弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

貴ノ岩関の2つの診断書

11月5日から5日間福岡市内の病院に入院した貴ノ岩側が日本相撲協会と鳥取県警に提出した2の診断書の内容が異なることが報じられています.
日本相撲協会に提出された,入院した病院の11月9日付の診断書は「脳振盪(しんとう),左前頭部裂傷,右外耳道炎,右中頭蓋(ずがい)底骨折,髄液漏の疑い」と記載されているが,鳥取県警に提出された,事件直後に作成された診断書では,けがの程度は軽く,骨折などはなかった,とのことです.

診断書は,医師により,患者の傷病,その治癒の状況や健康状態等の事実を証明する文書です.診察・診断した時期,病院が違えば,検査内容等も異なり,その結果診断書の内容が異なることもあります.とくに,骨折は診断が難しく見逃されることもあります.

【追記】
「♯1脳振盪,♯2左前頭部裂傷,♯3右外耳道炎,♯4右中頭蓋底骨折,髄液漏の疑い」と記載されていて,病院によると,疑いは右中頭蓋底骨折,髄液漏の両方にかかるとのことです.
病院は、「頭蓋底骨折などの疑いで受診したが、診察の結果、骨折や髄液漏などはなかった」と説明し,誤解を生む表現だった点を謝罪したとのことです.
診断結果がでているなら,「右中頭蓋底骨折なし,髄液漏なし」と記載すべきだったことになるでしょう.
全治2週間という診断は,先月26日から今月8日までの2週間という意味だったとのことです.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-17 12:49 | 医療