弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 09月 12日 ( 3 )

原発事故後1年間の飲食物で東京都に住む乳幼児10万人当たり2~3人の確率で甲状腺がんになる?

飲食物由来の放射性ヨウ素およびセシウムによる東京都民への曝露量と発がんリスクの推定」が発表されました.
東京電力福島第1原発の事故後1年間に摂取した飲食物による内部被ばくで、東京都に住む乳幼児10万人当たり2~3人の確率で甲状腺がんになる,とのことです.

「東京大学 生産技術研究所の沖大幹教授と東京大学 総括プロジェクト機構 「水の知」(サントリー)総括寄付講座の村上道夫特任講師の研究チームは、地域別・日別、飲食物グループ別の放射性物質濃度、各地域から東京への飲食物の入荷量、各飲食物の平均摂取量から、都民への飲食物由来の放射性ヨウ素および放射性セシウムの曝露量を算出した。東日本大震災に伴い、福島原子力発電所から放射性物質が放出され、飲食物由来の放射性物質の曝露に伴う健康影響が懸念されている。本研究により、東京都民への放射性物質の曝露量を飲食物の種類別に経時的に定量化することができた。その上で、出荷制限および東京都による乳児へのボトル飲料水配布といった対策による曝露量の削減効果を推定した。さらに、飲食物由来の放射性物質の摂取に伴う発がんリスク注1)の推定を行い、その他の環境汚染物質、自然由来の放射性物質の曝露に伴うリスクや事故や病気による年間死亡者数と比較することで、リスクを分かりやすく提示することができた。」ということなのですが・・・

東京都に住む乳幼児10万人当たり2~3人の確率で甲状腺がんになる,というのは,過小見積りではないでしょうか.前提となる数字のとりかたで変わってくると思いますが,専門家による議論を期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2012-09-12 09:35 | 脱原発

国立病院機構東京医療センター,北杜夫さんの遺族に謝罪

スポーツ日本「北杜夫さん遺族に病院謝罪 「腸閉塞」診断も窒息死か」(2012年9月11日)は,次のとおり報じています.
 
「作家の北杜夫さんが昨年10月に84歳で亡くなった際、搬送先の国立病院機構東京医療センター(目黒区)で死因を「腸閉塞(へいそく)」と診断されたが、嘔吐(おうと)物を喉に詰まらせた窒息死だった可能性があることが分かった。

 同センターは、説明が不適切だったために遺族が病理解剖を断る結果になったとして謝罪した。北さんは昨年10月23日、吐き気などがあったため救急車で搬送。いったんは「緊急性はない」とされたが、翌日未明に容体が急変し、死亡が確認された。当直医は「腸閉塞による敗血症性ショック」としたが、吐いた跡もあった。遺族は当直医から「解剖すると葬儀までに自宅に帰れなくなる」「胸をガッと開けることになる」と説明を受けて解剖を断念。「解剖しないよう誘導された気がした。入院時に“吐くことがあるので気を付けてください”と伝えていたのに。悔やんでも悔やみきれない」と話している。」


日本医療安全調査機構は,診療行為に関連した死亡について,死因究明及び再発防止を目的として,中立的な立場で,解剖,分析,検証を行っています.

現在10地域(北海道,宮城県,茨城県,東京都,新潟県,愛知県,大阪府,兵庫県,福岡県,佐賀県)で,このモデル事業が実施されています。

北杜夫さん(本名斎藤宗吉さん)が亡くなったのは東京都内ですから,モデル事業の事務局(東京地域事務局TEL:03-3434-3670 月~金曜日9:00~17:00)に電話すれば,死因究明及び再発防止を目的として,中立的な立場で,解剖,分析,検証が行われたのです.

谷直樹

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by medical-law | 2012-09-12 01:34 | 医療事故・医療裁判

鹿児島地裁平成24年9月11日判決,肝属郡医師会立病院の直腸穿孔死亡事案で請求認容(報道)

鹿児島読売テレビ「医療ミス訴訟 肝属郡医師会側に賠償命令」(2012年9月11日)は,次のとおり報じています.

「2003年8月、直腸がんを患った男性(当時54)が肝属郡医師会立病院で手術を受けた際、執刀医による手術器具の操作ミスで腸を損傷し、その後、腹膜炎を起こし死亡したとして、男性の家族が、病院を運営する肝属郡医師会と執刀医に対し約5500万円の損害賠償を求めていた裁判。

11日の判決で鹿児島地裁は、「執刀医が不用意に器具を接触させて腸に穴が空いた。これに対する適切な処置を講じなかった」と執刀医の過失を認定。
執刀医の過失と男性の死亡には因果関係があるとして、医師会側に慰謝料など約3900万円の支払いを命じた。

判決を受けて男性の次女は、「11日は父の命日だったので、良い判決が出たと報告したい」と述べた。
一方、肝属郡医師会立病院の中村幸夫事務長は、「状況がまだ把握できていないので、今後、弁護士と相談したい」としている。」


私も同様の穿孔事案を担当していますので,判決が公刊されたら,よく読んでみたいと思います.

【追記】
毎日新聞「医療ミス:肝属郡医師会に3870万円支払い命令??地裁判決 /鹿児島」(2012年9月12日)は,次のとおり報じています.

「肝属郡医師会立病院(錦江町)で手術を受けた男性(当時53歳)が死亡したのは、医師が適切な処置を怠ったのが原因として、遺族が同医師会などを相手に損害賠償を求めた訴訟で、鹿児島地裁は11日、医師会側の過失を認め計約3870万円と年5%の遅延損害金の支払いを命じた。

 判決によると、同病院の医師(54)は03年8月27日、男性の直腸がん手術をした際、手術器具で腸管を傷付けて穴を開けたにもかかわらず、穴を縫合するなど適切な処置を行わなかったため、腹膜炎を発症させ死亡させた。

 久保田浩史裁判長は「合併症を起こす可能性は予見できた」と判断。病院側の「腸管の穴は手術中にできたものではない」との主張を退けた。【垂水友里香】」


毎日新聞「錦江の医療損賠訴訟:医師会側が控訴 手術後に死亡、遺族が訴訟」(2012年09月26日)は,次のとおり報じています.

「錦江町の肝属郡医師会立病院で03年、手術を受けた男性患者(当時53歳)が死亡したのは、医師の過失が原因として遺族が医師会などを相手に損害賠償を求めた訴訟で、医師会側は25日、医師の過失を認めた鹿児島地裁判決を不服として、福岡高裁宮崎支部に控訴した。

 1審判決は、03年8月、同病院で直腸がんの手術を受けた男性患者が死亡したのは「医師20+件(54)が手術器具で男性患者の腸管を傷つけ、腹膜炎を発症させたことが原因」と過失を認め、医師会側に計約3870万円の支払いを命じた。」


 高裁の判断がどうなるか,注目したいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-09-12 00:54 | 医療事故・医療裁判