弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 04月 26日 ( 3 )

小沢一郎氏無罪

小沢一郎氏に無罪判決が下されました.
あの大善文男判事をもってしても,本件について有罪判決は書けなかったわけです.
ストーリー自体無理スジで,証拠がないのですから,無罪は当然です.
本件は,最高裁事務総局の関与が言われ,検察審査会を使った起訴でしたが,さすがに判決をねじまげることまではできなかったわけです.
ちなみに,主任弁護人の弘中惇一郎先生は,私の元ボス弁(山口紀洋)とクロロキン薬害事件を担当していたことがありますので,間接的に若い頃の弘中先生のエピソードを聞いてはいましたが,やはり流石です.

谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-04-26 12:12 | 司法

和歌山地裁平成24年4月25日判決(介護12時間から21時間に義務付け)報道を読んで

日本では,家族に介護を押しつけ,社会が障がい者をみない,責任をもたない,という傾向があるように思います.良風美俗ではないと思います.

和歌山地裁は,24時間介護が必要なALS患者について,足の不自由な妻(74歳)が介護できるのは3時間と認定し,介護保険分3.5時間とあわせて公的な介護サービス時間を12時間から21時間に引き上げる義務付け判決を下しました.

判決内容は当然ですが,今までこのような判決がありませんでした.
この判決は確定してほしいですし,他の自治体も判決をうけ,介護サービス時間を少しでも長くしてほしいです.

谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

読売新聞「ALS介護支給、1日21時間以上を市に命じる」(2012年4月25日)は,以下のとおり報じています.

「全身の筋肉が弱る筋萎縮性側索硬化症(ALS)で24時間介護が必要なのに、和歌山市がサービスを1日8時間としたのは障害者自立支援法に反するなどとして、同市内の男性(75)が、介護保険分のサービス時間(1日3・5時間)と合わせて24時間介護となる1日21時間のサービス提供と、慰謝料100万円を求めた訴訟の判決が25日、和歌山地裁であった。

 高橋善久裁判長は「市の決定は障害程度や介護者の状況を適切に考慮していない」として、サービス提供時間を1日17・5時間に引き上げるよう命じた。慰謝料請求は認めなかった。

 ALS患者への介護サービス時間増を命じる判決は全国で初めて。男性の介護サービスを受ける時間は、介護保険分(1日3・5時間)と合わせて1日12時間から21時間に増える。1日のうち、残る3時間程度は妻が介護できると判断した。

 訴状などでは、男性は足の不自由な妻(74)と2人暮らし。頻繁なたんの吸引や人工呼吸器の管理が必要で、24時間介護を求めていた。

 同市は、介護保険分を除いて独自に1日8時間の介護サービスを提供しており、「家族による介護が原則で、介護保険分のサービスだけを受ける市民もおり、8時間以上の提供は不公平になる」と主張していた。

 高橋裁判長は、妻の健康状態などから1日21時間のサービスがないと男性の生命に危険があると判断。「市の決定は裁量権を逸脱、乱用しており違法」とした。

 同市の大橋建一市長は「判決文を確認して対応を検討する」とのコメントを出した。

 男性は、判決が出る前の「仮の義務付け」を申し立て、同地裁は昨年9月、サービスを1日16・5時間とするよう市に命じた。しかし、市が抗告。大阪高裁は「緊急性が明らかでない」として取り消し、最高裁も今年2月に男性の特別抗告を棄却した。」



毎日新聞「 <ALS>介護時間「延長を」市の対応批判…和歌山地裁判決」(2012年4月25日)は,次のとおり報じています.

「難病の筋萎縮(きんいしゅく)性側索硬化症(ALS)の70代の男性患者=和歌山市=が、市に1日24時間の介護サービスの提供を求めた訴訟で、和歌山地裁(高橋善久裁判長)は25日、現行の1日あたり約12時間から、21時間以上に延長するよう命じる判決を言い渡した。原告弁護団によると、ALS患者を巡り公的介護サービスの時間延長を認めた司法判断は初めて。

 判決によると、06年6月にALSと診断された男性は寝たきり状態で、70代の妻と2人暮らし。左足小指など体の一部しか動かず、人工呼吸器を付けている。公的介護に加え、妻とヘルパーのボランティアにより24時間態勢で介護をしている。

 男性は、障害者自立支援法と介護保険による24時間の介護サービスを求めてきたが、市側は「24時間の介護は必要ない」として、約12時間のサービスしか認定してこなかった。

 判決はまず、男性について「ほぼ常時、介護者がそばにいる必要がある」と認めた。そのうえで、(1)妻は高齢で健康に不安がある(2)男性の人工呼吸器が正常に動作しているか頻繁な確認が必要(3)流動食の提供に細心の注意が必要--などと指摘。「少なくとも1日21時間はプロの介護がなければ、生命に重大な危険が生じる可能性が高い」と結論付けた。

 1日約12時間という市側の決定に関しては「妻が起床中は、一人で全ての介護をすべきだという前提で、裁量権の逸脱だ」と厳しく批判した。【岡村崇】

 ◇解説…自治体で運用に差

 ALS患者への介護時間の延長を命じた今回の判決は、公的介護が不十分なために生命が危険にさらされないよう、行政側に柔軟な対応を求めたものといえる。日本ALS協会の金沢公明事務局長も「ALS患者には、24時間の介護が必要不可欠だ」と一定の評価をしている。

 重い障害を抱える人に公費で介護を提供する「重度訪問介護」は、障害者自立支援法に基づくもので、具体的な介護の時間は市町村の裁量に任されている。

 しかし、自治体間で運用に差があるうえ、財政支出を抑えるために上限を厳しくしている自治体もあるとの批判が、障害者団体などから出ていた。

 判決を踏まえ、全国の自治体は、重い障害がある人に必要な介護サービスを提供しているか、改めて検証する必要があるだろう。」


【追記】
和歌山市は,4月27日午後,控訴を断念する,と発表しました.これで本判決は確定します.


谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-04-26 03:45 | 福祉

医薬品・医療機器等安全性情報No.290,「医薬品による重篤な皮膚障害について」

2012年4月25日,医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトに「医薬品・医療機器等安全性情報No.290」が掲載されました.

その中の「医薬品による重篤な皮膚障害について」は,依然として,皮膚粘膜眼症候群(SJS;Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN)による重篤な結果が,少なからず発生していることを伝えています.

SJS,TENは,この2年半で約1505例報告されています.

転帰については,回復又は軽快が857例(56.9%),報告時点で未回復が48例(3.2%),後遺症ありが31例(2.1%),死亡が131例(8.7%),転帰不明等が438例(29.1%)とのことです.つまり,分かっているだけでも,131人が死亡し,31人に後遺症が残ったのです.

ジクロフェナクナトリウムで初期症状発現から受診まで時間がかかった症例,アロプリノールで診断に時間がかかった症例)もあり,治療が遅れたために重症化したおそれのある症例も認められている,とのことです.

医薬品投与後に高熱を伴う発疹等が生じてSJS,TENの発症を疑った場合には,被疑薬の投与を中止するとともに,速やかに皮膚科の専門医へ紹介することが重要です.

「◎ 発疹に加え下記の初期症状が認められた場合は、重篤な皮膚障害の可能性も考慮してください
・[初期症状]発熱(38℃以上)、眼の充血、眼分泌物、瞼の腫れ、目が開けづらい、口唇・陰部のびらん、咽頭痛等

◎ 早い段階での皮膚科専門医への相談及び紹介が重要です。
・急速な発疹の拡大や症状の遷延化を認めた場合には、早急に皮膚科専門医に相談、紹介してください。」(PMDA)



谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-04-26 02:26 | 医療