弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 10月 05日 ( 2 )

鎌ケ谷市でもワクチン誤接種

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千葉日報「1歳9カ月男児にワクチン誤接種 鎌ケ谷」(2011年10月5日)は,次のとおり報じています.

「鎌ケ谷市は4日、市が医療機関に委託し8月に行った定期予防接種で、同市に住む1歳9カ月の男児にワクチンの誤接種があったと発表した。男児に健康被害は確認されていないという。

 同市健康増進課によると、男児は8月22日に市内の医療機関を受診。麻しん・風しんの混合ワクチンの予防接種を受けるところを、看護師が保管用の冷蔵庫から間違えて取り出した日本脳炎ワクチンが接種された。

 接種後、すぐにミスに気付いた医師、看護師が保護者に謝罪したが市へ報告していなかった。」


全国で,ワクチン誤接種が頻繁に報じられています.
誤接種の件数は,報道をみる限り,今年は千葉県が一番多いようです.

本件のミスは,確認を行うルールを決め,そのルールを守れば,防止することができます.
健康被害がなくてよかったということではなく,本件のような確認のミスが起きている施設では,確認ルールが形骸化していることが示唆されます.ということは,異型輸血事故をはじめ確認のミスによる事故がおきる可能性があるということになると思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-05 22:08 | 医療

富士市立中央病院のトリクロリール過剰投与事件,東京高裁市4千万円製薬会社5千万円で和解へ(報道)

b0206085_622441.jpg◆ 事案

富士市立中央病院の医師は,2003年4月,エックス線検査の際,体重9.85キロの患者(2歳)に,アルフレッサファーマ株式会社の睡眠薬「トリクロリール」9ミリリットルを投与しました.
患者は,呼吸不全に陥って脳に障害を負い,2008年12月に死亡しました.

「トリクロリール」の添付文書には,標準的な使用量を「体重1キロにつき、0.2~0.8ミリリットル」「幼小児は年齢により適宜増減する」と表記されていました.

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◆ 裁判

静岡地裁沼津支部は,2010年12月,医師の過失を認め,富士市に約7000万円の支払いを命じました.
控訴審の東京高裁は,2011年8月、富士市が4000万円,アルフレッサファーマ株式会社が5000万円を支払う和解案を示しました.
富士市は和解案受け入れを決め,10月3日市議会で予算案が可決されました.

「これを受け、同社は3日、本紙の取材に「訴訟の長期化による遺族の負担を避け、社会的責任を果たすため、和解案を受け入れる」と説明。幼小児は増減するとした表記は誤記としたうえで「表記と男児の死亡との直接的な因果関係はないとの立場だが、誤記が事故につながった可能性はある」と述べた。」
中日新聞「製薬会社も和解受諾へ 富士市立病院男児死亡訴訟」(2011年10月4日)ご参照

◆ 感想

9.85×0.8=7.88ですから,9ミリリットルは過剰投与となります.

本来,「幼小児は年齢により適宜減量する」と添付文書に記載すべきところを,「幼小児は年齢により適宜増減する」と誤記し,アルフレッサファーマ株式会社は,この誤記が事故につながった可能性を認め,和解案を受諾することにしたわけです.

添付文書は薬の使用説明書ですから,その添付文書に誤記があった場合,製薬会社は,このように責任を問われる可能性があります.
製薬会社は,添付文書の記載に十分注意をはらってほしいと思います.

また,国が添付文書をチェックする法的枠組みも必要と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-05 06:07 | 医療事故・医療裁判