弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 08月 02日 ( 2 )

スマートフォンの愛用者が眼精疲労を最小限に抑える簡単な方法

b0206085_2013751.jpgニューヨーク州立大学検眼学カレッジ教授のMark Rosenfiel氏は,新聞や本,雑誌の印字を読む場合の平均作業距離はほぼ16インチであるが,スマートフォンでメールを送受信した被験者では平均14インチしかなく,ウェブページを見るときの平均作業距離は12.6インチであった,と報告しています.

このように近距離で見ると,眼に負担かかり,頭痛や眼精疲労などの症状が出るそうです。

ロチェスター大学メディカルセンターのScott MacRae博士は,「スマートフォンの愛用者が眼精疲労を最小限に抑える簡単な方法は,フォントサイズを大きくすることである。」と述べています.

ヘルスデージャパン「スマートフォンは眼に余分な負担をかけ眼精疲労や頭痛などの原因に」ご参照

たしかに,私も近い距離でみていました.横向きにして文字を大きくすることを心がけましょう.

谷直樹
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by medical-law | 2011-08-02 20:01 | 日常

千葉県立がんセンター無資格麻酔事件,容疑の歯科医と手術管理部長を書類送検

b0206085_8102290.jpg千葉県立がんセンター手術管理部長の男性医師(47歳)と同センターの男性歯科医師(38歳)が,医師法違反(無資格医業)容疑で,千葉地検に7月29日書類送検された件について,読売新聞に詳しい報道が載っていました.

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◆ 報道

読売「麻酔最高難度含め83件 県がんセンター事件 歯科医師、研修登録せず」は,次のとおり報じています.

「県がんセンター(千葉市中央区)の歯科医師ら2人が医師法違反(無資格医業)容疑で書類送検された事件で、歯科医師が昨年5月から11月までに、容疑事実の10回を含めて計83件の麻酔を行っていたことが、県警への取材でわかった。最高難度「Dランク」の麻酔も行っていたとされる。研修医はDランクの麻酔を行えないとされ、県警は、背景に慢性的な麻酔科医不足があったとみている。

 同センターで昨年春、70歳代の男性は、がんの手術を受ける数日前、歯科医師の名前が記載された「手術麻酔同意書」を受け取った。歯科医師が、麻酔医ではないという説明はなかった。男性の切除手術は成功したが、「公立病院で起きるとは信じられない。何か起きていたらと思うとおそろしい」と振り返る。

 同センターで勤務経験のある医師は、「(歯科医が)麻酔を行うことは、内部でも問題視する声があったが、監督すべき麻酔科医も特に指示を出すこともなく、男性歯科医に単独で麻酔をやらせていた」と証言する。

 厚労省の「歯科医師の医科麻酔科研修のガイドライン」では、研修医は麻酔科医の立ち会いの下、研修として医科麻酔を行うことは認められている。歯科医師や同センターも「研修目的」と主張する。

 一方、県警環境犯罪課の発表などでは、歯科医師は2006年から08年に麻酔の研修を受け、日本歯科麻酔学会への研修医登録をしていなかった。さらに、ガイドラインは難易度ごとにA~Dに分け、Dランクの麻酔については、研修医は見学しかできないが、歯科医師はDランクの麻酔も行っていたという。患者への手術前の告知もなかったとされ、同課は「悪質性が高い」としている。

 同課によると、センターの昨年度の手術実績は約3000件だが、当時、正規の麻酔医は2人だった。

 歯科医師は「麻酔行為を行ったのは事実だが、ガイドラインにのっとっている」と容疑を否認。がんセンターの松本均事務局長は「手術中、指導医が少しの間離れることはあったが、つねに連絡が取れる状態だった」と説明し、患者への告知について、「術前に手術麻酔同意書を示して確認している」としている。

(2011年7月30日 読売新聞)


◆ 感想

医師法第17条は,「医師でなければ、医業をなしてはならない。」としています.これは,故意犯です.

ただ,歯科医は,研修であれば,手続きを践んで,一部の麻酔を行うことができます.

歯科医と千葉県立がんセンターの主張は,2月に捜索を受けたときと同じで,医師法第17条の容疑を否認していますが,この歯科医が研修登録をしていないことは,争いがありません.(他の3人の歯科医は実態はともかく一応研修登録をしています.)
したがって,この歯科医は,研修登録をしていない以上研修ではありませんから,無資格で医業を行ったことになります.

研修登録をしていないこと以外は,ガイドラインにのっとっていた,と主張されていますが,①Dランクの麻酔を行った.②患者の同意を得ていなかった.という事実が報道されています.このとおりとすれば,ガイドラインにのっとっていたとは言えません.

歯科医と千葉県立がんセンターの主張は,医師法第17条を否定する理由にはならないでしょう.
仮に,法律の解釈を誤ったとしても,故意犯としての責任は否定されません.例えば,エステサロンの経営者が法律を都合良く解釈して,これは医療行為ではないと思った,などと主張しても,故意犯としての責任を逃れられないのと同じです.

麻酔科医不足については,歯科医に外科麻酔をやらせる姑息な方法で対処するのではなく,麻酔医師不足に正面から取り組み,麻酔科医を増員することで対処すべきだった,と思います.

【追記】

msn産経「無資格麻酔の千葉県がんセンター医師らを起訴猶予」(2012年3月26日)は,次のとおり報じました.

「千葉地検は26日、資格のない麻酔をしたとして、医師法違反(無資格医業)容疑で書類送検された県がんセンター(千葉市)の手術管理部長(47)と歯科医師(38)を起訴猶予処分にした。患者への実害がなかったことなどを総合的に考慮したとみられる。

 歯科医師は平成22年5月から4カ月半の間に、がん患者10人の外科手術の際に資格のない全身麻酔をしたなどとして、部長は適切に指導しなかったとして、昨年7月に書類送検された。

 中川原章センター長は「真摯に受け止め、安全な医療の提供に努力する」とコメントした。」


谷直樹
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by medical-law | 2011-08-02 08:07 | 医療