弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

京田辺市の産婦人科医院の硬膜外麻酔で母児ともに重度の障害を負った事案が裁判へ(報道)

b0206085_19593742.jpg
朝日新聞「帝王切開の麻酔で母子に重い障害 京都、医師1人で対応」(2017年6月6日)は,次のとおり報じました.

「京都の産婦人科医院で昨年5月、帝王切開でお産するときの麻酔で母子が重い障害を負っていたことがわかった。家族らは医院の医師らを相手取り、損害賠償を求めて京都地裁に提訴。産婦人科医らでつくる日本産婦人科医会はこの事例について調査を始めた。

 医院は京都府京田辺市の「ふるき産婦人科」。同市の女性(38)の代理人弁護士によると、女性は帝王切開の手術を受ける際、背中に細い管を差し込んで麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」の後、昏睡(こんすい)状態になった。医師は1人だった。別の病院へ搬送中に心臓が止まり、蘇生されたが、いまも寝たきりの状態という。また、搬送先の病院で帝王切開によって女児が生まれたが重度の脳性まひという。

 訴状では、麻酔の針が本来とは違う部分に入り、呼吸などが出来なくなったが、気道の確保が遅れて低酸素脳症になったと主張している。5月にあった第1回口頭弁論で医院側は争う姿勢を示した。院長は取材に「その件は裁判になっているので一切コメントは控える」と話した。

 女性の夫(37)は取材に「こんなことが起こるとは考えられなかった。事故が起こったときのリスクが高すぎる。麻酔を使った高度なお産は1人の医師でやってはいけないのではないか」と話した。医会は大阪府や兵庫県であった無痛分娩(ぶんべん)での妊産婦の死亡例とともに、この件について安全体制に問題がなかったか診療記録などを調査し、必要があれば直接指導するという。(合田禄)」




京都新聞「麻酔ミス」母子に重度障害 京都、産婦人科を提訴」(2017年6月6日)は,次のとおり報じました.

「帝王切開の麻酔のミスで昨年5月、妊婦の女性(38)と長女(1)が重度の障害を負ったとして、女性の夫(37)と両親らが、京都府京田辺市の「ふるき産婦人科」を相手取り、計約3億3千万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしたことが、6日までに分かった。女性は首から下が動かず意思疎通も困難な重度障害となり、長女は現在も意識不明で、脳性まひなどを負ったという。」
「日本産婦人科医会によると、同会には会員の医師から重大事故を年ごとに報告してもらう制度がある。同事故に関しては昨年の発生だが、報告はなかった。同会として事故があったことは先週までに把握しており今後、対応を検討するという。」


読売新聞「帝王切開時の麻酔で母子に重度障害…報告せず」(2017年6月6日)は,次のとおり報じました.

「出産の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩をした妊産婦に相次ぎ死亡例が判明する中、京都府の産婦人科診療所が昨年、帝王切開で同じ方法の麻酔をして母子が重度障害を負う例があったにもかかわらず、日本産婦人科医会に報告していなかったことがわかった。

 同医会はこの診療所に報告を求めて調査するとともに、無痛分娩に限らず、産科麻酔の安全体制についても実態を調べることにしている。

 母子が重度障害を負ったのは、京都府京田辺市の「ふるき産婦人科」。昨年5月、同市内の女性(38)が、予定していた帝王切開の前に、背中に細い管をさし込んで麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を受けた。これは無痛分娩と同じ方法で、女性はその後、急変し、他の病院に搬送されたが寝たきりの重い障害が残った。赤ちゃんも重い脳性まひという。

 この事例は今年1月、家族が診療所を相手取り、損害賠償を求め京都地裁に提訴し、係争中。訴状によると、硬膜外麻酔の針が誤って脊髄の周囲にある「くも膜下」まで達し、呼吸筋まひを引き起こしたが対応が遅れ、母子ともに低酸素脳症を来したという。

 同医会には、重大事故事例を報告する制度があるが、この事例について、診療所から報告はなかった。同医会は、大阪府や兵庫県で相次いだ無痛分娩を巡る妊産婦死亡例と同様、麻酔をはじめ診療経過や体制に問題がなかったか調べている。

 障害を負った女性の夫(37)は読売新聞の取材に応じ、「院長から『分娩時にもう一人、医師がいれば結果は違ったかもしれない』と言われた。麻酔のリスクについて事前に十分な説明はなかった。事故が起きた時に対応できない体制のまま、こうした医療を続けさせていいのか」と話している。

 診療所は「取材にはお答えできない」としている。」



私は産科麻酔事故を担当したことが複数回ありますが,報道の件は,私が担当したものではありません.
報道からすると,硬膜外麻酔で高位麻酔になったようにみえますが,病院は麻酔のショック症状として争うようです.
医院のサイトをみると,院長医師は,救命救急センターにて麻酔研修し,無痛分娩など産科麻酔に自信をもっているようですが.
今後の推移に注目したいと思います.

谷直樹法律事務所では,「無痛分娩事故調査」を調査手数料10万円+消費税と実費預り金10万円(余剰金は返金します)で行っています.日本産科麻酔科学会の産科医師1名にカルテ・分娩監視装置の記録を検討いただき,専門的医師としての意見を聞きます。調査依頼から調査報告まで原則60日以内です.
全国対応いたします.



谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2017-06-06 20:18 | 無痛分娩事故