弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

東京高裁,裁判官らの健康診断などのデータを持ち出した事務官を懲戒免職

読売新聞「裁判官らの健診データ持ち出し…事務官を懲戒免」(2017年11月21日)は,「裁判官ら男女約3100人分の健康診断などのデータを無断で持ち出したとして、東京高裁は21日、40代の男性事務官を懲戒免職処分にした。」と報じました.
「発表によると、事務官は7~8月頃、同高裁や東京地裁などの職員が受けた昨年の健康診断結果約3100人分と、がん検診の結果約370人分のデータをUSBメモリーにコピーし、自宅のパソコンで閲覧した。」とのことです.

事務官によって,裁判官らのプライバシーが侵害された事案です.このプライバシーが侵害自体重大なことですが,裁判所が保管するデータ(情報)が事務官によって容易に持ち出されてしまうようでは,国民に不安をあたることになります.

労働安全衛生法第104条は「面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない」とし,第109条は,第104条に違反した者について六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金を定めていますが,上記報道の事実だけでは,第三者への秘密漏示の事実が認められず,労働安全衛生法第109条,第104条が適用されません.

USBメモリーが事務官の所有物だったとすると,データ(情報)の持ち出しだけでは,窃盗罪にあたりません.

データ(情報)の管理と持ち出し行為に関する法整備が必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2017-11-23 07:20 | 人権