弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 05月 29日 ( 3 )

「日本難病・疾病団体協議会(JPA),患者の視点で難病対策はつくられるべきだ

新聞赤旗「JPA 国会内で議員要請」(2012年5月29日)は,次のとおり報じています.

「日本難病・疾病団体協議会(JPA・伊藤たてお代表理事)は28日、難病や長期慢性疾患、小児慢性疾患の患者に対する医療・福祉・年金・介護・就労支援など総合対策を求めて国会内で議員要請を行いました。要請にあたって、78万人分の署名を提出しました。

 要請行動に先立ち開かれた集会で、伊藤代表理事は厚生労働省が難病対策のあり方について検討していることにふれ、「患者の視点で難病対策はつくられるべきだ」と強調しました。

 小児慢性疾患治療研究事業の対象患者は、完治しなくても成人になると国の医療費助成制度の対象外となります(キャリーオーバー問題)。

 小児慢性疾患の一つ、1型糖尿病の女性(24)は、体調のコントロールがきかず就労できずにいます。「20歳過ぎて国の難病対策の対象から外され障害福祉の対象でもなく、何の保障もないのがつらい。合併症の予防もままなりません」と声を詰まらせながら訴えました。

 全国脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会の立木?代(いくよ)理事は、医療費助成制度の特定疾患治療研究事業対象者が、認定の更新時に必要な文書に4000円から6000円ほどかかると訴えました。伊藤代表は「厚労省内の議論では、難病の診断を専門医だけがすべきだとするものもある。そうなれば、患者は遠方から専門医のもとへ通わなければならなくなり、より負担が増える」と指摘し、患者の実態を訴えて総合的な難病対策を求めようと呼びかけました。

 日本共産党の田村智子参院議員があいさつしました。」


谷直樹
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by medical-law | 2012-05-29 23:51 | 医療

日医ニュース,第191回世界医師会(WMA)プラハ中間理事会の模様を掲載

日医ニュース第1218号に,2012年4月26日~28日,プラハで開かれた第191回世界医師会(WMA)中間理事会の模様が報じられています.

横倉義武会長,羽生田俊副会長,石井正三常任理事並びにアドバイザーとして畔柳達雄参与が出席した,とのことです.
畔柳達雄先生は,第二東京弁護士会の大先輩で,十数年前になりますが,鎌倉の料亭や藤沢のバーで貴重なお話しを聞かせていただいたことがあります.お元気でご活躍のご様子,たいへんよろこばしいことです.

とくにヘルシンキ宣言の修正スケジュールと2014年の記念行事が注目です.
ヘルシンキ宣言の修正は,6月にロッテルダム(オランダ)で作業部会,12月にケープタウン(南アフリカ)で第一回専門家会議,2013年4月初旬に東京で第二回専門家会議が決まったとのことです.
また,ヘルシンキ宣言採択50周年に当たる2014年に記念行事を開催することも決定したそうです.

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by medical-law | 2012-05-29 20:36 | 医療

薬剤イレッサ,東京新聞社説,医薬品の安全性を高める責任は免れない

東京新聞社説「抗がん剤訴訟 安全高める努力続けよ」(2012年5月29日)は,次のとおり,(1)添付文書のチェックを法的に位置付け監視を強めること,(2)薬害肝炎訴訟の原告らと合意した,薬事行政を監視する第三者組織の設置,(3)副作用による健康被害の救済制度を抗がん剤にも適用することを述べています.

「肺の抗がん剤「イレッサ」の副作用死をめぐる訴訟で大阪高裁は、被告の国と製薬会社の責任を認めなかった。東京高裁判決に続く原告敗訴だ。だが、医薬品の安全性を高める責任は免れない。

 イレッサは、肺がん患者の「最後の命綱」として二〇〇二年、日本で最初に販売が始まった。治療の有効性から今も使われている。

 当時、使用が広まると副作用の間質性肺炎による死亡例が続いた。副作用死の可能性は八百人を超え、患者・遺族が国と製薬会社に損害賠償請求訴訟を起こした。

 主な争点は、死亡するような副作用の情報を医療機関向けの添付文書に目立つように表示するなど注意喚起を十分にしたかどうか。

 一審の東京地裁は国、製薬会社双方の、大阪地裁は製薬会社の責任を認めた。ところが昨年十一月に東京高裁は一転、注意喚起に「欠陥があったとはいえない」と原告敗訴の判決を出した。

 今回の大阪高裁判決も、専門の医師には添付文書の記載方法で欠陥はなかったと結論付けた。

 だが疑問は残る。厚生労働省の指示で製薬会社は販売開始から三カ月後に緊急情報を出し、添付文書も副作用情報が目立つよう改訂した。その後に死亡者は減った。

 もっと被害を抑える記載方法があったのではないか。患者や遺族には納得できない判決だろう。

 国や製薬会社は判決で「責任なし」となっても、患者が薬を安全に使用し治療に専念できる十分な策をとる責務はある。

 イレッサ副作用被害を受け厚労省は、添付文書のチェックを法的に位置付け監視を強める方針だ。関連法改正案を今国会に出す予定だが遅れている。

 〇八年には、薬害肝炎訴訟の原告らと薬事行政を監視する第三者組織の設置で合意した。薬による健康被害の発生や拡大を防ぐ手だてとして期待されている。今国会で法改正する約束だが、動きは鈍い。早急に実現すべきだ。

 患者の救済策も足踏み状態だ。副作用による健康被害の救済制度を抗がん剤にも適用するよう厚労省の有識者会議が検討しているが、慎重な姿勢のままだ。専門家は知恵を絞ってほしい。

 医療現場もマイナス情報を患者にしっかり理解してもらっていたか再点検を忘れるべきではない。

 薬の安全性を高める対策や患者の救済策が実現しないのでは、健康被害に苦しむ患者や家族は二重に救われない。」


谷直樹
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by medical-law | 2012-05-29 07:40 | 医療事故・医療裁判