弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 10月 11日 ( 2 )

タバコ会社は,タバコに放射性物質が含まれることを40年間隠蔽していました

b0206085_1023399.jpg米国のタバコ会社は,タバコに放射性物質ポロニウムー210があることを1959年の段階で既に知っていて,隠蔽していた,という事実が明らかになりました.University of California, Los Angelesの研究者が,27の文献資料から裏付けました.

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「Tobacco companies knew that cigarettes contained a radioactive substance called polonium-210, but hid that knowledge from the public for over four decades, a new study of historical documents revealed.

Scientists from the University of California, Los Angeles, reviewed 27 previously unanalyzed documents and found that tobacco companies knew about the radioactive content of cigarettes as early as 1959. The companies studied the polonium throughout the 1960s, knew that it caused ”cancerous growths” in the lungs of smokers, and even calculated how much radiation a regular smoker would ingest over 20 years. Then, they kept that data secret.

Hrayr Karagueuzian, the study's lead author, said the companies' level of deception surprised him.

”They not only knew of the presence of polonium, but also of its potential to cause cancer,” he said.

Karagueuzian and his team replicated the calculations that tobacco company scientists described in these documents and found that the levels of radiation in cigarettes would account for up to 138 deaths for every 1,000 smokers over a period of 25 years.

The study published online in the journal Nicotine and Tobacco Research.」

また,タバコ会社は,ポロニウムー210を除去するacid washingは,ニコチンラッシュを損なうとのことで,採用されなかったことも明らかになりました.

「Officially, tobacco companies said acid washing would cost too much and might have a negative impact on tobacco farmers and on the environment. But Karagueuzian said the documents his team reviewed revealed another reason why the industry avoided acid washing for tobacco leaves: the process would alter the nicotine in the plants and make it less able to deliver the ”instant nicotine rush” smokers craved.」

ABC 「Tobacco Companies Knew of Radiation in Cigarettes, Covered It Up」ご参照

肺のホットスポットに集まったタバコの中の放射性粒子により,今後25年で死亡する可能性のある人は,喫煙者1000人のうち120~138人とのことです.

日本のタバコ会社の内部文書は,米国のタバコ会社の内部文書とは異なり,公開されていないので,同様の認識だったかはわかりませんが,日本のタバコ会社は米国のタバコ会社と同様の技術レベルにあったことは事実です.

なお,明日10月12日午後2時から東京高裁でタバコ訴訟の期日があります.タバコ訴訟は,明日で,争点整理,時系列表等がほぼ完成になりますので,終結時期もちかいでしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-11 09:45 | タバコ

欧州人権裁判所,ソロス氏がインサイダー取引法に抵触する可能性を認識できなかったとは考えられない

b0206085_8512517.jpgジョージ・ソロス氏は,1988年,フランス銀行ソシエテ・ジェネラルの買収に参加するように頼まれ,断わりましたが,後に比較的少量の株式を購入しました.
2002年,フランスの下級審裁判所は,フランス証券取引法を根拠として,この株式購入がインサイダー取引にあたると,220万ユーロの支払いを命じました.
フランスの破棄院は,罰金支払い命令を無効としたものの下級審の有罪判決を支持しました.そこで,ソロス氏は2006年12月に欧州人権裁判所に訴えました.

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欧州人権裁判所は,「ソロス氏は著名な機関投資家であり、実業界での認知度も高く、大型の金融プロジェクトにも参加していた」とした上で,同氏の地位と経験からすれば、投資を行う決定がインサイダー取引法に抵触する可能性があると「認識できなかったとは考えられない」と指摘し,類似の先例がなかったことから「同氏は特に慎重を期すべきだった」とし,人権侵害を主張した同氏の訴えを退ける判断を示しました.
まさに「認識の重さ」です.

ブルームバーグ「ソロス氏のインサイダー取引有罪判決、欧州人権裁判所が支持」(2011年10月6日)ご参照

ジョージ・ソロス氏は,ハンガリーのユダヤ人弁護士の息子で,ヘッジファンドの設立者です.
1992年のブラック・ウェンズデーで,イングランド銀行のポンド買いに対し,売り浴びせて勝ち,約10億~20億ドルの利益をあげた話は有名です.1997年のアジア金融危機時にはバーツの下落に賭け約7億5000万ドルの利益を上げました.果敢な攻めと引き際の鮮やかさは常人ではありません.
他方,慈善事業に30億ドル以上を費やしているそうです.資本主義=「自分さえよければ社会」を批判しています.

ジョージ・ソロス氏は,カール・ポパー氏の影響を受けた哲学者でもあります.ジョージ・ソロス氏によって,ポパー哲学が知られるようになったともいえます.ジョージ・ソロス氏の投資哲学の本を読むより,カール・ポパー氏の著作を読むことをお奨めします.

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-11 02:21 | 司法