弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

兵庫県の病院,チューブが誤って肺に入り、低酸素状態になって3歳未満の小児が死亡した医療事故公表(報道)

NHK「手術で肺にチューブ 子ども死亡」(2020年3月27日)は,次のとおり報じました.

「神戸市の「兵庫県立こども病院」で、2月、3歳未満の子どもが鼻からチューブを挿入する手術を受けた際チューブが誤って肺に入り、低酸素状態になって死亡していたことがわかりました。
病院は重大な医療事故として経緯を調べています。

神戸市中央区の兵庫県立こども病院によりますと2月3日、生まれつき気管が狭い3歳未満の子どもが気管を切開して首から挿入しているチューブを抜いて鼻からチューブを入れ直す手術を受けました。
この際、チューブが誤って片方の肺まで至り低酸素状態となったということです。
その後子どもは血圧が低下して脳死状態となり、3月17日に死亡したということです。
病院は、何らかの医療ミスによる重大な事故として経緯を調査しています。
県立こども病院の中尾秀人院長は記者会見で「患者とご家族の皆様におわび申し上げます」と謝罪しました。」



神戸新聞「県立こども病院が医療ミス 気管手術の男児が死亡」(2020年3月27日)は次のとおり報じました.

「兵庫県立こども病院(神戸市中央区)は27日、心臓と呼吸器に先天的な疾患のある3歳未満の男児が、肺に空気を送るチューブの入れ替え手術を受けた際のミスで、17日に死亡したと発表した。チューブを誤って片方の肺のみに挿入したため、肺機能が低下したことが原因とみられる。同病院の中尾秀人院長らが会見し、謝罪した。

 同病院によると死亡した男児は、いずれも先天性の気管が狭くなる「狭窄症」と心疾患を患っており、昨年2月に治療のため同病院に入院。心臓の手術に備えるため、気管を切開して呼吸チューブを挿入し、同年4月に一度退院していた。

 問題があった手術は今年2月3日、50代の小児外科医と麻酔医ら4人が中心となって実施した。気管から挿入するチューブを、鼻から入れるものに変更する内容だった。チューブは本来、左右の肺の中間に挿入するが、誤って左肺のみに差し込んでしまったため、右肺の機能が弱まり、血圧と血中の酸素濃度が低下したという。

 医師らは手術中にこの事態を把握したが、対応が間に合わなかったという。男児は手術7日後の2月10日に脳死状態となり、3月17日に死亡した。

 中尾院長は医療ミスを認めた上で「死亡した患者と家族に深くおわびする」と謝罪。外部委員を含む医療事故調査委員会を設置し、原因を究明するとしている。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
原因究明と実効的な再発防止を期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2020-03-27 23:15 | 医療事故・医療裁判