弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年 11月 28日 ( 1 )

鶴岡市立荘内病院,術後の肺水腫に気付くのが遅れ死亡した事案で和解(報道)

さくらんぼテレビ「荘内病院が患者の遺族に損害賠償へ」(2012年11月26日)は,次のとおり報じました.

「患者が死亡したのは病院側に落ち度があった。鶴岡市が遺族に損害賠償することになった。

去年9月荘内病院で、緊急手術を受けた50代の男性がその後死亡した。病院側は対応の不備を認め遺族に約4000万円の示談金を支払う方針を決めた。

荘内病院によると去年9月下旬、鶴岡市内に住む50代の男性がくも膜化出血で救急搬送されてきた。緊急手術を受けその後は会話や食事も普通に取れるまで回復したが容態が急変し死亡したという。

患者の死亡を受け病院側は医療事故調査委員会に要請し死亡の経緯を調べていた。

その結果、調査委員会は患者の死亡原因は手術後に引き起こした肺水腫に気付くのが遅れた病院側にあると結論付けた。これを受け病院側は遺族に対し謝罪するとともに、約4000万円の示談金を支払うことを決め鶴岡市の12月補正予算に追加計上している。

病院側は「あってはならないことで全力で再発防止に努めたい」とコメントした。」


以前,医療法人社団清心会桜井病院でおきた,平成17年の子宮収縮抑制剤「塩酸リトドリン」による肺水腫死亡事故(咳や頻呼吸の症状がありながら肺水腫に気づきませんでした.)で,奈良地裁において平成23年5月17日に4000万円を支払うことで和解したことが報じられていましたが,本件も同様に肺水腫に気付くのが遅れた事案です.横浜地裁川崎支部平成16年12月27日判決(判時1910号116頁)も,重度の卵巣過剰刺激症候群に罹患し肺水腫で死亡した事案で,容態観察義務違反を認めています.ただし,控訴審(東京高裁平成21年11月18日判決)は患者側の逆転敗訴になっています.また,卵巣過剰刺激症候群患者がアルブミン製剤の過剰投与による肺水腫で死亡した事案で,新潟地裁平成14年9月13日判決は一部認容しています.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-28 00:01 | 医療事故・医療裁判