弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

裁判官の兼業

b0206085_16271377.jpg

朝日新聞「裁判官の不動産運用、どこまでありか 最高裁で議論中」(2017年10月13日)によれば,「裁判官の不動産運用は、これまで地方赴任中に自宅を貸すケースなどに限り申請のうえで事案は,「自営」にあたり,最高裁判所の許可が必要です.
兼業が原則禁止とされているのは,裁判官の職務遂行の妨げになる場合があるからですが,住宅管理会社に貸す場合,裁判官の職務遂行の妨げになるとは考え難いです.
また,或る種の写真投稿などとは異なり,裁判官の不動産運用が裁判官の品位と裁判所に対する国民の信頼を傷つける行為とは言えないと思います.
裁判官の職務外の行為を合理的理由なく規制することは,裁判官の人権を侵害することになりかねず,望ましくないと思います.裁判官も一般公務員と同様の制限は受けますが,それ以上ではないでしょう.裁判官も職務外ではできるだけ普通の人と同じ日常生活をおくったほうが,バランス感覚が良い常識をもつことができるように思います.
最高裁の検討結果に注目したいと思います.


【追記】
読売新聞「裁判官のアパート貸し付け計画、最高裁が不許可」(2017年10月31日)は次のとおり報じました.

「賃貸アパートを新築して年間約1100万円の賃料収入を得たい――。
 
「ある男性裁判官がこんな計画の許可を求めたところ、最高裁は「不許可」とする裁決をした。転勤に伴う裁判官の自宅の賃貸などは年50件ほど申請があり、基本的に許可されている。今回は利益目的にあたるとして、「最も公正と廉潔が求められる裁判官には認められない」と判断された。裁決は10月25日付。

 この裁判官は2015年9月頃、夫婦で銀行から計約1億3000万円を借り入れ、3階建てアパートの新築を計画。12室を住宅管理会社に30年間貸し付け、年間約1100万円の賃料収入を得ようとした。

 裁判官は、金銭上の利益を目的とする業務や、最高裁の許可を得ない兼業が禁じられている。この裁判官は昨年2月に許可を申請したが、最高裁が不許可としたため、不服を申し立てた。

 最高裁の外部委員会が改めて審査した結果、今年9月に不許可を「妥当」と答申した。これを踏まえ、最高裁は裁決で「銀行返済額を除いても夫婦の収入は年間500万円を超え、金銭上の利益を目的とする業務に当たる」と指摘。独立した立場で判断を示す職務の性質上からも認められないとした。」

硬直した判断ではないか,と思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

by medical-law | 2017-10-13 22:13 | 司法