弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 01月 17日 ( 2 )

歌会始の儀の報道に接し一首

昨日の「歌会始の儀」の御題は「立」でした.立法,立憲,三権分立,申立ての立です.

東京新聞「皇居で歌会始の儀」(2013年1月16日)は,次のとおり伝えました.

「天皇陛下は昨年十一月に訪問した沖縄県で恩納村の景勝地・万座毛を視察した際、この地と恩納岳が琉歌に取り上げられてきた十八世紀の琉球王朝の時代に思いをはせて、歌を詠まれた。

 琉歌は、沖縄、奄美諸島などに伝承され、「八・八・八・六」の三十音を基調に表現する歌謡。陛下は、戦時中の沖縄の苦難を重く受け止めて戦没者慰霊に力を尽くしているが、皇太子時代から琉歌を自ら詠むなど、沖縄の文化にも強い関心を寄せてきた。

 皇后さまの歌は、昨年二月に心臓の冠動脈バイパス手術を受けた陛下の回復を願って詠まれた。手術後も胸に体液がたまるなど陛下の体調がなかなか戻らなかったとき、皇后さまは医師の「春になれば」との言葉を頼りにしてきたが、空気に春の気配を感じたある日、陛下が元気に春の野に立つ日も近い、と心をはずませた思いを込められた。

 皇太子さまは、母校であり、今は長女愛子さまが通う学習院初等科に立つ大きなイチョウを見て、この木に見守られて育った子どもたちが多いことへの感慨を詠んだ。皇太子妃雅子さまは欠席したが、愛子さまが生まれた日が十五夜の二日後の十七夜だったことを後に知り、その夜の光景を懐かしく思い起こして歌にした。」


天皇陛下

 万座毛(まんざもう)に昔をしのび巡り行けば彼方恩納(あがたおんな)岳さやに立ちたり

皇后陛下

 天地(あめつち)にきざし来たれるものありて君が春野に立たす日近し

皇太子殿下

 幾人の巣立てる子らを見守りし大公孫樹の木は学び舎に立つ

皇太子妃殿下

 十一年前吾子の生れたる師走の夜立待ち月はあかく照りたり

秋篠宮文仁親王殿下

 立山にて姿を見たる雷鳥の穏やかな様に心和めり

秋篠宮紀子妃殿下

 凜として立つ園児らの歌ごゑは冬日の部屋にあかるくひびく

常陸宮華子妃殿下

 蕗のたう竹籠もちて摘みゆけばわが手の平に香り立ちきぬ

三笠宮百合子妃殿下

 俄かにも雲立ち渡る山なみのをちに光れりつよき稻妻

▽召人

岡野弘彦さん

 伊勢の宮み代のさかえと立たすなり岩根(いはね)にとどく心(しん)のみ柱

▽選者

岡井隆さん

 やうやくに行方見え来てためらひの泥よりわれは立ち上がりたり

篠弘さん

 ゆだぬれば事決まりゆく先見えて次の会議へ席立たむとす

三枝昂之さん

 すずかけは冬の木立に還りたりまた新しき空を抱くため

永田和宏さん

 百年ばかり寝すごしちまつた頸(くび)を立て亀は春陽に薄き眸(め)を開(あ)く

内藤明さん

 遠き日の雨と光を身に湛へ銀杏大樹はビルの間に立つ

▽入選者(年齢順)

北海道 佐藤マサ子さん

 羽搏きて白鳥の群れとび立てり呼び合ふ声を空へひろげて

埼玉県 若谷政夫さん

 ほの白く慈姑(くわゐ)の花の匂ふ朝明日刈る稻の畦に立ちをり

静岡県 青木信一さん

 自画像はいまだに未完立て掛けたイーゼル越しの窓が春めく

新潟県 宮沢房良さん

 何度目の雪下しかと訊ねられ息をととのへ降る雪に立つ

群馬県 鬼形(おにかた)輝雄さん

 いつせいに蚕は赤き頭立て糸吐く刻をひたすらに待つ

新潟県 高橋健治さん

 吹く風に向へば力得るやうな竜飛岬の海風に立つ

福島県 金沢憲仁さん

 安達太良の馬の背に立ちはつ秋の空の青さをふかく吸ひ込む

栃木県 川俣茉紀(まき)さん

 ネクタイをゆるめず走る君の背を立ち止まらずに追ひかけるから

大阪府 瀬利由貴乃さん

 人々が同じ時間に立ち止まり空を見上げた金環日食

東京都 太田一毅さん

 実は僕家でカエルを飼つてゐる夕立来るも鳴かないカエル



小職も一首よんでみます.

  煙立つ露台のタバコそらにみつやまとの国の裁は許さじ

    ※ 「立つ」は「裁つ」の掛詞.「そらにみつ」は「やまと」の枕詞.

谷直樹

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by medical-law | 2013-01-17 13:33 | タバコ

厚労省,医療対話推進者の業務指針及び養成のための研修プログラム作成指針

厚生労働省医政局総務課長は,平成25年1月10日医政総発0110第3号「「医療対話推進者の業務指針及び養成のための研修プログラム作成指針-説明と対話の文化の醸成のために-」の送付について」を発しました.
患者・家族支援(相談・苦情)窓口が本当に機能するためには,患者・家族支援体制の構築が重要で,そのためには担当者の研修が必須です.

通知(PDF:115KB
「今般、平成24年度厚生労働科学特別研究事業「医療対話仲介者(仮称)の実態把握と役割・能力の明確化に関する研究」(研究代表者:中京大学法科大学院 稲葉一人)において、医療機関内で患者・家族と医療従事者との十分な対話や意思疎通が円滑に行われるための支援を行う者の業務の指針とその養成のための研修プログラムの作成指針を定めた「医療対話推進者の業務指針及び養成のための研修プログラム作成指針―説明と対話の文化の醸成のために―」が作成されましたので、別添のとおりお知らせいたします。 貴職におかれましては、本指針の内容を御確認の上、本指針が幅広く活用されることにより、患者・家族と医療従事者の対話の促進が図られますよう、貴管内医療機関等に対し周知方お願いいたします。」

別添 医療対話推進者の業務指針及び養成のための研修プログラム作成指針-説明と対話の文化の醸成のために-(PDF:207KB

Ⅰ. 医療対話推進者の業務指針
Ⅱ. 医療対話推進者の養成のための研修プログラム作成指針

平成24年度厚生労働科学特別研究事業 「医療対話仲介者(仮称)の実態把握と役割・能力の明確化に関する研究班」 研究代表者 中京大学法科大学院教授 稲葉一人氏
分担研究者 社会福祉法人恩賜財団母子愛育会附属愛育病院 新生児科部長 加部一彦氏
分担研究者 公益社団法人地域医療振興協会 地域医療安全推進センター長 石川雅彦氏
分担研究者 国立保健医療科学院 上席主任研究官 種田憲一郎氏

Ⅰ. 医療対話推進者の業務指針

1. 医療機関における医療対話推進者の位置付け 医療対話推進者は、各医療機関の管理者から患者・家族支援体制の調整と対話促進の役割を果たす者として権限が委譲され、管理者の指示に基づき、医療安全管理者、医療各部門、事務関係部門と連携し、組織的に患者・家族からの相談等に対応することを業務とする者とする。

2. 本指針の位置付け 本指針は、患者・家族支援を行うことを業務とする医療対話推進者のための業務指針である。医療安全管理者については、「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針」(厚生労働省医療安全対策検討会議 医療安全管理者の質の向上に関する検討作業部会 平成19年3月)に示したところであって、本指針と相まって、医療安全管理業務と患者・家族支援業務を、各医療機関の規模や機能に応じて有機的に連動させるものと考える。

3. 医療対話推進者の業務 医療対話推進者は、医療機関の管理者から委譲された権限に基づいて、患者・家族支援に関する医療機関内の体制の構築に参画し、医療安全管理部門、医療各部門、事務関係部門や、各種委員会と連携しつつ、患者・家族から寄せられた相談等に対して、医療機関として組織的に対応する。また、患者・家族支援体制として、職員への教育・研修、事例の収集と分析、対策の立案、患者・家族からの相談等への対応を含めた体制作りに努める。これらを通じて、患者・家族支援体制を組織に根付かせ、医療機関において、医療者から患者・家族に説明を促し、患者・家族と医療者の対話を推進し、説明と対話の文化を醸成する。

1) 患者・家族支援体制の構築 患者・家族支援体制の構築としては、次のようなことがある。

(1) 患者・家族の利用しやすさに配慮した上で、医療機関内の患者・家族支援(相談・苦情)窓口の設置や改善に参画する。

(2) 患者・家族支援窓口が設置されていること及び患者・家族に対する支援のため実施している取組を、できるだけ見やすいところに掲示する、また、入院患者については、入院時に文書等を用いて患者・家族支援窓口について説明を行う。

(3) 以下のような患者・家族支援体制を整えること
① 患者・家族支援窓口において、相談や苦情の内容に応じて適切な職員(職種・職位、専門的知識等)が対応できる体制を整えること
② 患者・家族支援窓口と、医療機関の各部門が十分に連携していること
③ 医療機関の各部門において、患者・家族支援体制に係る担当者を配置していること
④ 患者・家族支援に係る取組の評価等を行うカンファレンスが週1回程度開催されており、必要に応じて各部門の患者・家族支援体制に係る担当者等が参加していること
⑤ 医療機関の各部門において、患者・家族等から相談等を受けた場合の対応体制及び報告体制をマニュアルとして整備し、職員に遵守させていること
⑥ 患者・家族支援窓口及び各部門で対応した相談の件数及び内容、相談後の取扱いの経過と結果、その他の患者・家族支援に関する実績を記録していること、また、医療安全管理対策委員会と十分に連携し、その状況を記録していること
⑦ 定期的に、患者・支援体制に関する取組の見直しを行っていること

2) 患者・家族支援体制に関する職員への教育・研修の実施 医療対話推進者は、職種横断的な患者・家族支援活動の推進や、部門を超えた連携を考慮し、職員教育・研修の企画、実施、実施後の評価と改善を行う。

(1) 研修は、職種横断的、部署・部門横断的で、職員の参加型研修となるように企画を行う。

(2) 研修は、具体的な事例を用いて対策を検討するよう企画する。

(3) 研修の実施には、患者・家族や各分野の専門家等が関わることが望ましい。

(4) 研修内容の例
① 患者・家族の相談や苦情に対応する際に求められる医療上の情報を学ぶ研修
② 患者・家族が不安や苦情を相談する際の心情への共感と対応を学ぶ研修
③ 医療事故に遭遇した患者・家族や関わった職員(当事者・関係者)の立場や心情への共感と対応を学ぶ研修
④ 患者・家族、医療者間での信頼関係を構築するための対話を促進する能力、コミュニケーション能力や人間関係を調整する能力の向上のための研修 ⑤ 職種や部門・部署が横断的にチームとして対応する能力を高める研修

(5)研修実施後は、研修担当者とともに、参加者の反応や達成度等について研修の評価を行い、改善を行う。

(6)患者・家族支援窓口に寄せられた相談や苦情、電話や投書等による相談や苦情の他、職員や医療機関についての満足度調査の結果等を、把握し問題点を検討し、これを研修の場での教育に反映させる。

3)患者・家族への一次対応としての業務 医療対話推進者は、患者・家族が安心して医療を受けられるよう、患者・家族からの相談等への一次対応として、院内各部署と連携のもと、以下の対応を行う。

(1) 患者・家族からの相談や苦情内容に応じた適切な対応を行う。
① 疾病に関する医学的な質問に関する相談に対応すること
② 生活上及び入院上の不安等に関する相談に対応すること
③ 医療者の対応等に起因する苦情や相談に対応すること

(2) 発生した医療事故や医療事故を疑った患者・家族からの申し出に対応すること

(3) 院内巡視などをした際など、上記以外の機会に患者・家族から寄せられた相談や苦情に適切に対応を行うこと

4)患者・家族からの相談事例の収集、分析、対策立案、フィードバック、評価

(1)患者・家族支援に関する情報収集 医療対話推進者は、患者・家族支援のための情報を収集するとともに、患者・家族支援に必要な情報を院内の各部署、各職員に提供する。情報としては、次のようなものがある。

【医療機関内の情報】
① 患者・家族からの相談や苦情 ・ 患者・家族支援窓口で直接対応した相談や苦情 ・ 外来診療や入院中の出来事に関する患者・家族からの相談や苦情 ・ 電話や投書等による相談や苦情 ・ 院内巡視の際等に、患者・家族から寄せられた相談や苦情
② 患者・家族の職員や医療機関に対する満足度調査等の結果
③ 各部門の担当者等から提供を受けた情報 【医療機関外の情報】 各種専門機関の情報、各種メディアの報道、研究報告等及び専門家からの情報

(2)相談や苦情事例の分析、対策立案、フィードバック 相談や苦情事例の分析は、医療対話推進者が中心となり、可能であれば、患者・家族の立場に立てるものの参加を得て行う。医療上のことだけではなく、法・倫理が問題となる事例、医療者が困惑した事例、患者・家族への説明や医療者間のコミュニケーションが問題となった事例等について分析し、再発防止に向けた対策を検討し、成果をまとめ、他の職員等と共有することが相応しい。

5)医療事故や、医療事故を疑った患者・家族からの申し出に関して対応すること 医療対話推進者は、医療事故が発生した場合、あるいは、医療事故を疑って申し出を受けた場合には、管理者からの指示を受け、医療安全管理者等と連携して患者・家族及び事故関係者の支援にあたる。事故によって生ずる患者・家族への影響や事故当事者及び関係者への影響拡大の防止を図るとともに、医療者からの説明を促し、患者・家族との対話の推進を図る。
① 患者・家族への事故の連絡や説明の実施
② 管理者や医療事故に関与した職員等から、患者・家族への説明する場の設営のための調整活動
③ 説明の場での話し合いの進行上の配慮
④ 患者・家族及び医療事故に関わった職員(当事者・関係者)等の精神的ケア等のサポート

6)説明と対話の文化の醸成 医療機関における説明と対話の文化を醸成するために行う業務には、次のようなことがある。

(1) 医療対話推進者は、患者・家族からの相談や苦情等が遅滞なく報告され、必要に応じて各部門の患者・家族支援体制に係る担当者等とともに原因の分析、対策の検討を行い、患者・家族と医療者の対話が推進されるように、全職員に働きかける。

(2) 患者・家族支援に関連する情報収集、情報提供、研修の企画実施のそれぞれの場面に、職員と患者・家族が参加することで、患者・家族支援体制の確保について、職員及び患者・家族の意識が高まるように働きかける。

(3) 医療者から患者・家族へ十分な説明がなされ、対話が推進されたことで、相互に理解が進んだ事例を共有することで、説明と対話の文化の醸成を図る。




谷直樹

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by medical-law | 2013-01-17 09:58 | 医療