弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

千葉大学医学部附属病院,同一フロアの入院患者4人が死亡(報道)

千葉大学医学部附属病院のサイトに「多剤耐性緑膿菌の検出について」が掲載されました

千葉日報「4人死亡、院内感染か 菌検出、関連を調査 千葉大病院」(2017年10月6日)は,次のとおり報じました.
 
「千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)で8月下旬以降に同一フロアの入院患者4人が死亡し、患者から抗生物質が効かなくなる多剤耐性緑膿菌が検出されていたことが5日、千葉日報社の取材で分かった。同病院は院内感染の可能性があるとみて、同菌の検出と死亡との因果関係や、同一の遺伝子の菌かどうかなど、詳しい状況を調べている。

 同病院によると、4人は、いずれも重篤な状況で治療中だった。生前に感染症を疑い検査を実施したところ、4人から多剤耐性緑膿菌が検出されたという。

 9月15日に同病院から千葉市保健所へ「院内感染の疑いがある」などと報告があったという。また市保健所は菌の検査について依頼を受けており、結果判明後に病院側へ報告する予定。病院側も調査結果がまとまり次第、保健所に報告する。

 死亡を受け、同病院は職員への研修や講習を実施し、院内感染への予防対策の徹底を周知している。」


院内感染は,感染,発症,治療の3段階が問題になります.
感染については,病院の感染防止策が徹底していたかが問題になります.重症患者を取り扱う部署では,とくに徹底した感染防止策が求められます.一般には,医療従事者の手洗いを徹底すると感染症が減少すると言われています.
発症については,患者の属性が重要です.重症で抵抗力が弱っている患者では発症しやすい傾向があります.
治療については,早期治療のほうが有利ですが,重症で抵抗力が弱っている患者では標準的治療を行っても奏効しない場合もあります.


【追記】

朝日新聞「3人死亡、院内感染か 千葉大病院、多剤耐性緑膿菌検出」(2017年10月28日)は,次のとおり報じました.

「千葉大学病院(千葉市中央区)は27日、8月下旬~9月下旬に同病院で亡くなった40~60代の男性入院患者4人から、3種類の抗生剤が効かない「多剤耐性緑膿(りょくのう)菌」が検出されたと発表した。うち3人は院内感染の可能性が否定できないとしている。

 病院によると、集中治療室(ICU、22床)で治療中だった40代と60代の男性から8月28日に多剤耐性緑膿菌が検出された。2人をそれぞれICU内の個室(10床)に移したが、60代男性は翌29日、40代男性は9月1日に死亡。その後、ICUの別の個室の50代と60代の男性からも多剤耐性菌が検出され、それぞれ9月20、22日に死亡した。

 千葉市保健所が4人の多剤耐性菌の遺伝子型を調べたところ、2人の型が一致。一方、残る2人のうち1人は治療で3種類の抗生剤を順番に使う中で多剤耐性緑膿菌となったため、「院内の環境から広がったものではない」と結論づけた。病院は、感染が「病状悪化に影響した可能性は否定できない」としつつ、死因に影響したのは病気の進行としている。

 10月に設置した事例検討委員会(委員長・市川智彦副院長)の調査結果がまとまり、病院側は患者の家族に謝罪した。(寺崎省子)」


谷直樹

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by medical-law | 2017-10-07 02:17 | 医療事故・医療裁判