弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 11月 08日 ( 3 )

藤本事件(菊池事件),全国ハンセン病療養所入所者協議会らが検察庁に再審請求を求めるよう要請(報道)

熊本日日新聞「検察に再審請求要請 ハンセン病元患者死刑事件」(2012年11月7日)は,次のとおり報じています.

「県内のハンセン病元患者の男性が殺人罪に問われ、無実を訴えながら1962年に死刑になった「藤本事件」をめぐり、全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)など3団体が7日、検察官が再審請求するよう求める要請書を熊本地検に提出した。検察への再審請求の要請は極めて異例。裁判手続きの憲法違反を理由の柱に、検察に「法曹としての責務を果たしてほしい」と求めている。

 要請書は、ハンセン病患者への差別・偏見から、男性の裁判が菊池恵楓園(合志市)内などの特別法廷で実質的に非公開であり、ずさんな弁護で審理されるなど、複数の憲法違反を指摘。「国の隔離政策に加担した司法の責任が端的に問われるべき事件」として、再審の必要性を訴えている。

 請求の趣意書では、有罪の根拠となった関係者の証言の信用性など、確定判決の証拠上の問題点も指摘した。

 男性の死刑執行から50年を迎えるのを機に、熊本や大分の弁護士17人が弁護団を結成。再審請求を目指してきたが、遺族が消極的なため検察に要請した。要請書は3団体の連名で、小津博司検事総長宛て。3団体の代表と弁護士2人が熊本地検を訪れ、提出した。

 男性は県内の村の元村職員方にダイナマイトが投げ込まれた事件で有罪判決を受け、控訴中だった52年6月、菊池恵楓園内の拘置所から逃走。翌月、元職員が刺殺体で見つかり、男性が殺人容疑などで逮捕された。

 男性をハンセン病患者と県に報告した元職員への逆恨みが動機とされ、57年に死刑判決が確定。62年9月に3度目の再審請求が棄却された翌日、死刑が執行された。(小林義人)」


昭和37年に死刑が執行された藤本事件(菊池事件) は,検察官が自ら再審請求を行うしか再審請求の方法がない状況です.

「ハンセン病問題に関する検証会議 最終報告書」の 「第3 藤本事件の真相」ご参照

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-08 06:12 | 司法

「最後の一人まで面倒をみる」は,嘘だったのでしょうか?

11月5日に科学技術館で開かれた 「いまハンセン病療養所のいのちと向き合う!-実態を告発する市民集会」について,東京新聞群馬版「回復者の介護充実を「差別の歴史で障害重く」 ハンセン病療養所改善求め、東京で集会」(2012年11月7日) が,次のとおり報じています.
 
「全国のハンセン病関連団体などで組織する「ハンセン病療養所の将来構想をすすめる会」の主催。十三カ所ある国立療養所などから回復者や職員らと、県内の支援者三十人以上を含む計約四百八十人が来場した。

 谺さんは「(戦時中などに極寒の草津で)燃料節約のため、患者が炭やまきを運ぶ強制労働をさせられた。元から病気なのだから障害が重くならないわけがない」と指摘。

 「国の政策のせいで車いす生活になった。それなのに、(暑い日も寒い日も)風呂は一週間に三回。あまりにひどい。これでいいのか。なんとか援助を」と声を張り上げた。

 続いて、戦時中に病気が遺伝すると誤解され、強制堕胎(だたい)の際に目の前でわが子を殺された星塚敬愛園(鹿児島県)の玉城シゲさん(94)が登壇した。

 玉城さんは「人間として子どもを育てられず、女として生きる値打ちがないとされた。犬猫に劣る生活を強いられた上で(今の介護が不十分な生活では)死ぬに死ねない。(国に改善を求めて)ハンスト(ハンガーストライキ)をやりたい」と決意を語った。

◆職員数1割減る 全国
 国はハンセン病患者に長年不条理な強制隔離政策を続けたが、二〇〇一年に国家賠償訴訟に敗訴して「最後の一人まで面倒をみる」と約束。しかし、国は〇九年、国家公務員を五年で一割以上削減すると決め、全国の療養所職員数は〇七年から約一割減少して計約三千四百人となった。

 全国の療養所にいる回復者は約二千百人。平均年齢は八十二歳で、食事などに介助が必要な人は26%、認知症の人は22%、寝たきりの人は9%いる。

 食事の介助が不十分なために、のどに食べ物を詰まらせたのが原因で亡くなる人が増え、夜中にトイレに行く際に人員不足から職員が間に合わず、転倒して骨折する人も多い。

 栗生楽泉園では、回復者が百十五人おり、平均年齢は八十三歳。年間平均で十数人、この四カ月では七人亡くなった。

 同園の職員定員は二百十四人のところ、在籍は百八十六人。常勤の医師が二人、看護師が二十一人不足している。職員は三月に約十人退職し、四月の採用は四人にとどまった。」


高齢化する入所者に対し,職員数を減らし経費節減,というのは,あまりにも不合理です.国は,人権侵害の強制隔離政策を真に反省しているのでしょうか?

厚生労働省大臣の「ハンセン病問題対策協議会における確認事項」(平成13年12月15日)では、「13の国立ハンセン病療養所入所者が在園を希望する場合には、その意思に反して退所、転園させることなく終生の在園を保障するとともに、社会の中で生活するのと遜色のない水準を確保するため、入所者の生活環境及び医療の整備を行うよう最大限努める」とされました.この「最後の一人まで面倒をみる」は,嘘だったのでしょうか?

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-08 05:36 | 医療

国家公務員共済組合連合会 東京共済病院,前シーズンの規格のインフルエンザワクチンを接種(報道)

東京共済病院は,2012年11月6日,「インフルエンザワクチンの接種を受けられた方へお詫びと再接種のご案内」 をホームページに掲載しました.

「先般インフルエンザワクチンの接種を受けられました方の一部(平成24年10月1日から平成24年10月26日に接種されたワクチン)に、前シーズンの規格で製造されたワクチンを使用してしまったことが判明いたしました。誠に申し訳ございませんでした。接種されました皆様に深くお詫びするとともに、料金のご返金ならびに再接種を無料でお受けいただきたくご案内いたします。
インフルエンザワクチンは、数年ごとにウイルスの株を見直して製造されます。過去2年間は変更がありませんでしたが、今シーズンは株の一部が変更されております。使用されたワクチンの品質管理、有効期限に問題はありませんが、今後の流行によっては、今シーズンの製品とは効果に若干の相違が出る可能性があります。」


読売新聞「去年のインフルワクチン、200人以上に接種」(2012年11月7日)は,次のとおり報じています.

「同病院では「有効期限内で品質管理に問題はなく、故意の不正使用ではない」としているが、目黒区保健所は「去年用のワクチンを使用するのは好ましくない」として調査している。厚生労働省結核感染症課は「65歳以上の人など定期接種をしている人には今シーズン用のワクチン使用が望ましい」としている。」

もちろん故意ではないでしょうが,どうしてこのようなことになったのか,きとんと解明していただきたいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-08 05:08 | 医療事故・医療裁判