弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 05月 08日 ( 1 )

ロシュ社が「JTT-705(dalcetrapib)」の全ての開発を中止

日本たばこ産業株式会社(JT)は,2012年5月7日,ロシュ社が「JTT-705(dalcetrapib)」の全ての開発を中止したことを発表しました.

脂質異常症治療薬「JTT-705(dalcetrapib)」に関する導出先の発表についてのお知らせ」は,次のとおりです.
「当社が創製した脂質異常症治療薬(CETPモジュレーター)「JTT-705(dalcetrapib)」につきましては、2004年10月にスイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社(以下ロシュ社)と導出に関するライセンス契約を締結し、日本を除く海外においては同社が開発を行っていたところですが、本日、ロシュ社が本剤の全ての開発を中止することを発表しましたのでお知らせいたします。
「JTT-705(dalcetrapib)」はHDL*1中のコレステロールをLDL*2に転送する蛋白質であるCETP*3(コレステリルエステル転送蛋白)の活性を調節することにより血中のHDLコレステロールを増加させて抗動脈硬化作用を示す薬剤で、導出に関するライセンス契約締結以降、同社が海外における臨床試験を行っており、海外において第Ⅲ相臨床試験の段階にありました。

なお、本件による当社の当年度連結業績への影響は軽微です。

*1 HDL (High Density Lipoprotein):高比重リポ蛋白。動脈壁などのコレステロールの蓄積を防ぐ動脈硬化症の防御因子。HDLコレステロールは善玉コレステロールとも言われる。
*2 LDL(Low Density Lipoprotein):低比重リポ蛋白。血中コレステロールの主な運搬体。高脂血症になるとLDLが増加し、血管壁にコレステロールを蓄積させ、動脈硬化を引起す。LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも言われる。
*3 CETP:Cholesteryl Ester Transfer Proteinの略。」


JTは,タバコの製造販売で主な利益をあげていますので,たしかに影響は軽微でしょう.
JTは,中止になった理由(不都合なこと)は説明しません.JTらしい対応といえばそれまでですが.

谷直樹
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by medical-law | 2012-05-08 22:25 | 医療