弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 05月 04日 ( 1 )

長崎大学病院,今度は医師が個人情報が入った外付けハードディスク紛失

長崎大学病院は,2年前に看護師が個人情報が入ったUSBメモリを紛失していますが,今度は,医師が入院患者103人の個人情報が入った外付けハードディスクを昨年12月に紛失した,とのことです.

長崎新聞「入院患者の個人情報入りのHD紛失」(2012年5月3日)は,次のとおり報じています.

「長崎大学病院(河野茂病院長)は2日、入院患者103人分の個人情報が入ったパソコンの外付けハードディスク(HD)を40代の女性医師が紛失した、と発表した。今のところ、情報漏えいや不正使用の事実は確認されていないという。

 同病院によると、紛失したハードディスクは縦約12センチ、横約8センチ、厚さ約2センチ。2006年4月~10年9月に入院していた患者の氏名や性別、病名などを記録していた。

 女性医師は昨年12月7日、病院改修工事に伴う医局の移動の際に紛失したという。医師は上司に報告した後、探したが見つからず、病院に報告したのは3月5日になってからだった。4月23日、河野病院長が直接、口頭で厳重注意した。

 同病院は、既に死亡した患者を除く50人に対して、5月1日付で経過説明と謝罪文を掲載した文書を郵送した。

 この紛失事案を受け、同病院が院内を調査したところ▽個人情報が入ったハードディスク紛失(後日発見)▽個人情報を含まないパソコン紛失-の2件が新たに判明した。

 同病院は、再発防止に向けて、持ち出し可能な媒体の使用を原則禁止するなどの対策を講じるという。」



看護師が平成22年7月18日個人情報入りのUSBメモリ(原則院外持ち出し禁止)を自宅に持ち帰り,紛失した事故のとき,長崎大学病院は,平成22年8月4日「患者の個人情報の紛失について」を発表し,次のとおり再発防止策を示しました.

「本院としては,全ての個人情報の適切な取扱いについて,機会あるごとに全職員に注意喚起を行ってきたところでありますが,今回の事態を厳粛に受け止め,今後さらに,院内の個人情報の取扱いについてデータ管理の在り方の見直し(ファイルサーバー上での情報収集への移行,やむを得ずUSBメモリを利用する場合はデータ暗号化の必須化等)を進め,個人情報保護の強化を行うとともに,全職員に対する個人情報保護に関する教育(研修会の開催,e-ラーニングの実施等)の徹底及び啓発を行い,再発防止に向け対策を講じてまいります。」

たしかに,USBメモリの紛失事故はなくなりましたが,外付けハードディスクの紛失事故がおきてしまったわけです.
外付けハードディスクを利用する場合についても,データ暗号化の必須化等の対策を講じるべきだったのではないでしょうか.

ちなみに,報道によると,昨年6月以降,個人電磁情報の紛失事故は,以下の施設で起きています.

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院

谷直樹
ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-05-04 02:27 | 医療事故・医療裁判