弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 08月 12日 ( 3 )

北海道知事高橋はるみさんと女優鈴木杏さんを「冷静」にさせたもの

b0206085_19311596.jpg◆ 高橋はるみ北海道知事,海江田経産相からの電話で泊原発3号機再開容認へ

高橋はるみ北海道知事は,再開をめぐる国の手続きを地元軽視とし,再開に慎重な立場をとっていました。

それが,海江田経産相から電話で1本で態度を変え,「ゆっくりと時間をかける性格のものではない。お盆休みは関係ない」と述べ,来週にも再開を容認される見通しとのことです.

ちなみに,高橋はるみ知事は経産省の官僚出身です.

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◆ 報道

時事「地元尊重「素直に理解」=泊原発めぐり態度軟化-道知事」(平成23年8月12日)は,次のとおり報じています.

北海道の高橋はるみ知事は12日の記者会見で、北海道電力泊原発3号機をめぐり、地元の了承を得た上で営業運転再開を認める方針を海江田万里経済産業相が示したことについて、「『地元の意見を尊重したい』ということだと素直に理解している」と評価した。一方、経産相が「早く」と求める地元の意見集約は「道民の関心が高くゆっくりやる性格ではない」と調整を急ぐ姿勢を見せた。
 知事は当初、再開をめぐる国の手続きを「地元軽視」と反発。しかし、海江田経産相から電話で釈明を受け、「冷静になった」と態度を軟化させた。


◆ 感想

「冷静」になり一転した点では,北海道知事高橋はるみさんと鈴木杏さんは,共通です.
おそらく,原子力ムラからの圧力で「冷静」になったのでしょう.

しかし,北海道知事高橋はるみさんは,原発事故か起きたなら責任を問われる立場にあります.
子どもたちの未来のために,これでよいのでしょうか.

谷直樹
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by medical-law | 2011-08-12 19:26 | 脱原発

医師でない者が医師であると称して医業(医療行為)を行った場合

b0206085_17554860.jpg◆ 医師法17条違反

医師法17条は,「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と規定しています.

医師法31条1項は,17条の規定に違反した者は,「三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」とし,同条2項は,「前項第一号の罪を犯した者が、医師又はこれに類似した名称を用いたものであるときは、三年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」としています.

つまり,医師でない者が医師であると称して医業(医療行為)を行った場合は,3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金,又は懲役と罰金の併科に処せられます.

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◆ 報道

朝日「被災地で資格なく医療行為 石巻で活動、本人「医師だ」(平成23年8月12日)」は,次のとおり報じています.

「東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市で医師として活動してきたボランティア団体代表が、実際には日本の医師資格を持たずに医療行為をしていたことが朝日新聞の取材でわかった。

 この代表は「米田きよし」と名乗る人物。震災後、遅くとも4月から同市内のボランティア活動拠点に常駐し、活動中にけがをしたり体調を崩したりした人を対象に傷の手当てや投薬をしていた。

 代表は、活動拠点を運営している石巻市社会福祉協議会から医師であることの証明を求められた際、「医師国家資格認定証」「厚生労働省認定」などと日本語で書かれた顔写真入りのカードのコピーを渡していた。また、カナダ国内の病院に所属する救命救急医であると英語で記した名刺を使っていた。

 しかし、医師免許を所管する厚生労働省医事課は11日の朝日新聞の取材に対し、医師の資格を証明するのは「医師免許証」であると説明。協議会がコピーを保管している「認定証」は発行していないとした。さらに、朝日新聞が名刺に記された病院に確認したところ、「この名前の医師は一度も働いたことはない」との回答を得た。

 代表は朝日新聞の11日夜の電話取材に対し、「認定証はカナダ政府に作ってもらった」「名前の部分は偽名だ」などと述べたうえで、「米国で取得した免許を書き換えており、自分は医師だ」と主張した。

 この代表の団体は、日本財団が被災地支援のためにNPO法人やボランティア団体に支給している助成金を申請していた。団体側には7月に100万円が助成された。

 協議会は12日、報道陣に対し、「認定証」のコピーを公開した。協議会は「まじめにボランティアをしてくれていたので信用していた。医師でないとすれば非常に残念だ」とコメントした。代表からは4日ごろから連絡がないといい、今後、話を聞きたいとしている。

 宮城県警は同日、医師法違反などの疑いで捜査に着手した。捜査関係者への取材でわかった。協議会の関係者から話を聴いているとみられる。本人からも事情を聴く方針で、所在の確認を進めている。厚生労働省も事実関係の調査をする。

■「ひと」欄で紹介、おわびします

 朝日新聞は10日付朝刊2面の「ひと」欄に「被災地で『ボランティアの専属医』を務める米田きよしさん(42)」との記事を掲載しました。5月以降、複数回にわたって面談と電話で本人を取材した記者は「日本の医師免許を持っている」と聞いていました。

 掲載後、記事を見た社外の方から「米田氏は医師ではない」との情報が寄せられました。確認作業を進めたところ、記事で紹介した経歴について複数の虚偽や虚偽の疑いがあることが判明しました。海外の医師免許を書き換える仕組みがないことも確認しました。その他の取材結果も踏まえ、日本の医師資格は持っていないと判断しました。

 さらに事実関係の確認作業を続けていますが、無資格者による医療行為はただちに止める必要があると考え、12日付朝刊でこれまでに把握できた事実と、ここに至った経緯をお知らせしました。そのうえで、事実と異なる内容を掲載したことを読者と関係者の皆様におわびし、この記事の全文を削除しました。」


msn産経「無資格の「ボランティア専属医」、日テレ「スッキリ!」にも出演」(平成23年8月12日)は,つぎのとおり報じています.

「東日本大震災後に宮城県で「ボランティアの専属医」を務めていると朝日新聞朝刊の「ひと」欄で紹介された米田きよし(42)と名乗った男性が、実際には医師免許を持っておらず、無資格で医療行為を続けていた問題で、日本テレビの情報番組「スッキリ!」も、この男性を取り上げていたことが12日、産経新聞の取材で分かった。
日本テレビの広報部は「事実を確認中」としている。」


◆ 感想

朝日の紙面では,カナダの大学病院に所属する小児科救急医で,国民難民高等弁務官事務所の派遣医師という経歴でしたが,これも本当ではないようです.

厚労省のサイトで医師等の資格確認検索を行えば,その名前の医師がいるか否かは分かります.
医師等資格確認検索サイトは,こちら
また,菊の御紋の入った医師免許証(顔写真はありません.卒業証書にちかい感じです.)を見せてもらえば,確認できます.

石巻市社会福祉協議会は,医師の確認方法を知らなかったのでしょう.

そういえば,昨年,岩手県立宮古病院が44歳のニセ医師に騙された事件がありました.(この件は,着任前で医療を行っていなかったためでしょうが,不起訴になりました.)

報道によれば,本件は,医業(医療行為)をしていたわけですから,ことは重大です.

写真は,福島県で先週撮影したものです.

谷直樹
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by medical-law | 2011-08-12 17:29 | 医療

小山市民病院,東京地裁で和解(大腸がん見落とし事件)

b0206085_9335411.jpg東京地裁の審理の中で,腹部CT検査で大腸がんの陰影を正しく読み取れなかったことなどを小山市側が認め,和解に応じることになった,とのことです.

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◆ 報道

読売「小山市が和解案受け入れ 市民病院訴訟 遺族に1000万円支払い」(平成23年8月12日)は,つぎのとおり報じています.

大腸がんで死亡したのは小山市民病院が検査でがんを見落としたためだとして、同市を相手取って損害賠償を求めていた訴訟があり、市は11日、東京地裁の和解案を受け入れ、1000万円の損害賠償を遺族に支払うことを明らかにした。

 市によると、訴えていたのは2005年5月に亡くなった真岡市の女性(当時66歳)の遺族。女性は01年2月、都内の病院で大腸がんの疑いを指摘され、小山市民病院で04年9月までに大腸の内視鏡検査など4回の検査を受けたが、異常なしと診断された。05年3月、別の病院で大腸がんなどと診断され、手術を受けたが死亡した。

 遺族は07年7月、「死亡したのは、市民病院の検査の見落としが原因」として、慰謝料など約3400万円を求めて提訴。病院側は「検査に落ち度はなかった」として争っていた。審理の中で、腹部CT検査で大腸がんの陰影を正しく読み取れなかったなどと市側が見落としを認め、和解に応じることになった。

 女性の夫(82)は「一方的に病院側に非があり、和解案には強い不満は残るが、裁判が長引くのもつらいので、受け入れることにした」と話している。大久保寿夫・小山市長は「和解に応じるのはやむを得ない」と話した。


◆ 感想

医療裁判で真実はわからない,と言われることがあります.民事裁判は裁判官が職権で事実を調査する手続きではありません.患者側が証拠で立証してはじめて真実があきらかになります.患者側弁護士の尽力により,医療裁判で真実が明らかになることもある,といえます.

本件は,医療裁判を行ったからこそ,腹部CT検査で大腸がんの陰影を正しく読み取れなかったことなどを市側に認めさせることができた,と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-08-12 06:14 | 医療事故・医療裁判