弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 11月 02日 ( 3 )

ハンセン病非入所者の84%未提訴(琉球新報)

琉球新報「ハンセン病非入所者、和解期限迫る 県内84%未提訴」(2012年10月28日)は次のとおり報じました.


「ハンセン病で療養所に入所せずに治療を受けた「非入所者」が裁判所に提訴し、国と和解を受けることのできる「請求権」が2016年までと迫っているが、県内の非入所者約528人(推定死亡者136人を除く)のうち84%に当たる444人が裁判所に提訴していないことが27日までに分かった。ハンセン病への啓発活動などを行っている県ゆうな協会が9月末現在の人数を調べた。非入所者の多くが、いまだ続く社会からの差別や偏見を恐れ、提訴に踏み切れない実態が浮き彫りになった。

 県ゆうな協会の小渡有明理事長は「非入所者は病だったことを誰にも語れず一人で悩みを抱え、情報も入ってこない状況がある。提訴することで肉親や他人に病気を知られ差別や偏見に遭うことを恐れて諦める人も少なくない」と原告になりづらい背景を説明した。

 ことし7月には、県内の非入所者の元患者が初めて那覇地裁に提訴、和解した。ハンセン病元患者の救済活動に取り組んでいるハンセン病違憲国家賠償訴訟の弁護団は元患者から相談を受け、提訴要件を満たせば順次提訴していく方針だ。同訴訟弁護団の国宗直子弁護士は「入所者や退所者のほとんどは和解に至っているが、非入所者は連絡がつかないケースが多く、支援制度を知らない人がたくさんいる」と指摘した。

 同訴訟での国との合意により、16年までに提訴すれば支援制度を受けることができる。らい予防法廃止の1996年から20年間が期限。非入所者を対象にした「非入所給付金制度」は月額4万8500円の支給で、収入に応じて減額はあるが、生活保護や非課税対象者へは加算金もある。
 同訴訟では、2001年に熊本地裁で国の隔離政策は違憲とされ、国は和解に乗り出し、療養所入所者や入所歴のある人と和解合意した。その後、02年に非入所者や提訴前に死亡した人の遺族と和解した。県内の非入所者はこれまでに84人が和解した。県ゆうな協会は「相談でもかまわないので連絡してほしい」と呼び掛けている。(池田龍矢)」


ハンセン病非入所者の未提訴問題を報じた記事がありました.
国が賠償せずにそのままになっていていることが少なくないのです.

ちなみに,弁護士国宗直子先生(菜の花法律事務所)は,沖縄ではなく,熊本県弁護士会の所属です.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-02 05:42 | 医療

「COPD啓発プロジェクト」

「COPD啓発プロジェクト」が発足し,COPDの認知度をまず5年間で認知度50%を目指し,22年度までに80%に引き上げるためも,一般国民と医療従事者の双方に対して啓発活動を行う,と報じられています.

CBニュース「COPD、まず5年で認知者5割が目標- 医師らが啓発プロジェクト」(2012年10月30日)は,次のとおり報じています.

「COPDは、たばこの煙などが原因の肺の炎症性疾患。会見で、発起人代表の永井厚志・日本呼吸器学会COPDガイドライン作成委員長は、同疾患で毎年1万5000人以上が亡くなっていることや、現在の患者数は700万人と推計されていることなどを説明した。ただ、重症化するまでは咳や痰などの症状から別の病気と診断されることも多く、現在治療中の患者数は20万人程度にとどまっているという。」

タバコとCOPDは切っても切れない関係にありますから,もっとタバコとCOPDの関係を前面にだしてほしいと思います.
タバコによってCOPDになり,COPDによって毎年1万5000人以上が亡くなっている,とタバコの外箱に,記載すると,よい啓発になるでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-02 05:27 | タバコ

日本医師会,診療に関連する予期しない死亡の原因究明の在り方でプロジェクト委員会設置へ

CBニュース「診療関連死の原因究明、医療界の意見集約へ- 日医、早急に委員会立ち上げ」 (2012年10月31日)は,次のとおり報じています.

「診療に関連する予期しない死亡の原因究明の在り方をめぐり、医療界の意見を集約するため、日本医師会(日医)はプロジェクト委員会を早急に立ち上げる方針だ。31日の記者会見で横倉義武会長が明らかにした。

 これまでに日医の「医療事故調査に関する検討委員会」が取りまとめた提言では、医療には予測不可能なことが多いとして、医療事故の原因を医療者が分析・検討することが事故の再発防止につながるなどと指摘。原因究明のための医療関係者による第三者機関の創設などを求めた。日医では、この提言をベースに、医療界としての意見集約を目指して調整を続けてきたという。

 同日の会見で横倉会長は、医療界としての意見が徐々にまとまりつつあるとの認識を示した。さらに、「(プロジェクト委で)できるだけ早く医療界の総意になるような形を作り上げて、法曹界、国民の理解を得ていきたい」と述べた。【佐藤貴彦】」


医療事故の原因を分析・検討することが事故の再発防止につながる,これは確かです.
診療に関連する予期しない死亡の原因究明の在り方をめぐるプロジェクト委員会に,期待いたします.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-02 05:08 | 医療事故・医療裁判