弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 09月 06日 ( 2 )

日本医師会,厚労省の調査(所得の高い人はより良い医療を受けられるべきが約50%)に疑問表明

“「所得の高い人は、所得の低い人よりも、医療費を多く払って、より良い医療を受けられる」という考え方を正しいとする国民が、日本では49.6%と半数近くに達し、その数値は先進諸国よりも多い”

これは,厚生労働省が行った「社会保障に関する国民意識調査」の結果で,厚生労働省が,2012年の厚生労働白書に記載した内容です.

日本医師会は,9月5日の定例記者会見で,この調査結果に疑問を表明しました.
調査が民間会社に登録しているネットモニタを対象としていること,過去データと手法が異なりただちに比較できないこと等を指摘しています.

日医総研の「日本の医療に関する意識調査」では,「所得の高い低いによって、受けられる医療の中身(治療薬や治療法)が異なることはやむを得ない」という考え方に賛成の国民は1割強にとどまり,増加傾向もみられないとのことです.

以上「定例記者会見 厚労省「社会保障に関する国民意識調査」の問題点を指摘」ご参照

日本国民が医療の公共性,平等性をどのように考えているか,は調査により異なるようですが,医療の公共性,平等性を医療政策の根幹に据えることが必要と思います.所得の高い人は,所得の低い人よりも医療費を多く払ってより良い医療を受けられる,という方向に進むべきではない,と考えます.

谷直樹

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by medical-law | 2012-09-06 23:59 | 医療

被害者の会,放射性検査薬過剰投与事件の調査委員会設置を求める1万893人の署名を甲府市に提出

山梨放送「過剰投与事件で原因究明求める署名提出」(2012年9月6日)は,次のとおり伝えています.

市立甲府病院で起きた放射性検査薬の過剰投与事件で、患者の家族らでつくる「被害者の会」が6日、甲府市に対し事件の原因究明するための調査委員会設置を求める署名を提出した。
 被害者の会のメンバーや弁護士は同日、宮島市長と面会し1万893人分の署名を提出した。甲府市と病院は安全管理体制を検証する「第三者委員会」を設置しているが、被害者の会は事件の原因究明が不十分だとして調査委員会の設置を求めている。
 要請に対し宮島市長は、関係資料が警察に押収されているため原因究明は難しいとし、調査委員会の設置は今後検討すると述べるに留めた。
 被害者の会は会見で「病院や市の対応も形だけなのかと思う。時間がたつと記憶も薄れてしまうからしっかり調査してもらいたい」とした。被害者の会は今後も署名活動を続け、市や病院に原因究明を訴えていくとしている。
 事件をめぐっては県警が医師法違反の疑いで自殺した技師長補佐と部下の放射線技師を書類送検している。」



甲府市は捜査結果待ちですで動こうとしませんが,事実を究明し再発を防止するのは,本来,当事者(病院開設者である甲府市)の責務です.調査委員会設置を望みます,


毎日新聞「甲府病院の放射性医薬過剰投与:被害者の会、調査委設置求める 市に署名1万人分提出 /山梨」(2012年9月7日)は,次のとおり報じています. 
 
「甲府市立甲府病院(同市増坪町)が検査用の放射性医薬品を子供に過剰投与していた問題で、患者家族で作る「過剰投与内部被曝(ひばく)被害者の会」は6日、市役所相生仮本庁舎を訪れ、宮島雅展市長と市議会に対し、第三者による事故調査委員会の設置と真相究明を求めて集めた1万893人分の署名簿を提出した。

 署名活動は7月に始め、先月29日まで行われた。全署名のうち、県内在住者は9652人分だった。

 6日に市役所を訪れたのは、同会メンバー12人と浜野泰嘉弁護士ら。浜野弁護士から宮島市長に署名簿が手渡され、その後の面談は非公開で行われた。

面談後に記者会見した浜野弁護士によると、真相究明を求める同会に対し、宮島市長は「事件に関する資料が捜査当局に押収されており、検証するのは難しい」との認識を示したという。同会側は「資料がなくてもできることから進めてほしい」と求めた。会見に出席した母親の一人は「発覚からの1年間、何も変化はない。この先何年たってもどれだけ事態が変わるのか」と市や病院への不信感をあらわにした。」


「浜野泰嘉弁護士」は,「濱野泰嘉弁護士」が正しい表記です.
市立甲府病院被害対策弁護団(放射性医薬品過剰投与問題)だけではなく,医療問題弁護団,薬害肝炎弁護団,薬害対策弁護士連絡会,ビルマ難民申請弁護団,国籍確認訴訟弁護団などでもご活躍です.

【追記】

山梨放送「検査薬過剰投与 原因究明へ第三者委設置」(2013年5月16日)は次のとおり報じました.

「おおとし市立甲府病院で起きた放射性検査薬の過剰投与問題で、甲府市と病院が16日、第三者委員会を設置した。
 この問題は市立甲府病院がRI検査と呼ばれる核医学検査で、子ども84人に対し、学会が推奨する2倍~40倍の検査薬を投与していたもの。問題発覚後、市と病院側は事故調査委員会をつくり、放射線技師の過失と、病院の管理体制の不備を認めた。第三者委員会設置には消極的だったが、被害者家族の強い要請で委員会を設置した。
 メンバーは日本核医学会医師や弁護士ら5人。委員会は今後、病院が設置した事故調査委の検証の妥当性や、過剰投与の原因をあらためて検証し、年度内をめどに報告書をまとめる。」



谷直樹

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by medical-law | 2012-09-06 23:10 | 医療事故・医療裁判