弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 04月 14日 ( 3 )

米研究,受刑者への動機付け面接法と認知行動療法で出所3カ月後の禁煙継続率が6.6倍に

健康百科「受刑者への禁煙プログラム、出所後の継続率は? 米研究」(2013年4月12日)は,次のとおり伝えました.

「米ブラウン大学プライマリーケア・予防センターのJennifer G. Clarke氏らは、受刑者に薬を使わない禁煙プログラムを実践した場合、出所から3カ月後に禁煙を続けている割合が6.6倍だったことを、4月8日発行の米医学誌「JAMA Internal Medicine」(電子版)に発表した。」

「敷地内が全面禁煙で、禁煙プログラムを行っていない、米北東部の大規模な州立刑務所に服役しており、入所前の喫煙本数が1日10本以上、8週以内に刑期を終える予定の18歳以上の男女262人を対象とした。WISEは、本人に抱えている問題を認識させ、治療に立ち向かう動機を持つよう促す「動機付け面接法」と、抱えている問題に対しての考え方を柔軟にして治療に取り組むよう導く「認知行動療法」を行うプログラムだ。

 健康に関連したビデオを視聴するグループ(対照群、125人、平均年齢35.4歳、男性64.8%)と、WISEを行うグループ(WISE群、122人、平均年齢35.7歳、男性65.6%)にランダムに割り付け、両群で週1回のセッションを6週間実施。出所後3週での禁煙継続率などを評価した。 出所後に喫煙する意向がある人の割合は、対照群で49.2%、WISE群で53.3%。入所前の喫煙年数と1日当たりの喫煙本数は、それぞれ19.7年・22.6本、19.1年・20.7本だった。」
 
「出所から3カ月後に尿のコチニン(ニコチンの代謝物)濃度で禁煙しているかどうかを調べたところ、WISE群の禁煙を継続していた人の割合は対照群の6.6倍だった。」


禁煙治療における認知行動療法の有効性の大きさを示す報告です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-14 20:54 | タバコ

スモークフリーキャラバンの会,広島県知事・愛媛県知事らへ受動喫煙防止条例の制定を求める要望書を提出

中國新聞「受動喫煙の防止へ条例制定を要望 広島県・県議会にキャラバン隊」(2013年4月13日)は,次のとおり報じました.

「医師や市民たちでつくる「スモークフリーキャラバンの会」(東京)と広島県医師会の医師の計10人が12日、広島県庁を訪れ、受動喫煙防止条例の制定を求める要望書を湯崎英彦知事と林正夫県議会議長宛に提出した。

 一行は、県の佐々木昌弘健康福祉局長に面会。2010年度から官公庁や病院に屋内全面禁煙を義務付ける神奈川県条例を説明し、「広島県民の健康を守るため一刻も早い条例制定を」と求める要望書を手渡した。佐々木局長は「受動喫煙、能動喫煙の防止に努めたい」と答えたという。

 県議会では、生活福祉保健委員会の福知基弘委員長に要望した。

 キャラバンの会は11年9月から全国を巡回中。今月中に岡山、島根、鳥取の3県を訪問し、来年2月には山口県に要望する。」



愛媛新聞「受動喫煙防止へ 県へ要望書提出」(2013年 4月13日)は,次のとおり報じました.

「全国の自治体や議会に受動喫煙防止条例の制定を訴えている「スモークフリーキャラバンの会」などの関係者が12日、愛媛県庁を訪れ、中村時広知事宛てに早期の条例制定を求める要望書を提出した。
 要望書によると、受動喫煙で毎年少なくとも6800人が死亡していると指摘、条例を制定して公共施設などは敷地内禁煙とするか、喫煙所を設ける場合でも出入り口から10メートル以上離すよう求めている。」


広島には「たばこと健康・広島フォーラム」があり,愛媛には「タバコフリー愛媛」があります.

広島県医師会のコラム「禁煙コーナー」は,是非ご一読いただきたくお奨めいたします.

また,血圧ドットコムの高血圧Q&A愛媛編には,次のとおり掲載されています.

「喫煙すると、血圧は一時的に上昇し、紙巻きタバコを1本吸った場合、15分以上血圧が高い状態が続くといわれます。そのため、チェーンスモーカーのように常にタバコを吸っていれば、血圧が高いままになっている可能性があります。また、喫煙は動脈硬化の危険因子で、動脈硬化になると血圧は上昇します。英国の研究では男性の場合、喫煙者は非喫煙者に比べて脳卒中に5倍なりやすく、高血圧の喫煙者は正常血圧の非喫煙者に比べて15倍以上高くなることが判明しています。また、喫煙の害は喫煙者のみならず、受動喫煙として周囲の非喫煙者にも及びます。高血圧患者のみならず、健康な人も禁煙しましょう。」(加藤正隆先生)

「禁煙は脳卒中の予防に大変有効です。日本人男女9,000人以上を対象とした研究で、喫煙者(1日21本以上喫煙)が脳卒中により死亡するリスクは非喫煙者に比べて男性で2.17倍、女性では3.91倍高いものの、禁煙した人は男女とも非喫煙者と大きな差がないことが判明しています。また、米国で行われたフラミンガム研究において、5年以上禁煙していれば、脳卒中を発症するリスクは非喫煙者と同程度にまで下がることも分かっています。さらに英国の研究において、高血圧の男性患者で過去に1日20本以上の喫煙歴がある人が脳卒中を発症するリスクは非喫煙の男性高血圧患者に比べて約1.7倍高いものの、喫煙者の半分以下のリスクであることも分かっています。喫煙歴や過去の喫煙本数にかかわりなく、今からでも禁煙することが大切です。」(中野敬先生)



谷直樹

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by medical-law | 2013-04-14 08:07 | タバコ

茅ケ崎中央病院,がん検診の結果が約半年伝わらず

msn産経「「要精密検査」を5カ月半告げず 神奈川・茅ケ崎中央病院 76歳男性肺がん診断」(2013年4月12日)は,次のとおり報じました.

「神奈川県茅ケ崎市が市内の病院に委託した市民向けがん検診をめぐり、受診した男性(76)の検診結果が「要精密検査」だったにも関わらず、病院側が5カ月半も結果を告げていなかったことが、分かった。男性はその後、別の病院で最も進行度合いの高い「ステージ4」の肺がんと診断された。病院側は男性に対し「結果はまだかと声をかけてくれれば対応できた」と説明している。

 検診結果を放置していたのは茅ケ崎中央病院(同市茅ケ崎)。男性は平成23年8月31日に受診し、9月5日に「要精密検査」の結果が出た。同病院は6日から再検査を促すため、男性の自宅に複数回にわたって電話連絡したが、不在で連絡が取れなかったという。

 男性は10月~24年1月、持病のため同病院で診察を計4回受けたが、病院から結果報告はなかった。その後、同年2月に診察を受けた際に初めて結果を聞かされ、医師から精密検査を受けるよう勧められた。男性は3月、都内の大学病院でステージ4の肺がんと診断され、5カ月間入院後、現在も通院している。

 茅ケ崎中央病院は男性に対し「(電話の代わりに)結果を郵送することは行っていない」と説明。電子カルテ上には検診結果が表示されず、この間診察に当たった医師も結果が男性に通達されているかどうかは確認できなかったという。

 同病院を運営する医療法人社団「康心会」は「弁護士と相談しており、取材に対応できない」としている。」


患者から声をかけてくれれば対応できた,というのは,たしかにそのとおりですが,患者からすれば,10月に通院したときに言ってくれたらよかったのに・・・,と思うでしょう.
そもそも,がん検診の結果を確実に伝えるシステムが必要と思います.昼間自宅に電話しても留守の人が少なくありませんので,確実に連絡できる方法(携帯電話,郵送など)をあらかじめ記入してもらうことを検討したほうがよいと思います.

【追記】

msn産経「神奈川・茅ケ崎病院のがん放置 医師会が事実把握も市に報告せず」(2013年4月19日)は,次のとおり報じました.
 
茅ケ崎中央病院(神奈川県茅ケ崎市)が実施した市民向けがん検診の結果が5カ月半にわたり放置され、男性(76)がその後肺がんと診断された問題で、茅ケ崎医師会が2月に事実を把握しながら茅ケ崎市に報告していなかったことが19日、分かった。同医師会の丸山徳二会長は「正式な(病院の)報告書を受け取ってから市に報告しようと思っていた」と話すが、現在も報告書を受け取っていない。

 今回の検診結果放置に絡み、同病院院長は2月25日に医師会を訪ね、丸山会長に報告。その際、丸山会長は再発防止策の実施と経緯を記載した報告書の提出を求めたという。丸山会長は「市に報告すべきだったのだろうが、思いが至らなかった。決して(同病院を)かばって市に報告しなかったのではない」と述べた。

 市民向けがん検診は市が医師会に委託し、市内の医療機関が実施している。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-14 07:25 | 医療事故・医療裁判