弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2011年 10月 21日 ( 3 )

日弁連,放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案についての意見書

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このところ,毎日「除染」のニュースが報じられています.

たとえば, 毎時3・99マイクロ・シーベルトの放射線量が検出された東京都足立区の区立東渕江小学校で,区は,10月18日,雨どいの下周囲1平方メートルで深さ10センチ分の土を削り取り,校庭の別な場所に深さ約1・2メートルの穴を掘り,袋詰めにして埋めました,その結果,地上5センチで毎時0・15マイクロ・シーベルトと大幅に下がりました,など.(読売新聞「足立区の小学校で除染、放射線量大幅に低下」(2011年10月18日)ご参照)

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「除染」は,放射性物質汚染を移動しているだけですので,かえって拡散してしまう危険もあります.不十分であったり,作業員に害が及ぶ懸念もあります.

日弁連は,平成23年10月19日,「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針骨子案についての意見書」を発表しました.

意見の趣旨
1 除染は放射性物質の量を減らすものではなく、これを場所的移動させるに過ぎず、除染による環境浄化には本質的な限界があることを確認し、かつ、除染によって更なる環境汚染が起きないよう適切な環境防止措置と作業員の被ばく対策をした上で、除染が実施されるべきである。

2 除染特別地域においても、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処の長期的な目標としては、追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト未満となることを目指すべきである。

3 除染実施計画を定める区域(追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以上のうち、除染特別地域以外の区域)のうち、子どもの生活圏においては、第1に、2012年8月末までに、子どもの推定年間追加被ばく線量を年間3ミリシーベルト以下で、かつ、子どもの推定年間被ばく線量を2011年8月末と比べて約60%減少した状態を実現することを目指すとするべきである。第2に、その上で、除染実施計画を定める区域(追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以上のうち、除染特別地域以外の区域)については、2014年3月末までには、子どもの推定年間追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト未満とすることを目指すべきである。

また、子どもの推定年間追加被ばく線量及び推定年間被ばく線量を測定する際には、地表面から10cmの空間線量を基本とすべきである。

さらに、一度除染をした場所についても、周辺からの放射性物質による汚染が再度起きる可能性があるので、継続的にモニタリングを実施し、必要に応じて除染を行うべきである。・・・


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谷直樹
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by medical-law | 2011-10-21 07:09 | 脱原発

禁煙補助剤チャンピックスにライバルが登場するかもしれません

b0206085_29975.jpgロンドン大学のRobert West氏らは,禁煙補助剤タベックス(tabex,一般名cytisine)について,大規模試験の結果,12カ月後の禁煙率はプラセボ(偽薬)投与群で2.4%だったのに対してタベックス(tabex)投与群では8.4%と,3.4倍高かったと,報告しています.
2011年9月29日付の米医学誌「New England Journal of Medicine」掲載の「Placebo-Controlled Trial of Cytisine for Smoking Cessation」ご参照

タベックス(tabex)は,日米では未承認ですが,ロシア東欧などで使用されている安価な禁煙補助剤です.
胃腸障害も報告されいて,安全性については,まだよくわかりませんが,エクスタブ社は,今後,米国,欧州,日本,その他発展途上国でタベックス(tabex)の販売許可を申請する計画ですので,いずれチャンピックスの有力なライバルとなるかもしれません.

なお,チャンピックスもタベックス(tabex)も,ニコチンと同じ作用があるキングサリ(キバナフジとも言います.アルカロイドが含まれていて,有毒植物とされています.)の種子に由来するシチシンを含有しています.

Sankei Biz「わずか6ドルで禁煙補助薬使い禁煙」(2011年10月13日)ご参照

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by medical-law | 2011-10-21 00:46 | タバコ

薬害オンブズパースン会議注目情報,「禁煙補助剤バレニクリン(チャンピックス)が心臓に害作用」

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薬害オンブズパースン会議は,2011年10月20日,注目情報で,「禁煙補助剤バレニクリン(チャンピックス)が心臓に害作用」を掲載しました.
要約してご紹介します.

バレニクリン(チャンピックス)は,2006年以来,年間約800万ドルの売上をファイザー社にもたらしています.
FDAは,2009年に自殺念慮等の報告に基づき精神神経障害について警告し,2011年6月,バレニクリンの心血管障害の可能性について注意をしました.

ジョンズホプキンス大学のSonal Singh氏とイーストアングリア大学のYoon Loke氏 は,バレニクリンの心血管疾患リスクについて,14試験の結果を結合したメタアナリシスを,カナダ医師会雑誌(CMAJ)に発表しました.
このメタアナリシスでは,4908人のバレニクリン服用者で52の有害事象(Adverse Event)(これに対し,3308人のプラセボ服用者で27の有害事象)が出現し,Peto法で計算するとオッズ比は1.7(95%信頼区間1.1-2.7)になります.
Sonal Singh氏らは,「重大な心血管障害の出現率は1%と低いが,致命的な疾患が,健康な人で発生しているのは重要である。特に,喫煙者はすでに心血管疾患にかかりやすいのであり,どのようなリスク増加でも避けられねばならない。」と述べています.

これに対して,ファイザー社は,「非常に少ない有害事象にもとづいている」と異を唱えています.

米国FDA,禁煙薬の有効性と心臓病リスクを指摘」ご参照

谷直樹
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by medical-law | 2011-10-21 00:22 | タバコ