弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大学病院が陣痛促進剤投与後の子宮破裂による死産の事案で提訴される(報道)

毎日新聞「無痛分娩 死産、順天堂を提訴 入院の女性と夫」(2017年9月19日)は,次のとおり報じました.

「○○(東京)で2015年、麻酔を使って出産の痛みを和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」の際に子宮が破裂して死産になったのは医師らの過失が原因だとして、入院していた女性と夫が病院を運営する学校法人と医師らに計約1億4000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 提訴は15日。訴状によると、女性は15年2月4日、第1子を出産するため順天堂医院に入院。知らない間に陣痛促進剤を投与され、6日に心肺停止状態に陥り、死産となった。

 医師らが自然に陣痛が来た状態で陣痛促進剤を投与し、子宮が収縮していたのに、麻酔で痛みが消されたため破裂の兆候を見逃したと夫婦は主張。必要な対処を怠り、子宮の全摘出で妊娠ができなくなったとしている。○○は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。」


報道の件は私が担当したものではありません.貞友義典先生が原告代理人です.
上記報道からは,陣痛促進剤の使用により過強陣痛となり子宮破裂に至った事案のようですが,陣痛促進剤を使用するときは必ず分娩監視装置を付けますので,麻酔を使用していても医師が過強陣痛等を見逃すことは本来ないはずです.分娩監視装置の記録はどうなっていたのでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2017-09-19 07:00 | 無痛分娩事故