弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 11月 09日 ( 4 )

11月10日「患者も医療者も幸せになれる医療をめざして」

基調報告は,日本医師会常務理事の今村定臣氏と,薬害オンブズパースン会議代表で弁護士の鈴木利廣氏です.
日時 2012年11月10日14時~17時
場所 ガスホール(福岡市博多区千代1?17?1パピヨン24,地下鉄千代県庁口駅直結)

詳しい内容は,小林洋二先生が書いた九州合同法律事務所のブログ

【追記】

11月10日の医療基本法シンポジウムについて,西日本新聞「医療基本法制定へ理解を オンブズマンや医師会などシンポ 「患者の権利守れ」(2012年11月30日)は,次のとおり報じました.

「「患者の権利」擁護を中核とする「医療基本法」の制定に向けたシンポジウムがこのほど、福岡市博多区のパピヨン24ガスホールであった。NPO法人「患者の権利オンブズマン」(福岡市)や福岡県医師会、薬害オンブズパースン会議(東京)などでつくる実行委員会が主催し、約120人が集まった。

 はじめに、日本医師会の今村定臣常任理事が、同会の医事法関係検討委員会で3月にまとめた「『医療基本法』の制定に向けた具体的提言」に関して報告。提言がまとめられた経緯について(1)委員会が「医療を取り巻く法律や通達のほとんどが、医療提供者を規制することを目的としたもので、信頼関係を目指すべき医師・患者関係を阻害しており、見直しが必要」と考えた(2)その後、委員会は、患者中心の医療を進めるためにどのような法制度が望ましいかということを中心に検討を始め、その過程で医療に関する基本法が必要との議論に発展した-などと説明した。

 続いて、薬害オンブズパースン会議代表の鈴木利廣弁護士が「患者の権利」について解説。この権利には、最善の医療を受ける権利▽個人の尊厳が守られる権利▽インフォームドコンセントに象徴される「知る権利と自己決定権」▽被験者の権利(臨床研究における患者の権利)▽被拘禁者の権利(認知症患者など、身体拘束を受ける患者の人権)▽医療被害の回復救済を求める権利-の六つがあるとし「こうした患者の権利を土台にしながら医療制度を再構築していくことが必要」と話した。

 シンポでは、各政党とも医療基本法の成立に前向きな印象はあるものの、審議に向けた動きが見えないことも話題に。医療過誤原告の会(東京)の石政秀紹さんは「国会議員は医療基本法の重要性をちゃんと理解していないのではないか」と指摘し、制定に向けて市民側に理解を広めていこうと呼び掛けた。」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-09 05:07 | 医療

11月11日「医療被害者交流会in岡山」

MSN産経「1人で苦しまないで 医療事故被害者ら情報共有 岡山」(2012年11月9日)は,次のとおり報じています.
 

「医療事故の被害者や家族らが集まり、苦しみや現状を共有する「医療被害者交流会in岡山」が11日、岡山市北区の岡山シティホテル桑田町で開かれる。主催者の1つ「医療の良心を守る市民の会」(千葉県)によると、中四国地方では初開催。永井裕之代表は「1人で苦しんでいる被害者らが助け合える横のつながりを作りたい」としている。

 同会などによると、国内の医療事故による死者は年間2万~3万人に上るとされるが、病院側が情報を隠して責任を回避する例もあるという。原因究明や再発防止のため、厚生労働省は現在、中立的立場の「医療事故調査機関」の設立を検討しており、早期設立を求める声があがっている。

 永井代表の妻は平成11年2月、点滴時に消毒薬を誤投与され、急死した。中四国地方にも多くの医療事故の被害者がいるとみられるが、これまで集まって情報を共有する機会がなかったため、同会と「医療過誤原告の会」(東京都)が初めて交流会を企画した。

 参加者の対象は中四国か関西在住で、医療事故の被害者やその家族。永井代表らがコーディネーター役を務め、参加者に経験や現状などを語ってもらい、アドバイスする。

 午後1~4時半で事前申し込みは不要。参加無料。また、交流会に先立って午前10時半から、JR岡山駅前で「医療事故調査機関」の早期設立を求める署名活動を行う。問い合わせは永井代表((電)047・380・9806)。」


日時  11月11日(日)13時~16時30分
場所  岡山シティーホテル3F会議室
内容  医療事故被害者をめぐる情勢(宮脇正和・原告の会々長)
    医療事故調査制度づくり検討状況(永井裕之・医療の良心を守る市民の会代表)
     医療被害者から報告・交流
参加費  無料、 事前申し込み 不要



谷直樹

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by medical-law | 2012-11-09 04:49 | 医療事故・医療裁判

仏の研究,イチョウ葉エキスのアルツハイマー病の進行抑制に対する有効性認められず

厚生労働省のサイトに「イチョウ葉エキスの有効性および安全性」が掲載されています.

「EGb761は脳血管型およびアルツハイマー型、両方の痴呆症の症状を改善することが数多くの臨床試験で報告されています」
「健康食品に利用されている素材の中で、イチョウ葉エキスについてはかなり学術論文があり、その有効性と安全性が明らかになっています。しかし、それらの研究は、医薬品グレードのイチョウ葉エキスを利用した研究結果であり、市場に存在するイチョウ葉エキス関連商品で同等の効果があるとは言えません。
さらに、ある薬理作用があるということは、過剰に摂取すれば、別の望まない効果が発現することが当然予想できます。イチョウ葉エキスを適切に利用する上でのポイントは、1)規格基準があり、その製品の品質に問題がなく、安全性がある程度把握できるものを利用すること、2)効果をあまりにも期待して過剰に摂取しないこと、3)疾病があり、医薬品を用いた治療を行っている人は、医薬品を用いた治療を優先させ、また医師等の専門家の助言を受けることです。
このような点に注意してイチョウ葉エキスを利用すれば、多くの臨床試験結果から推定できるように有効に活用することができると思われます。」


微妙な言い回しですが,医薬品グレードのイチョウ葉エキス EGb761については有効に活用することができると,限定的ですがお墨付きを与えているのようです.
医薬品として厚労省が承認していないイチョウ葉エキス EGb761について,科学的根拠が十分ではないのに,厚労省のサイトに,「有効に活用することができると思われます」と掲載するのは,消費者に誤解を与えるのではないかと疑問を感じます.

これに対し,フランス国立医学研究機構(INSERM)のBruno Vellas氏らは記憶障害のある70歳以上の高齢者2,854人を,医薬品扱いのイチョウ葉エキス「EGb761」(1日120ミリグラム)またはプラセボ(偽薬)を5年間投与する群にランダムに分け,アルツハイマー病の進行抑制に対する有効性を評価しました.その結果,統計学的に意義のある差は認められなかった,と報告しています(Lancet Neurology,2012; 11: 851-859).


Long-term use of standardised ginkgo biloba extract for the prevention of Alzheimer's disease (GuidAge): a randomised placebo-controlled trial.

Abstract

BACKGROUND:

Prevention strategies are urgently needed to tackle the growing burden of Alzheimer's disease. We aimed to assess efficacy of long-term use of standardised ginkgo biloba extract for the reduction of incidence of Alzheimer's disease in elderly adults with memory complaints.

METHODS:

In the randomised, parallel-group, double-blind, placebo-controlled GuidAge clinical trial, we enrolled adults aged 70 years or older who spontaneously reported memory complaints to their primary-care physician in France. We randomly allocated participants in a 1:1 ratio according to a computer-generated sequence to a twice per day dose of 120 mg standardised ginkgo biloba extract (EGb761) or matched placebo. Participants and study investigators and personnel were masked to study group assignment. Participants were followed-up for 5 years by primary-care physicians and in expert memory centres. The primary outcome was conversion to probable Alzheimer's disease in participants who received at least one dose of study drug or placebo, compared by use of the log-rank test. This study is registered with ClinicalTrials.gov, number NCT00276510.

FINDINGS:

Between March, 2002, and November, 2004, we enrolled and randomly allocated 2854 participants, of whom 1406 received at least one dose of ginkgo biloba extract and 1414 received at least one dose of placebo. By 5 years, 61 participants in the ginkgo group had been diagnosed with probable Alzheimer's disease (1·2 cases per 100 person-years) compared with 73 participants in the placebo group (1·4 cases per 100 person-years; hazard ratio [HR] 0·84, 95% CI 0·60-1·18; p=0·306), but the risk was not proportional over time. Incidence of adverse events was much the same between groups. 76 participants in the ginkgo group died compared with 82 participants in the placebo group (0·94, 0·69-1·28; p=0·68). 65 participants in the ginkgo group had a stroke compared with 60 participants in the placebo group (risk ratio 1·12, 95% CI 0·77-1·63; p=0·57). Incidence of other haemorrhagic or cardiovascular events also did not differ between groups.

INTERPRETATION:

Long-term use of standardised ginkgo biloba extract in this trial did not reduce the risk of progression to Alzheimer's disease compared with placebo.」


健康百科「イチョウ葉エキスでアルツハイマー病の進行抑えられず」(2012年11月7日)ご参照


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-09 04:32 | 医療

GARFIELDの解析,管理不十分な抗凝固治療で心房細動患者のリスク増大

GARFIELD(the Global Anticoagulant Registry in the FIELD)は,心房細動患者55000例を登録し観察する,世界規模の前向きコホート研究です.日本の施設も参加しています.

Heart Association Scientific Sessions(米国心臓病協会学術集会)でのGARFIELDの解析報告によると,ビタミンK拮抗剤(ワーファリン)のガイドラインでの推奨と臨床医療の実際の管理状況との間のギャップがあること,および抗凝固治療で不十分な管理を受けた患者の死亡率が高いこと等が伝えられています.
ワーファリンを投薬しながら,PT-INRを適切にコントロールしていない例が少なくないという報告は重大です.

共同通信PRワイヤー「管理不十分な抗凝固治療で心房細動患者のリスク増大」(2012年11月8日)は,次のとおり,伝えています.

「観察された9971人の患者のうち5724人(57%)だけがビタミンK拮抗剤(VKA)による治療を受けた。これらの患者のうち57%は効果的な治療を受けず、血液が凝固するまでの時間を測定する国際正常化率(INR)の管理が不十分だった。」
「VKA治療を受けた患者の間では効果的な抗凝固治療管理を受けた患者と不十分な管理を受けた患者の結果は年間の死亡率が0.86%対1,72%、年間の脳卒中/SE発症率が0.86%対1.34%だった。」

「 ハーバード・メディカル・スクール内科教授、ブリガム女性病院上級スタッフ心臓専門医で、GARFIELD運営委員会メンバーであるサムエル・Z・ゴールドへーバー博士は「死亡率とSFからの脳卒中率の高さがこの現実生活コホートで強調されている。GARFIELDは抗凝固治療のガイドラインと現実の臨床行為の間にはおおきなギャップが残っているというメッセージをわれわれに提供している。難しいのは臨床医の教育、AF患者の脳卒中を予防する実証済みの手段の実行に対するわれわれの努力を倍増することである」と語っている。」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-09 03:22 | 医療