弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 09月 23日 ( 4 )

国立ハンセン病療養所栗生楽泉園自治会,群馬知事宛に要望書を提出

b0206085_9513752.jpg国立ハンセン病療養所栗生楽泉園自治会の藤田三四郎会長らは,平成23年9月20日,大沢正明群馬知事宛に療養所の一般開放を進めるための要望書を提出しました.

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同自治会は2002年ごろから,療養所を開放して地域住民と交流を図るため,草津温泉を活用した医療施設の新設を構想し,前橋市内の医療機関に医師派遣を依頼しましたが,進展がありませんでした.
要望書は,県立医療機関からの医師派遣を求めています.
また,県が発行するハンセン病差別撤廃パンフレットの内容充実なども求めています.

毎日新聞「国立ハンセン病療養所:一般開放、要望書を知事に提出 /群馬」(平成23年9月22日)はご参照

差別,偏見を克服するため,国立ハンセン病療養所の一般開放,利用は,実現されるべきです.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-23 18:37 | 医療

東京地裁立川支部平成23年9月22日判決(産科事故)

b0206085_16303697.jpg朝日新聞「産婦人科医に賠償命令=新生児死亡で責任認定―東京地裁支部」(2011年9月22日)は,以下のとおり報じています.

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「出産を間近に控えた妻=当時(36)、中国籍=が体調不良を訴えたにもかかわらず、適切な処置を怠ったため妻と生後間もない次男が死亡したとして、中国残留孤児2世の男性(42)らが東京都国立市の産婦人科医らを相手に、約1億1400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁立川支部であった。市川正巳裁判長は「早期に帝王切開していれば、次男は健康な状態で生まれてくることができた」として、医師らに計約4550万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性の妻は2005年1月28日朝から高熱や下痢、頭痛などの症状があり、劇症型感染症の疑いがあったが、産婦人科医はウィルス性胃腸炎と診断。その後、胎児の脈拍などを記録する「分娩(ぶんべん)監視装置」を妻に装着し、最高毎分190回超という異常な脈拍数を測定した際も、母体への酸素投与など必要な措置を取らなかった。

 次男はその約2時間後に仮死状態で生まれ、死亡しており、市川裁判長は「脈拍数を把握した時点で帝王切開をしていれば、次男の命は救えた」と認定した。」
 

分娩監視装置の胎児心拍基線は,110~160bpmが正常(整)脈で,本件は胎児頻脈の事案のように思われます.胎児頻脈の原因は,胎児低酸素症で,母体発熱等があり,総合的な判断を必要とします.
この判決の根拠は,胎児心拍モニターと具体的な臨床経過(劇症型感染症の疑いのある母体の状態)でしょう.
判決は,母体の感染症の事案等で参考になりますので,判例集に掲載されたら,熟読したいと思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-23 16:21 | 医療事故・医療裁判

トロイ・アンソニー・デイビスは,9月21日23時8分に処刑されました.

b0206085_2531482.jpg1989年8月,ジョージア州サバナのファストフード店の駐車場で,白人の男性警官が射殺されました.
黒人トロイ・アンソニー・デイビスが逮捕され,弁護人なしで審理され,死刑の判決を受けました.

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エイミー・グッドマン「トロイ・デイビスと死の政治」は,次のとおり述べます. 

トロイ・デイビスには、ストライクが3つ重なった。 アフリカ系アメリカ人であることで、ワンストライク。 白人の警察官殺しの嫌疑だったことで、ツーストライク。 3つ目のストライクは、ジョージア州にいたことだ。」

有罪判決後,警察官以外の証人9人のうち7人が警察に脅され無理強いされていたとして証言を撤回しました.
トロイ・アンソニー・デイビスを有罪とする物的証拠はありません.
証言を撤回していない証人の一人シルベスター・レッド・コールズが真犯人だという証人も数人います.
それでも,トロイ・アンソニー・デイビスの死刑は執行されました.

米国南部の黒人差別と,米国司法の暗黒を示唆する出来事と思います.
本当に残念です.

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-23 02:40 | 司法

遺族,大阪府の警察官と警察医が病理解剖を制止したとして損害賠償請求訴訟を提訴

b0206085_354692.jpg

◆ 事案

新聞報道によると,経過は次のとおりのようです.

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男性(31歳)は,平成22年4月、大阪府豊中市の自宅浴室で倒れ、搬送先の病院で死亡が確認されました.
病院で大阪府警豊中南署の警察官と警察医が検視し,肺化膿症による急性呼吸不全を死因としました.
この死因に疑問を抱いた遺族が病理解剖を求めたところ、警察官と警察医から「事件性がないため解剖できない」と病理解剖を制止され,病理解剖が実施されませんでした.

男性の両親が大阪府と警察医に計330万円の損害賠償を求める訴訟が提訴され,第一回口頭弁論期日で,被告側は請求について争う旨答弁しました.

msn産経「病理解剖制止は不当 遺族、大阪府を提訴」(平成23年9月22日)ご参照

◆ 感想

病理解剖は,医学医療の真実を明らかにするために行われます.
病理解剖は,事件性(犯罪の疑いがあること)を要件としません.
事件性がないという理由で病理解剖を制止するという論理は成り立ちません.

他方,司法解剖は,遺族の同意は不要で,事件性(犯罪の疑いがあること)を必要とし,裁判所の許可状に基づき実施します.
警察官と警察医が,この病理解剖と司法解剖を混同するとは,およそ考えられませんし,警察官らには病理解剖を制止する権限はありません.

遺族が同意し,病院が医学医療の真実を明らかにするために病理解剖を行おうとしているときに,警察官らが病理解剖を行わないよう制止するとは思えないのですが,でもあの大阪府警ですから...

谷直樹
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by medical-law | 2011-09-23 00:28 | 医療事故・医療裁判