弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 06月 01日 ( 3 )

京の着倒れ…

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事務局Iです.
京の着倒れ,大阪の食い倒れ…などと関西では,よく耳にしますが,私も例外ではなく…

結婚してしまえば,もう着ることもない振袖.
袖を切ったらまだ着られる,とも言われますが,手持ちのものは,裾から肩までびっしりと模様の入った総絞りと,昭和初期の,紋綸子に桃色の絞りで雲を染め,手刺繍で種々の花が大柄に入った中振袖の2点.
どちらもせいぜい5,6回しか袖を通していないので,もったいないのですが,どう頑張っても既婚者の訪問着にはなりそうにもありません.

売ってしまうか,まだ生まれるかもわからない娘の十三参りまでとっておくか…

私の結婚式に,着物が着たいといってくれた未婚の友人にお貸しすることになって,とりあえず,あと1回は着てもらえることとなり,心なしか着物も喜んでいるように思えます.

振袖の処遇への悩みは尽きぬままに,お宮参りや参観日に必要と言われ,結婚式出席などの礼装にもなるようにと,色無地風の毘沙門亀甲の江戸小紋に箔屋清兵衛の帯を1セット,嫁入り道具にあつらえてしまいました.

谷直樹法律事務所
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by medical-law | 2011-06-01 11:32 | 事務局

藤沢市民病院,診療態勢の不備によって,病状悪化の把握が遅れ,運動障害が残ったことを認める

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◆ 事案

患者(73歳)は,平成21年9月以降藤沢市民病院に入退院し,同月末化膿性脊椎炎と診断され,治療を続けていました.
その後,炎症が拡大し,患者は入院や検査を求めましたが,外来で担当した医師(34歳)は,周囲の医師に相談することなく,詳細な検査をせず,炎症を抑える薬を出しただけでした.

炎症は2椎体から5椎体に拡大していたことから,手術をしましたが,患者には,両足のしびれや胸や腰の運動障害が残りました.

◆ 事故後の病院の対応

城戸泰洋病院長は,平成23年5月31日,診療態勢の不備によって、病状悪化の把握が遅れ運動障害などの後遺症を与えたとミスを認め,「難しい症例についてグループで判断していく態勢がなかった」と説明しました.

藤沢市は損害賠償金として425万円を計上しました.

カナロコ「藤沢市民病院の対応不備で運動障害、市が73歳の男性に賠償へ/藤沢」ご参照

◆ 感想

私は自宅が藤沢市なので,藤沢市民病院の雰囲気を知っていますので,状況はおおよそ理解できます.
医療過誤の再発を防止するためには,何より病院の体制の改善が必要です.
今後の具体的な再発防止に期待いたします.

谷直樹
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by medical-law | 2011-06-01 02:00 | 医療事故・医療裁判

長崎市立市民病院,胎児の心音モニターを85分間怠り,医療ミスを認める

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◆ 事案

長崎市立市民病院によると,30代女性が妊娠41週目の平成22年5月31日に入院し,同年6月2日午後9時20分ごろ胎児の心拍が一時低下しましたが,その後回復しました.
同日午後11時45分まで継続的に胎児の心音をモニターしましたが,異常はありませんでした.
その後85分間胎児心音をモニターせず,翌3日午前1時10分ごろ助産師がモニターしたところ,胎児の心音異常が確認されました.
午前2時半ごろ帝王切開しましたが,胎児は重度の仮死状態で,平成22年年11月23日に死亡しました.

病院の発表によれば,胎児の容体が急変したとみられる2日午後11時45分から3日午前1時10分までの後85分間は,医師が不在で,胎児心拍数のモニターを続けるよう明確な指示がなかったため,異常の発見が遅れ,そのことが事故の原因とのことです.

◆ 事故後の病院の対応

長崎市立市民病院は,平成23年5月31日,上記医療ミスを発表しました.遺族に賠償する方針とのことです.
鈴木伸院長は「約30分に1回は監視すべきだった.二度と繰り返さないようにしたい」と述べました.

 MSN産経ニュース「分娩でミス、男児5カ月後死亡 長崎市が家族に賠償へ」ご参照
 朝日新聞「心音検査怠り、胎児死亡=ミス認め、賠償へ―長崎市民病院」ご参照

【追記】その後,毎日新聞に記事が載りましたので追記します.
毎日新聞「長崎市民病院:死亡乳児家族に、事故の過失認め賠償へ /長崎
 「長崎市民病院(鈴木伸院長)は31日、胎児の検査をこまめにしなかったため仮死状態で男児が生まれ、約半年後に死亡したと発表した。市は過失を認め男児の家族に賠償する。

 病院によると、30代の母親が昨年5月31日に出産のため入院。6月2日午後9時過ぎ、胎児の心拍数が一時的に下がる「一過性徐脈」が起きた。すぐに回復し、検査で異常が見られなかったことから、診ていた女性医師は帰宅。同3日午前1時10分に再び胎児の心拍数が下がり、今度は回復せず、男児は帝王切開で仮死状態で生まれ、11月23日に死亡したという。

 通常、一過性徐脈の後は心拍数に異常がないかこまめに調べるが、女性医師が助産師にこまめな検査を指示せず、検査に約1時間半の「空白」があったという。鈴木院長は会見で謝罪し「今後は一過性徐脈後の検査の徹底や医師・助産師の勉強会開催など、再発防止を図る」としている。」
〔長崎版〕

◆ 感想

産科事件は,少ないときでも2,3件は担当している状況が続いています.賠償金額が大きくなるので保険会社が反対し,解決が長引くことも多いためです.

現在,胎児の状態を知るには,胎児心拍の連続的モニターが,(限界が指摘されてはいますが)依然として最も重要な方法です.胎児心音は一時改善することもありますが,モニターは続ける必要があります.

裁判では,モニターをつけていなかった間のいつ(何時何分に)急変したのか,仮にそのときモニターしていれば,帝王切開という判断になって結果は違っていたのか,など立証困難な点が争いになり,解決まで長くかかることもあります.
しかし,常識的に考えて,モニターしていないことが注意義務違反にあたる以上,病院の責任は肯定されるべきでしょう.

迅速な解決と今後の再発防止のために,長崎市立市民病院のこのような誠意ある対応は,高く評価されるものと思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-06-01 00:27 | 医療事故・医療裁判