弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

がん治療を中止しても支払った費用を返還しない契約条項の差止訴訟でクリニックが認諾(報道)

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毎日新聞「前払い治療費契約差し止め クリニックが「認諾」 地裁支部」(2017年8月30日)は次のとおり報じました.
「がん治療を中止しても事前に支払った費用を返還しない契約条項は消費者契約法に反するとして、岡山市の適格消費者団体「消費者ネットおかやま」から契約条項の差し止めなどを求められていた花園クリニック(福山市花園町1)が29日、広島地裁福山支部(内藤寿彦裁判官)であった第1回口頭弁論で、原告の請求を受け入れる「認諾」をし、訴訟は終結した。

 同クリニックは答弁書で「法的論争をしても時間と資源の浪費で、勝訴しても特に実益がない」と理由を述べ、原告側訴訟代理人の河端武史弁護士は「主張を認めてもらい満足のいく結果。今後は履行を注意深く見守りたい」と話した。 」



山陽新聞「岡山の適格消費者団体の請求認諾 福山のクリニック 治療費契約訴訟」(2017年8月30日)は次のとおり報じました.
「がん治療を途中でやめても事前に支払った治療費を返還しないとした契約条項の差し止めを求め、NPO法人「消費者ネットおかやま」(岡山市北区奉還町)が花園クリニック(福山市花園町)を相手に起こした訴訟の第1回口頭弁論が29日、広島地裁福山支部(内藤寿彦裁判官)であった。クリニック側は請求を認める「認諾」の手続きを取り、訴訟は終結した。

 クリニックの代理人弁護士は「誤解を招く表現になっていたので、実態に合わせて直したい」としている。

 消費者ネットは、花園クリニックが特定のがん先端治療を施す際に患者と結ぶ契約には、患者が事前や途中で治療をやめても前払いした治療費百数十万円は一切返還しないとする条項があるとし「消費者の利益を一方的に害し無効だ」と主張していた。

 消費者ネットは2015年、被害者に代わって差し止め請求訴訟を起こせる全国13番目の「適格消費者団体」として国から認定された。提訴は今回が初めてで「事業者の誤りを正せたことは満足している」としている。」



適格消費者団体に訴訟が認諾で終了したことが報じられていました.
認諾で終了する訴訟はまれです.

自由診療で行われる「がん治療」の問題の一端が見えた事案です.
保険外診療,すなわち自由診療で行われる「がん治療」には問題が指摘されています.
有効性と安全性が確立した治療は「保険診療」で行われます.これに対し,エビデンスの集積が不足し,とくに有効性がはっきりしない「治療」が高額な自由診療で行われています.

消費者保護的観点から,選択に必要な適切な情報が患者に提供がなされていることが必要ですし,契約の内容も手適切なものでなければなりません.ところが,現実には,選択に必要な情報が患者に提供されす,有効性についての過誤の期待のもとに高額な治療費を支払っている例もあるように思います.

また,医学的観点からは,保険診療に組み込まれた標準的治療を受ける機会を,自由診療によって奪われることがないようにしなけれbなりません.

自由診療で行われる「がん治療」については,実態が不明なことも多くいので実態調査が必要と思いますし,上記の観点からの規制が必要と考えます.


谷直樹

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by medical-law | 2017-09-15 00:01 | 医療