弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2013年 04月 15日 ( 1 )

李啓充先生,混合診療解禁なら日本の医療市場も米国化の危機

米タイム誌史上最長の特集記事「Bitter Pill」の内容を,李啓充先生が週刊医学新聞で紹介しています.

MDアンダーソンがんセンターは,仕入れ価格3000ないし3500ドルの抗がん薬を1万3702ドルで患者に請求した,転倒後救急外来を受診した女性は,CT検査代6538ドルをふくめ総額9418ドルの請求を受け,加入していた保険が受診一回当たりの上限が2000ドルのため,7418ドルを自己負担した,などの実例を紹介しています.

医療施設が診療費を自由に決められる米国では,このように診療費が保険給付額を大幅に上回る事態が頻繁に起きています.

李啓充先生は,混合診療解禁なら日本の医療市場も米国化の危機にある,と警告します.

「混合診療解禁論者は,「新規の治療は高くつくので,公的保険ですべてを給付することはできない。高額の新規治療については保険外(自由診療)とし,自己負担にする」と主張するが,米国医療の実態を見る限り,これほど恐ろしい主張もない。例えば,製薬会社が新規の抗がん薬を保険外で患者に提供すると決めた場合,米国と同様,1回の投与に100万円を越えるような,とんでもない高価格をつけることが可能となるからである。

 混合診療の解禁(=自由診療の拡大)は,医療市場を米国化することにほかならず,「命が惜しければ金を出せ」式の,強盗まがいの医療が日本でも横行することが懸念されるのである。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-15 06:11 | 医療