があったため止血処置した。しかし5月1日午前に男性は意識を失い、間もなく消化管出血で亡くなった。3日に薬剤部が残薬を確認し、間違いに気付いた。

 薬剤部では、薬剤師が調剤した後に、別の薬剤師が確認する態勢になっており、今回も記録上は二重チェックしたことになっているという。

 三条総合病院の若杉克彦事務長は「誤投薬があったのは事実で大変申し訳ない。再発防止に取り組み、委員会の調査結果を厳粛に受け止める」としている。発表が死亡から1カ月後となったことについては「遺族への説明などに時間をかけたため」と説明。遺族には謝罪し、医療事故調査・支援センターにも報告したという。」

これは,私が担当した事件ではありません.

リフキシマ錠200mgは,難吸収性リファマイシン系抗菌薬で,主として腸管内のアンモニア産生菌に作用することで,アンモニア産生を抑制し,血中アンモニア濃度を低下させる肝性脳症の治療薬です.昨年秋に承認された新薬ですが,薬剤部がリフキシマ錠知らないとは考えられません.

リクシアナ錠30mgは,FXa (活性化血液凝固第X因子) を選択的可逆的かつ直接的に阻害する経口FXa阻害剤です.ワーファリンに代わって用いられることが多い抗凝固薬です.

リフキシマ錠200mgは一日3回ですが,リクシアナ錠30mgは一日1回です.
リクシアナ錠30mgを一日3回服用したことで出血したと考えるべきでしょう.
投薬ミスと消化管出血との因果関係は明らかと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2017-06-04 20:24 | 医療事故・医療裁判