弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

公益社団法人日本産婦人科医会からの,無痛分娩事故の被害者遺族の要望書への回答

公益社団法人日本産婦人科医会から,無痛分娩事故の被害者遺族の要望書への回答が届きましたので,すぐにご遺族に伝えました.
ご回答ありがとうございます.
内容は以下のとおりです.

日本産婦人科医会の安全な無痛分娩に向けた取り組み

 A様からの要望書拝読いたしました。この度のA様の奥様およびお子様に起きた医療事故につきましては、衷心より哀悼の意と遺憾の意を表します。奥様には心よりお悔やみ申し上げますとともに、お子様にはご回復を心より祈念申し上げます。

 日本産婦人科医会(以下、本会という)に寄せられました要望書につきましては、本会役員一同、ご要望に沿えるよう、また、より安全な無痛分娩の提供に向けて、なお一層の努力を傾注してまいります。

 ご要望の医療事故等の調査及び公表につきましては、本会は、2004年より偶発事例報告事業(すべての会員から報告される重大な医療事故を分析し、再発防止、医療の質の向上に資する対策立案)、さらにこの事業から2010年には妊産婦死亡報告事業(すべての会員から報告される妊産婦死亡症例を集積し、再発防止に向けた提言集を作成)を独立させ、我が国における妊産婦死亡の全例を収集し、提言集として公表することで周産期医療の向上に努めてまいりました。

 今回の事例に関する報告を受けて以来、本会の安全な無痛分娩に関する取り組みと今後の対策につき報告いたします。

1)2017年4月16日開催されました第69回日本産科婦人科学会学術講演会にお いて、学会と本会の共同プログラムの中で、「無痛分娩の安全確保に関する緊 急提言」を説明し、会員へ安全への注意を喚起いたしました。

2) 2017年5月と6月に、全会員へ「無痛分娩に関する注意」を通知いたしました。

3) 2017年6月に、分娩を扱う全国すべての医療機関に、「無痛分娩に関するアンケート調査」を実施いたしました。回答の回収を待って、集計・分析し、医 療安全に向けた対策立案の資料といたします。

4)「母体安全への提言2016 (2017年8月に発刊、会員へ配布予定)」のテーマに「無痛分娩を提供する施設では、急速遂娩、器械分娩や産褥出血、麻酔合併症などに適切に対応できる体制を整える」という事項を盛り込みました。

5)厚生労働省科学研究「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」を関係各団体と共同で実施し、より安全な無痛分娩を普及させることにつとめます。

6)母体救命普及事業における研修、特に、無痛分娩時に起きやすいトラブルへの対処法シナリオを作成し、全国の産科医等に普及させます。

 以上のとおり、ご要望のありました医療体制につきましても、本会は、積極的に改善に向けての努力を続けております。
 また、今後も、より安全な無痛分娩に向けて取り組んでまいりますので、何卒ご理解いただきたくお願い申し上げる次第です。

A様

平成29年7月26日

公益社団法人日本産婦人科医会
会 長  木 下 勝 之 」



今後とも真摯に取り組み安全な医療のための実効的な対策がとられることを期待いたします.


谷直樹

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by medical-law | 2017-07-27 15:46 | 医療事故・医療裁判