弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2010年 10月 13日 ( 2 )

シンポジウム「医療基本法の制定を!」

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シンポジウム「医療基本法の制定を!」をご紹介します.
是非,ご参加をお願いします.

医療と憲法の間を結ぶ「医療基本法」,今その制定を求める動きがはじまっています.たしかな未来につながる医療をはぐくむために,基本法はなぜ必要なのか.患者と医療者が共に志す医療をしかと描いてみませんか. (参加費無料)

【日時】2010年10月30日土14時~17時(13時半開場)
【会場】明治大学駿河台キャンパス リバティタワー1階1012
【内容】  
基調講演「医療基本法はなぜ必要か」
 日野秀逸氏(東北大学名誉教授)

シンポジウム 医療基本法の制定を!
 飯沼雅朗氏(日本医師会前常任理事)
 海辺陽子氏(NPO法人がんと共に生きる会副理事長)
 尾身茂氏(自治医科大学教授)
 嶋森好子氏(東京都看護協会会長)
 田中秀一氏(読売新聞社医療情報部長)
 本田宏氏(済生会栗橋病院副院長)
                 五十音順

主  催 医療基本法制定推進フォーラム
共  催 明治大学医事法センター
連絡先 すずかけ法律事務所(鈴木利廣)
TEL 03(3941)2472 

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by medical-law | 2010-10-13 19:19 | 医療

裁判例から医師の説明義務を考える(3)

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医師には,患者の自己決定,選択のために必要十分な説明を行う義務がある,とされています.選択肢が複数ある場合,患者の選択権を保障するために.複数の選択肢を説明する義務が医師に認められています.或る方法だけを説明して.それへの同意を求めるというのでは,十分な説明とは言えません.

■ 平成4年の医療法改正

このことは,平成4年の医療法改正で,明確になりました.
平成4年に加えられた医療法第1条の2の1は,次のとおりです.

「医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。」

■ エホバの証人輸血拒否事件の最高裁判決

エホバの証人の信者は宗教上の理由から輸血を拒んでいるのですが.医師が患者であるエホバの証人の信者に輸血を行う可能性があることを説明しないで輸血を行った事案で,最高裁判所判決は,次のとおり述べました.

「患者が,輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして,輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している場合,このような意思決定をする権利は,人格権の一内容として尊重されなければならない。そして,Aが,宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有しており,輸血を伴わない手術を受けることができると期待して医科研に入院したことをB医師らが知っていたなど本件の事実関係の下で,B医師らは,手術の際に輸血以外には救命手段がない事態が生ずる可能性を否定し難いと判断した場合には,Aに対し,そのような事態に至ったときには輸血するとの方針を採っていることを説明して,医科研への入院を継続した上,B医師らの下で本件手術を受けるか否かをA自身の意思決定にゆだねるべきであったと解するのが相当である。」「同人の人格権を侵害したものとして,同人がこれによって被った精神的苦痛を慰謝すべき責任を負うものというべきである。」(最高裁平成12年2月29日判決)

このように,人格権は意思決定をする権利(自己決定権)を含むことから,最高裁判所判決は,説明義務違反の根拠を人格権侵害と構成しました.
つまり,上記の場合に輸血を行う可能性があることを説明する義務が,人格権,自己決定権を根拠に認められています.


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by medical-law | 2010-10-13 08:57 | 説明義務