弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 01月 29日 ( 3 )

弁護士の犯罪防止とカルパの導入

日本弁護士連合会(日弁連)は,2013年1月18日,「弁護士の一連の不祥事に関する理事会決議」を発表しました.

「当連合会は、一連の事件に対する厳正な処置と原因究明を徹底します。また、原因究明の結果を踏まえ、今後弁護士がこのような不祥事を起こさないための再発防止に全力を尽くします。この点では、全国の弁護士に対してより一層の綱紀粛正と倫理の確立を求めるほか、預り金管理の方法、市民窓口との連携、さらに弁護士会の所属弁護士に対する指導監督のあり方などを含む改善・改革の方策について、当連合会内にプロジェクトチームを編成して検討しており、同チームの答申を得て直ちに不祥事発生防止策を実行に移します。」

一連の事件は,不祥事というより,もはや犯罪です.
しかも,決議後も弁護士の犯罪が報じられています.

古くから議論がありますが,早急にカルパを導入すべきと思います.
弁護士会の管理の下に設けられた弁護士預かり金口座をカルパと言い,フランスでは,裁判等を通じて授受される金銭の決済について,弁護士はカルパを通じて行うことが義務付けられています.
もちろん,これだけで,弁護士の犯罪がすべて防止できるものではありませんし,根本的な解決にはなりませんが,弁護士の犯罪の一部を防止できると思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-01-29 18:15 | 弁護士会

植込み型除細動器・ペースメーカリード「アイソライン2CR」と「アイソライン2CT」の自主回収

日本ライフライン株式会社は,2013年1月28日,植込み型除細動器・ペースメーカリード「アイソライン2CR」と「アイソライン2CT」(平成20年4月~平成25年1月販売)の自主回収に着手しました.「回収対象となる商品は全て特定されておりますので、医療機関に対して速やかに情報提供を行うとともに商品の回収を実施いたします。」とのことです.

厚生労働省福祉保険局の「医療機器自主回収のお知らせ」によれば,「健康被害は,これまでに国内で2例発生していますが,リードを交換し,現在は回復されています。」とのことです.

同社のサイトでは,国内での健康被害発生についてはふれず,回収の理由等について次のとおり記載しています.

「3. 回収理由および原因
 海外製造元において、世界で植込まれた13,500本の当該商品の内、不具合の発生が疑われた30本の商品を分析した結果、除細動コイル下の内部絶縁被膜損傷が確認されました。絶縁被膜に損傷が生じた場合、不適切な治療が引き起こされる可能性があることから、弊社では患者様の安全を第一に考え、出荷済み商品の全品回収を決定いたしました。 」


「アイソライン2CR」と「アイソライン2CT」は,ソーリン・グループ・イタリア社の製品ですが,ソーリン・グループ株式会社ではなく,日本ライフライン株式会社が販売していました.日本ライフライン株式会社は,製造元のソーリン・グループ・イタリア社による分析結果をまって回収を判断したのでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-01-29 06:40 | 医療

有田市立病院,結核菌の培養検査で陽性と出ながら,結核患者として対応せず(報道)

読売新聞「結核陽性 患者に伝えず」(2013年1月29日)は,次のとおり報じました.
 
「有田市立病院(有田市宮崎町)が結核検査で陽性となった90歳代の男性に結果を伝えないまま、昨年2月から数か月間、診察を続けていたことがわかった。男性は別の医療機関の検査で結核が発覚し、12月頃に亡くなった。同市立病院の担当医は、保健所に連絡するなど、一部の必要な予防措置をとらなかったが、同室の入院患者や家族らへの感染はなかったという。

 男性は昨年1月下旬、肺炎の疑いで入院。結核菌の培養検査も実施したところ、2月下旬になって陽性との結果が出た。

 ただ、検査担当者から連絡を受けた男性主治医が感染症法に基づく保健所への届け出をせず、既に退院していた男性にも連絡しなかった。同病院は「主治医は、電話で聞いたので(対応が)あいまいになってしまったと説明している。反省しており、再発防止に努めたい」としている。

 男性はその後も入院したり、通院したりした上、検査結果を記した書類がカルテに張られていたが、主治医らは男性を結核患者として、対応をしなかった。

 男性は8月、せきや微熱を訴え、別の医療機関を受診。結核が発覚したため、専用病床がある美浜町内の病院に入院したが、12月頃に亡くなった。同市立病院は「死亡原因は結核ではないと聞いている」としている。

 公益財団法人「結核予防会結核研究所」(東京都)の加藤誠也副所長は「思い込みがあると起きるミス。結核は進行すると感染力が強くなるので、患者への連絡ミスが起こらない体制づくりが必要だ」としている。」


患者が別の医療機関を受診しなかったら,最後まで結核が見過ごされたままだったかもしれません.

主治医に結核菌陽性という認識がなかったため,患者にも保健所にも伝わっていなかったのですが,主治医が,検査担当者から陽性の報告を聞いていながら,また,カルテに検査結果が貼られていながら,結核として対応していなかったのは,どうしてでしょうか.報告をきちんと聞いていなかった,カルテを見ていなかった,ということなのでしょうか。


谷直樹

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by medical-law | 2013-01-29 06:07 | 医療事故・医療裁判