弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 07月 12日 ( 2 )

2型糖尿病治療薬アクトス,仏で市場回収を開始

b0206085_10521.jpg武田薬品工業は,2011年7月11日,「当社の100%子会社であるラボラトワール・タケダ株式会社(本社:フランスPuteaux市)は、欧州時間7月11日より、フランス保健製品衛生安全庁(Afssaps)によるピオグリタゾン塩酸塩を含有する製剤の回収決定に従い、Actos®およびCompetact®(以下「ピオグリタゾン製剤」)の市場回収を開始します。」と発表しました.

武田薬品工業は,「当社は、2型糖尿病治療におけるピオグリタゾン製剤の有用性に自信を持っており、これまでと同様、ピオグリタゾンを含む全ての当社製品に関する安全性と忍容性の評価を継続するとともに、患者さんの安全性を最優先に考え、EMAならびに各国の規制当局にあらゆるデータを提供し、適切に対応してまいります。当社は、今回のフランスにおける措置に対しては、今後のCHMPの検討結果もふまえて、あらゆる方向から対応を検討してまいります。」とフランス保健製品衛生安全庁の決定に不満気です.

なお,忍容性とは,有害作用(副作用)が発生したとしても患者が耐えられる程度のことを言います.
(アクトスは,大規模なCNAMTS試験,KPNC 試験(中間解析)で,膀胱がんリスクが1.2倍という結果が示されています.)
EMAは欧州医薬品庁,CHMPは欧州医薬品評価委員会の略です.

フランスにおけるピオグリタゾン製剤の市場回収について」ご参照

日本の厚生労働省は,フランス保健製品衛生安全庁と異なり,回収指示はだしていません.
日本では,アクトスとネシーナの合剤を7月1日に承認するなど,ちぐはぐな動きとなっています.

仏独が投与禁止したアクトス,武田薬品が後発品の製造販売差し止め求め特許侵害提訴

谷直樹
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by medical-law | 2011-07-12 01:47 | 医療

LARKのタバコ広告,FCTC違反+タバコ広告指針違反

b0206085_11311182.jpg◆ 日本禁煙学会が申し入れ

先日,LARKの広告問題について書きましたが,
日本禁煙学会は,平成23年7月7日,LARKのタバコ広告について,フィリップモリスジャパン,日本たばこ協会,日本新聞協会・主要新聞社,日本雑誌協会,財務大臣,厚生労働大臣に申し入れを行いました.

日本禁煙学会は次のとおり指摘しています.

「「物語のある人生を-誰かのために生き抜く男たちへ。…男たちの最高の相棒として、いつも、男たちのそばで。」などのコピーで、そこには、あたかも「男たちの人生において、タバコはなくてはならない大切なもの」などの事実無根のコピーが添えられています。また、「ラーク厳選アイテムが当たる!」という、販売促進キャンペーンが紹介され、実際に展開されています。」

「新たなタバコ顧客の獲得拡大をはかる派手な広告・販売促進は、タバコ規制枠組条約(FCTC)に違反しているだけでなく、たばこ事業法第40条で規定された「製造たばこに係る広告を行う際の指針」(2004年3月8日財務省告示第109号)にすら違反している」
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◆ タバコ規制枠組条約(FCTC)第13条

「締約国の義務として、自国の憲法または憲法上の原則(日本の場合は憲法第98条の2「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」)に従い、
・虚偽の、誤認させる若しくは詐欺的な手段またはタバコ製品の特性、健康への影響、危険若しくは排出物について誤った印象を生ずるおそれのある手段を用いることによってタバコ製品の販売を促進するあらゆる形態のタバコの広告、販売促進及びスポンサーシップを禁止すること。
・ラジオ、テレビジョン、印刷媒体及び適当な場合には他の媒体(例えば、インターネット)におけるタバコの広告、販売促進及びスポンサーシップについて、5年以内(2010年2月まで)に、包括的な禁止を行い、または自国の憲法若しくは憲法上の原則のために包括的な禁止を行う状況にない締約国の場合には、制限すること。」

◆ COP3(第三回締約国会議)ガイドライン

「タバコ宣伝、販売促進、スポンサー行為の包括的禁止には以下の事項を含む:
・すべての宣伝、販売促進、ならびにスポンサー行為。例外は認めない。
・直接的ならびに間接的な宣伝、販売促進、スポンサー活動。
・販売促進を目的とした行為、ならびに販売促進効果をもたらすあるいはそのおそれのある行為。
・タバコ製品ならびにタバコ使用行為の奨励。」

◆ 「製造たばこに係る広告を行う際の指針」

一 全体的指針
「たばこ広告を行う際には、未成年者の喫煙防止に十分配慮し、広告が過度にわたり幅広く積極的に喫煙を勧めることのないよう留意しなければならない。」「未成年者の喫煙防止の必要性を十分勘案した上で広告場所を選ぶなど、広告方法に配慮すること。」「幅広く積極的に喫煙を勧めるような広告内容や広告方法等を避けること。」 

二 媒体等広告方法別の指針
「(2) 新聞紙及び雑誌その他の刊行物におけるたばこ広告→主として成人の読者を対象としたものに行うこととし、その場合においても、日刊新聞紙については、その影響力に鑑み、広告方法等に配慮すること。(3) はり札、看板及び建物その他の工作物等(電車及び自動車の車両等を含む。)に掲出され又は表示されるたばこ広告→たばこの販売場所及び喫煙所において行う場合を除き、公共性の高い場所では行わないこと。」

◆ 申し入れ内容

1. フィリップモリス社にあっては、即刻このような広告・販売促進の中止を求めます。

2. 日本たばこ協会にあっては、これらが協会の広告などの自主規準にも違反していることから、たばこ事業法第40条二の指針違反を確認し、同社に広告中止をさせることを求めます。

3. 広告媒体協会・各社にあっては、即刻このような広告・販売促進を中止することを求め、かつ今後タバコ広告を載せないことを求めます。

4. 財務省にあっては、たばこ事業法第40条二による「製造たばこに係る広告を行う際の指針」違反による広告中止命令を発出することを求めます。

5. かつ、国・財務省・厚生労働省として、FCTC第13条とそのガイドラインに則り、タバコの広告・販売促進・スポンサーシップを禁止することを求めます。(たばこ事業法の改廃も視野に入れた上で)

谷直樹
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by medical-law | 2011-07-12 01:19 | タバコ