弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 04月 23日 ( 2 )

『被災地避難所での医療活動で忘れてはならないこと』

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日本医事新報2011年4月23日号に,浜名医師会理事の加藤一晴先生が『被災地避難所での医療活動で忘れてはならないこと』を書いています.御一読をお奨めいたします.

避難所生活の中で憂慮すべき問題が起きているそうです.
本来敷地内禁煙であるはずの小学校の体育館,駐車場などで,喫煙する人がいて,しかも,それを誰も注意できない雰囲気があるそうです.

そこで,加藤先生は,チリ落盤事故の教訓などを述べ,現地入りした医療支援チームが,避難所非喫煙者のさらなる健康被害を救うために,ニコチン置換療法を提供することを提唱しています.

禁断症状でタバコが吸いたくてたまらない人も,「あなたが吸わないことで子どもをはじめ吸わない人の健康被害を避けることができます」と聞けば,いずれニコチンパッチなどに手が伸びるでしょう.受動喫煙者のことを思いやる気持で,喫煙に対する意識を変えてほしいですね.

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谷直樹
by medical-law | 2011-04-23 18:16 | タバコ

札幌地裁平成23年4月20日判決(帝王切開の遅れ)

b0206085_10582662.jpg社会福祉法人北海道社会事業協会小樽病院(通称;小樽協会病院)で,平成16年10月11日午後8時10分頃帝王切開決定,午後9時40分帝王切開により出産した男児に脳性麻痺の障がいが残り,その後身体障害者1級の認定を受けた事案です.

同病院は地域周産期母子医療センターに指定されている産科救急医療の拠点病院で,年間500件程度の出産を扱っています.

札幌地裁は「胎児の心拍数に異常が現れた午後6時15分の段階で仮死状態にあると診断できた」とし,帝王切開の決定が遅れたために胎児が長時間にわたって低酸素状態におかれ、脳性麻痺の原因になったとし,1億4000万円の賠償を命じました.

(毎日新聞平成23年4月21日 「裁判:帝王切開遅れで障害、小樽の病院に1億4000万円賠償命令」ご参照)

産科事故の事案では,帝王切開の遅れと脳性麻痺との因果関係が争われることがありますが,「訴訟上の因果関係の立証は,一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく,経験則に照らして全証拠を総合検討して,特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり,その判定は,通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし,かつ,それで足りるものである」(最高裁昭和50年10月24日判決)とされていますから,帝王切開の遅れと脳性麻痺との因果関係は特段の事情がない限り肯定できるでしょう.

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谷直樹
by medical-law | 2011-04-23 11:12 | 医療事故・医療裁判