弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 05月 30日 ( 3 )

東野圭吾さんの『手紙』

b0206085_10223874.jpg事務局Iです.

休みに何か読書を…と思い,東野圭吾さんの『手紙』を読みました.


以下,ネタバレあります.















物語は,両親を亡くし,二人だけで助け合って生きてきた兄弟の兄が,弟の学費のために,強盗を行うのですが,その家の主に見つかり,殺害してしまう,というところから始まります.

数十分の間の,たった百万円ほどのお金のために行われた事件で,その後,数十年にわたって,延々と,残された弟に“兄が強盗殺人犯”ということがつきまとうことを描写しています.

学校でも,職場でも,結婚しても,家庭を持っても,子どもにまでも,その犯罪の影響が及び続けます.

最後には,弟は,一切事件のことを話さない,身を潜め,職を変え,転居し,兄とは絶縁をする,という結末を迎えますが,それでも,なお,おそらく,その後の人生の色々の場面で,事件は蒸し返されていくのだと思います。

とても悲しい,考えさせられるお話ですが,作者の描き方が非常に上手く,一気に最後まで読めました.

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by medical-law | 2011-05-30 10:24 | 趣味

脳卒中ケアユニット+医療チームの積極的介入が死亡や寝たきりなどを改善する可能性が示唆されました

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ハンブルグで開催された第20回欧州脳卒中学会(ESCO)の「Large clinical trials」で,2011年5月27日,オーストラリア・Nursing Research InstituteのS.Middleton氏がQASCクラスターランダム化比較試験(CRCT)の結果から脳卒中ケアユニット(Stroke Care Unit)による集学的な治療に加え,看護師や言語療法士など医療チームによる熱や,血糖値,嚥下障害への介入が,死亡や寝たきりの割合を減らすなど,機能障害改善に寄与する可能性が示唆された,と報告しました.

S.Middleton氏は,熱,高血糖,嚥下障害への積極介入群とコントロール群に施設ごとに分け,治療効果を比較しました.
積極治療群では,看護師により4時間ごとに熱を測定し,37.5°以上であればアセトアミノフェンを投与するほか,血糖値についてもモニタリングを行い,必要に応じてインスリンの投与としました。そのほか,言語療法士と看護師により,嚥下障害のスクリーニングなどを行いました.

90日後までの再入院,死亡や寝たきり(重症度を測るスコアmodified Rankin Scale(mRS)≧2)は,コントロール群で58%(259例)だったのに対し,積極介入群は42%(236例)で,積極介入群で有意に低下する傾向がみられました.

機能依存度が95%未満だったのは,コントロール群で40%(169例),積極介入群では1%(165例)で,有意差はないものの,コントロール群で多い傾向がみられました(P値=0.07).

慢性疾患を対象に患者のQOLを測るSF-36は,身体的健康度(SF-36 PCS)はコントロール群で平均42.5点なのに対し,積極介入群では45.6点で,積極介入群で有意に良好な結果となりました(P値=0.002).

精神的健康度(SF-36 MCS)は積極介入群で改善する傾向がみられたものの,有意差はみられませんでした(P値=0.69).

ミクス「【ESCOリポート】脳卒中ケアユニット+医療チームの介入 死亡や寝たきりなど機能障害改善に寄与」ご参照

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by medical-law | 2011-05-30 09:46 | 医療

問診,患者と医師の意識に大きなギャップ

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今日5月30日は,消費者の日です.

興味深い調査である「一般外来受診時に医師に最も望むことは「的確な診断とわかりやすいアドバイス」 ―患者意識調査」をご紹介いたします.

共進社印刷株式会社は,2011年4月15日~4月30日,関西地方(67.7%)・関東地方(32.3%)在住の一般生活者(20代16.1% 30代42.0% 40代25.8% 50代16.1%)を対象に,外来受診時の意識調査を実施致しました.

◆ 大多数の患者が「問診票」について疑問

・「問診票の記入で病状を的確に伝えられていると感じますか?」に「思わない」(74.2%)
・「問診票が診察にどのように参考にされているかを理解している」(38.7%)

私が担当した医療事件でも,問診票の記載が事実と異なることが結構あり,記入者に訊くと,よく考えて正確に記入していたわけではないことが多々あります.
問診票は,受診前の比較的不安定な体調・心理状態で記入するため,正確に記入されていないことがあるのです.

医師の側は,おそらく問診票の記載を信用し,それを前提に診療することが多いと思います.

問診票について,医師側と患者側の意識・認識にギャップがある,という調査結果でした。

 ◆ 診察中に医師に感じること

・「病状をどう説明していいのかかわからず困惑してしまうことがある」(45.2%)
・「こちらから質問しないと詳しい診断結果の説明がないことが多い」(38.7%)
・「結局何の病気でどのように治るのかわからないことが多い」(35.5%)
・「もう少しゆっくりと病状や話を聞いて欲しい(32.3%)」
・「診察だけでコミュニケーションがない(16.1%)」
   (複数回答)

病状の説明,診断結果の説明,病名・治療の説明という診療の基本について,問題が生じています.
患者側は,スタートから,病状をどう説明してよいか困惑しています.

医師としては,患者が言ってくれない以上はその症状がないものとして診療をすすめる,という場合もあると思います.医師は,或る疾患を疑ってはじめて,このような症状がありますか?,という質問ができるので,そもそも,手がかりが何もなければ,質問自体できない,ということもあると思います.

外来診療で,重大な疾患が見逃されたり,誤解が生じるのは,このような患者と医師の意識の違い,コミュニケーションギャップが背景にあるように思います.

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by medical-law | 2011-05-30 06:21 | 医療