弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 08月 06日 ( 3 )

抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会,抗がん剤の副作用による被害を救済する制度創設を否定

NHK「抗がん剤副作用 救済制度創設見送りへ」(2012年8月6日)は,次のとおり報じています.

「抗がん剤の副作用による被害を救済する制度の創設について、厚生労働省の検討会は、がん患者の場合、症状の悪化が薬の副作用によるものかどうか判断するのが難しいなどとして、制度の創設を見送ることになりました。

救済制度の創設は、肺がんの治療薬「イレッサ」の副作用を巡る裁判で、国が去年、裁判所の和解勧告を拒否した際、当時の細川厚生労働大臣が検討を表明し、専門家や患者会などによる検討会を作って議論を行ってきました。

6日にまとまった報告書では、抗がん剤について、必ずしも完全に治すことを目的としておらず、特に重いがん患者の場合、高い頻度で副作用が起きることを前提に使われているとして、救済の対象範囲を決めるのは難しいと指摘しました。

そのうえで、がん患者の場合、複数の治療を受けている場合が多く、症状の悪化が薬の副作用によるものかどうか判断するのが難しいほか、救済制度が導入された場合に、資金を負担する製薬会社が薬の開発や販売に消極的になる可能性もあるとして、現時点では救済制度の創設は難しいと結論づけました。

イレッサ薬害被害者の会の近澤昭雄代表は、「制度を作れない理由を挙げる形で議論が進み残念だ。患者が安心して医療が受けられるよう、今後も前向きに議論を続けてもらいたい」と話しています。」


この結論で本当によいのでしょうか?

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-06 21:48 | 医療

草津楽泉園とみちのくの子どもをつなぐ会,草津楽泉園サマーキャンプ

東京新聞「福島の子ら人権の尊さ学ぶ 草津町でキャンプ ハンセン病回復者と交流」(2012年8月6日)は,次のとおり報じています.

「草津町の国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」で、福島県の小中学生を招いたサマーキャンプが開かれており、回復者と交流している。参加者は罪のない多数の犠牲者を出した懲罰施設「重監房」の跡などを回り、人権の尊さを学んでいる。

 同園によると、子どもの団体が泊まるこのような企画は初めて。同園の自治会、高崎健康福祉大、鳥取大、埼玉大、県内外の支援者らによる「草津楽泉園とみちのくの子どもをつなぐ会」が昨年末から準備を進めた。

 回復者と交流のある鳥取大の卒業生が、支援する福島県の小中学生に放射性物質の心配がない豊かな自然環境で夏を過ごしてもらおうとしたのがきっかけだ。同県白河市、福島市の小学四年~中学二年の女子十人が参加している。

 一行は三日に到着し、レクリエーションを開催。回復者の藤田三四郎さん(86)は病気について解説し、「私たちは皆さんと同じように風評被害を受けている。若い皆さんと会い、つらかった過去を思い出す一方、明るい希望を与えられた」とあいさつ。谺(こだま)雄二さん(80)は「子どものころから病気の正しい知識を身に付けてほしい」と語った。

 福島市の中学二年、鈴木由萌果(ゆめか)さん(14)は「思ったよりも明るい感じの場所。病気は感染しないこと、治ったのに差別があることが分かった」と実感を込めた。

 参加者は四日、スタンプラリー形式で園内を回り、重監房跡のほか、差別のために引き取り手のない無縁仏が眠る「納骨堂」なども見学し、回復者四人に聞き取りもした。五、六両日はハイキングなどを楽しみ、七日に帰宅する予定。 (菅原洋)」


上毛新聞「福島の子どもと野反湖ハイク 栗生楽泉園拠点に活動 」(2012年8月6日) は,次のとおり報じています.

「福島第1原発事故で被災した福島県の小中学生が5日、中之条町入山の野反湖でハイキングを楽しんだ。草津町の国立ハンセン病療養所栗生楽泉園の入園者自治会などで作る「草津楽泉園とみちのくの子どもをつなぐ会」が企画した催しで、7日まで同園を拠点にさまざまな活動を行う。

 子どもたちに外で思い切り遊んでもらうのが目的。3日から4泊5日の日程で、福島市と白河市の小学4年から中学2年までの10人が参加している。高崎健康福祉大や鳥取大、埼玉大の学生も参加し、交流する。

 5日は同園で昼の弁当を作り、ハイキングを行う野反湖へ向かった。子どもたちは、地元の山本茂さん(74)らの案内を受けながら、弁天山に登り、野反湖を眺めながら昼食。標高約1500メートルの澄んだ空気の中、湖畔を一生懸命歩いた後、スイカ割りやバーベキュー、花火などを楽しんだ。

 参加した子どもたちは「ハイキングは疲れたけど楽しかった。野反湖がとてもきれいだった」と笑顔で話した。6日には草津町内を観光するほか草津白根山に登り、7日に帰省する。」


楽しく,ためになる,企画ですね.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-06 21:05 | 人権

高知新聞社説,「【受動喫煙対策】強い推進姿勢こそ重要だ」

高知新聞社説「【受動喫煙対策】強い推進姿勢こそ重要だ」(2012年8月5日)は,次のとおり論じています.

 
「受動喫煙の健康被害は明らかなのに、防止対策を減速させるのか。

 全ての事業者に職場の全面禁煙か分煙を義務付ける「労働安全衛生法改正案」について、民主党は「努力義務」に後退させる修正案を取りまとめた。全面禁煙、分煙の前段階として飲食店に義務付けていた換気設備の導入なども削除した。

 法案成立には、飲食店やたばこ関連産業に配慮し、義務規定を断念する必要があると判断したという。政府が国会に提出中の改正案は事実上、骨抜きになる形だ。

 日本は世界保健機関の「たばこ規制枠組み条約」を批准しており、世界的にも飲食店などでの喫煙を法律で禁止する国が増えている。政府も2010年、新成長戦略の一環として20年までに受動喫煙の職場をゼロにする目標を掲げたはずだ。

 全面禁煙や分煙を行う事業所は増えているが、12年の調査で70%にとどまっている。これまでの経緯や現状を踏まえれば、与党の姿勢は及び腰とみられても仕方がないだろう。
 国に先んじて、自治体が条例で公共的な施設での禁煙や分煙を義務化する動きもすでにある。
 神奈川県は10年4月、罰則を設けてスタートさせたが、業界の反発から小規模飲食店やパチンコ店は規制の対象外となった。対策を取った飲食店では「女性や家族連れが増えた」「客の回転率が上がった」と評価の一方、喫煙者の客が多い店には、分煙のコスト負担や、「客足が遠のく」ことへの懸念が根強いようだ。

 確かに、経営面に与える影響には十分に配慮する必要がある。民主党の修正案は、受動喫煙の防止に取り組む事業者には「国が必要な援助をする」との規定を盛り込んでいる。喫煙室の設置費用に対する助成や専門家による助言を想定しているという。
 ならば、そうした支援で対策を促しながら、業種や規模によって段階的に義務化の対象を広げることもできよう。政府や与党が着実に対策を進める姿勢を示し、防止策の必要性を周知することこそが重要ではないか。

 たばこを吸わない人には副流煙の健康被害はもちろん、臭い自体が鼻持ちならない存在だ。喫煙者の多くも周りに気兼ねすることなく一服を楽しめる方がいいだろう。双方にとって、快適な環境づくりを進めたい。」


労働安全衛生法改正案の後退は,受動喫煙被害を軽視するもので,明らかに不合理です.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-06 00:34 | タバコ