弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 02月 16日 ( 3 )

今日は,患者の権利オンブズマン東京の総会と記念講演

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写真は昨日の新宿御苑です.

今日は,患者の権利オンブズマン東京の総会と記念講演で,恙なく進行しました.

石井麦生先生の「わかりやすい『医療基本法』の話」は,昨年秋よりかなりバージョンアップしていました.
ありがとうございます.

患者の権利オンブズマン東京の正会員の方には,19頁のレジュメと豊富な資料を後日お送りいたします.
「医療と人権3月号」にも,講演概要を掲載する予定です.

石井麦生先生のレジュメから大きな標題と太字部分をご紹介いたします.

1 はじめに
☆ 多くの国会議員が「医療基本法」の必要性を訴え始めた。では、患者(国民)にとって望ましい「医療基本法」とは何か。⇒ そもそも「基本法」とは?

2「基本法」とは何か
☆ 多くの論者が、医療崩壊対策法でもなく、医療制度改革法でもなく、医療「基本法」が必要だ、と言っているのは、主にこの①②のイメージによる。
☆「基本法」といってもいろいろ。「基本法、だから、こうあるべき」という議論は成り立ちにくい。今はイメージを共有しよう。

3 指摘されている「医療基本法」の必要性
☆ 医療基本法は、「良き医療」を実現するための手段。    
現状は、「良き医療を提供できていない・良き医療を享受できていない」という認識。

4 良き医療を提供するために(国民が享受できるために)
☆ 医療基本法に求められるのは、これらへの回答(どのような理念・方向性を提示できるか)。

5 「医療基本法」等に関する歴史
☆ 医療提供体制についての議論は、「量」から「質」へ。    
そして、「量」「質」を担保するための制度作りへ。    
医療不信を解消し、医療における労働環境を改善することも視野に入れて。

6 「医療基本法」を考えるにあたって-患者の権利の位置付け

7 医療基本法に盛り込まれる条項とは

8 分析の視座

9 諸外国の動き(第40回日本医事法学会総会シンポより)

10 最後に

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-16 22:53 | オンブズマン

ソウル高裁のタバコ訴訟判決

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朝鮮日報は,「喫煙と肺がん発症との因果関係認めるもKT&Gの責任認めず」と報じています.KT&Gは,旧韓国たばこ人参公社で,日本のJTに相当します.

大韓民国の裁判所は,米国なとの裁判所とは異なり,タバコの害について消極的な対応をしてきました.ソウル高裁民事9部(ソン・ギムン裁判長)の2月15日の判決も,基本的にはその流れを踏襲していますが,一歩踏み出し,喫煙によって肺がんになったと認定しています.

「高裁は判決理由について『長期間にわたる喫煙と肺がんの発症には疫学的な因果関係が認められ、原告の肺がん患者7人のうち4人は喫煙によって肺がんになったことが認められる。しかし、KT&Gがたばこに依存させる目的で情報を隠したり、ニコチンの量を改ざんするといった違法行為をしたりしたと考えるのは困難だ』と述べた。だが、高裁は『喫煙のために(肺がんを)発症したことが認められる以上、別個の訴訟を起こし、KT&Gの違法行為が認められれば、損害賠償を請求できる可能性がある』と付け加えた。」(朝鮮日報)

情報隠蔽,改ざんという事実に基づかない請求原因なら,損害賠償責任が認められる可能性がある,ということでしょう.つまり,情報隠蔽,改ざんという事実の立証にかかわらず,タバコ業者として負う注意義務に照らし,予見可能性があれば,賠償責任を負う,と考えられます.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-16 22:25 | タバコ

敷地内完全禁煙が必要な理由

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受動喫煙ファクトシート 2 敷地内完全禁煙が必要な理由」が,禁煙学会のホームページで公開されました.

「2004年にニュージーランドの研究グループがBMJに非喫煙者を家庭受動喫煙あり群となし群に分けて、年間死亡率を調査した結果を発表しました。
年令、人種、婚姻状態、社会階層、収入、住宅種類、地域経済状態などの調整を行った結果、男性非喫煙者は、家庭の受動喫煙があると、年間死亡率が20%増加していることが分かりました。特に心臓病と脳卒中による死亡が多かったのです。
女性では、家庭内受動喫煙の有無による死亡率の差は男性よりも大きくなっていました。家庭内受動喫煙で年間全死亡率が30%増加していました。」

他の疫学調査とあわせると,控え目にみても非喫煙者の全死亡率が家庭の受動喫煙で約20%増えています.

PM2.5㎍/㎥(空気力学的直径が2.5マイクロメートル(㎛)未満の微小粒子濃度)の微小粒子は,肺胞まで入り込みます.その微小粒子がもたらす死亡を計算すると,敷地内を完全禁煙にする必要がある,としています.

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谷直樹
by medical-law | 2011-02-16 21:39 | タバコ